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本当にあった怖い話と言われても、あー作り話だなって感じるテンプレの様なものがある第11話目

「え……き……?」

「だよな。駅だよな?幻覚じゃないよな?」

トンネルから続く道は不自然に切り取られたかのように途中で寸断され、荒れた平地の中にポツンと荒廃した駅のホームが鎮座している。

トンネル……いや、道路が廃止されているので電気が通っている可能性は低い。

現にトンネル内に灯りは1つもない。


駅を目の当たりにして立ち尽くしている2人に漸く女性が追い付いた。

「2人とも早いです」

軽く息を切らしている。

女性が本気で走っていなかったのも理由の1つだが、2人が早いと言うよりは女性が遅すぎただけだ。

「どうしたんですか?行かないんですか?」

呆然と立ち尽くす2人に然も当然かのように質問をする。

「え?あれ、見えてないの?」

女性の質問に困惑する瑞希だが、万が一の事も考え駅を指差しながら女性に質問を返す。

「駅ですよね?」

「うん。駅だよね。昔からある駅?」

「いえ。普段は駅なんてないです。崩落現場までの道があるだけです」

「じゃあ、なんで……」

「こういったものと遭遇したかったんじゃないんですか?行かないんですか?」

困惑する2人を余所に平然としている女性。

そして、女性は2人に駅方向への進行を促す。

女性の態度から『逃亡』の2文字は頑として聞き入れてもらえそうにない。

色々な感情が入り交じる中、瑞希は勇気を出して1歩踏みだす。

1歩また1歩と歩を進める度、追い求めていたものへの好奇心。そして、未知への恐怖で胸の高鳴りを抑える事が出来ない。

ホーム脇の階段からホームに降り立ち、大輔たちに向かって両手を大きく振る。

「おーい!大輔―!凄いよー!本当にあるよー!」

呆気に取られたままの大輔だったが、瑞希の声で多少の正気を取り戻したようだ。

ハッとした様子で顔を瑞希の方へ向ける。

「いくら何でも不用意すぎるだろ。何かあったらどうするんだ」

瑞希に注意をしつつ、大輔自身も瑞希と同じルートを辿りホームに立つ。

「どう見てもホームだよな」

「だよね。でも、駅名は分からないね」

瑞希はホームに設置されている駅名票を指している。

駅名は書かれているようだが、汚れや破損が著しい。瑞希の指摘通り駅名を読み取ることはできない。

「きさらぎ駅だったりして」

「まさか。だって僕アレの全レス読んだことあるけど結構ボロだらけだったよ。都合の悪いレスはスルーしてたし、整合性が取れてない部分も多かったし……。まとめサイトとかは都合の良い部分だけ切り取ってるからそれっぽい感じにはなってたけど完全にフィクションだよ」

「じゃあ、これは何だろう?」

「何かの撮影のセットとか?」

「あー……。微妙にありそう。でも、電気つけっぱなしなのは無いかな……。あと、電源は何処にあるんだろう?セットだとしたら発電機か何かあるよな?」

初めのうちは恐怖心や不信感などが勝っていたが、慣れとは恐ろしいもので今では軽口を叩く余裕すら出てきている。

雑談がてら駅の考察や観察を進めている所に女性も到着した。

「凄いですねー。意外と土台もしっかりしてますし、何なんでしょう?」

「何か心当たり無い?テレビの撮影があるとか?」

「そのような話を聞いた記憶はありませんね」

どうやら、女性にもこの駅の心当たりはないようだ。

駅の事をあれやこれやと話しているとそれは突如として姿を現わした。


本編とは全く関係ありませんが、本編が短かったので、今回のサブタイトルの話を少し。

・禁忌の場所(理由を知らないのは子供たちのみ)

・察しの良いご老人「まさかお前たち、あの場所に行ったのか!?」

・事が起きてから真相を話し出す大人

・都合よく知り合いに霊能者がいる

・当たり前のように除霊が出来る神主

などなど。

話を聞いていて「あ……」と察してしまいます。

それすらも楽しんで何ぼだとは思うのですが、それなら『本当にあった』と付けないでほしいですね。

大々的にフィクションだと公言しないでも良いので濁す努力はしてほしいものです。


あ、これだけです。

特に何の意味もない後書きです。

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