貴音には双子のお友だちがいるのです(貴音side)中編
ドッキリ大成功なのです!
おねえちゃんに双子の天ちゃんを二階の貴音の部屋で、空ちゃんを一階のトイレで会わせてみたらメチャクチャ混乱していたのです。
「やったのです!」
「面白かったー!」
「かったー!」
貴音と天ちゃん空ちゃんは部屋に戻るとハイタッチをして喜んだのです。でもすぐに……階段を力強く上ってくる音が聞こえてきたのです。
「貴音ちゃん、それと天ちゃんたち! 入るよー」
――バレたのです。
貴音は悪い子なのです……てへぺろ♥
※※※※※※※
改めて天ちゃんが空ちゃんを紹介したのです。そしておねえちゃんが貴音の部屋から出て行こうとしたとき、
「あっ、お姉さん!」
天ちゃんがおねえちゃんを呼び止めたのです。
「えっ、何?」
「あっあの……私たち、実はお姉さんに相談したいことがあるんです」
「あるんです」
そう、天ちゃんたちは「あの事」を聞こうとしているのです。
「あのっ! お姉さんはおっぱい大きくするプロだって聞いたんですが……お願いです! 私たちのおっぱいを大きくしてください!」
「ください!」
前に貴音がブラを買ったとき、ブラの着け方でおっぱいを大きく見せられる方法をおねえちゃんから「実演」してもらったのです。そのことをこの二人に話してしまったのですが、貴音はおねえちゃんに怒られないか心配なのです。
「たーかーねーちゃーん」
「ぷにゅ!?」
おねえちゃんにほっぺたを押さえつけられたのです。やっぱり怒られるのです。
「そういうことは気軽に言いふらしちゃダメ」
「ふぁっふぇふぇんふぁんふぉふうふぁんふぉふぁふぁんふぇふぃふふぉふぇふ」
……これじゃしゃべれないのです。
そしておねえちゃんは、天ちゃんに向かってこう言ったのです。
「あなたたちも、まだ中学生なんだからそんなこと気にしなくていいのよ! それに……見たところそんな気にするような体型じゃないでしょ」
「あっ……違うんですよ、実はこれ……」
すると天ちゃんはとんでもない行動に出たのです。天ちゃんはなんとセーラー服を脱ぎだしたのです!
――て……天ちゃん、何をしているのですかぁああああっ!?
天ちゃんは小さいころからお母さんに「お姉さんだからしっかりしなさい」と言われて育ったのです。根がマジメな天ちゃんはその期待に応えようと何事にも一生懸命やってしまうのです。
でも後先のことを何も考えず真っすぐ突き進んでしまうので、みんなから「暴走機関車」と呼ばれているのです!
「ちょっと天ちゃん、何やってるの? やめなさい!」
やめなさいと言ってる割におねえちゃん、目がうれしそうなのです! そういえばおねえちゃんは貴音の小さいおっぱい見てよろこぶヘンタイさんなのです!
「天ちゃん……もしかしてパッド入れてる?」
天ちゃんは負けず嫌いなので少しでも大きく見せようとしているのです。すると天ちゃんは、隣で他人のふりをしている空ちゃんに向かって
「ちょっと、空だってそうでしょ!? あなたも脱ぎなさい!」
「なさ……へっ!?」
――うわぁああああっ! 恐れていたことが起こったのです!
天ちゃんは何と空ちゃんの服まで脱がしにかかったのです。
貴音はあの「悪夢」を思い出したのです。それは小学校一年生のとき、プールの授業前に着替えていたときのことなのです。
突然、ある男の子が巻きタオルを投げ捨てて素っ裸になったのです。そして女の子に向かって「おまえらこんなことできねーだろ」と挑発してきたのです。
これに負けず嫌いの天ちゃんが反応したのです! 天ちゃんも巻きタオルを投げ捨てて素っ裸になってしまいクラス中が騒然となったのです。
さらに「双子なんだから空もやりなさい」と、教室の隅でこっそりと着替えていた空ちゃんを引っ張り出すと空ちゃんまで素っ裸にしてしまったのです。
男の子はドン引き、空ちゃんはギャン泣き……天ちゃん空ちゃんのお母さんは学校に呼び出され、天ちゃんはメチャクチャ怒られたのです。
天ちゃんはあの時と何も変わっていないのです。そして空ちゃんはいつも「暴走機関車」の犠牲になるのです。この暴走機関車は誰にも止められないのです!
「あぁちょっと! わかったからそんなことしなくていいよぉ……」
しなくていいと言ってる割におねえちゃん、天ちゃん空ちゃんのブラをジロジロと見ているのです!
何で天ちゃん空ちゃんのブラばかり見ているのですか!? おねえちゃんがブラを見たがっているなら貴音もブラジャー姿になるのです!
「私たち、貴音ちゃんも含めて『貧乳シスターズ』って呼ばれているんです! だから何としてもおっぱいを大きくしたいんです!」
天ちゃぁああああんっ! その名前は絶対イジられるからおねえちゃんに内緒なのです! それと貴音を暴走機関車に巻き込まないでほしいのです!
まだ成長期だから無理に大きくする必要はない……とおねえちゃんは二人を説得したのですが、天ちゃんは聞く耳を持たないのです。
「わかった! じゃあ巨乳がどんだけ大変か、あなたたちに教えてあげるよ」
そう言っておねえちゃんは一度部屋から出ると、自分のブラとなぜかグレープフルーツを二個持って再びやって来たのです。
「天ちゃん、これ、私のブラだけど着けてみて」
そしておねえちゃんは天ちゃんに自分のブラを着けさせようとしたのですが……
――天ちゃん! 自分のブラは外さなくていいのですぅううううっ!
おねえちゃんのブラを、天ちゃんはとてもうれしそうに着けたのです。そして天ちゃんのおっぱいを見たおねえちゃんもうれしそうな顔をしていたのです。その顔を見た瞬間、貴音はなぜか胸の中がモヤモヤとしてヘンな気分になったのです。
「うわっ重っ! えっ、これがお姉さんの感覚なんですか?」
天ちゃんは、おねえちゃんからグレープフルーツを二個ブラに入れられてその重さに驚いていたのです。
「でしょ! 大変なのよぉ……じゃ、空ちゃんもしてみる?」
――あっ、マズいのです! おねえちゃん、それは言ってはいけな……
「あっほら! 空もやってみなさい! 早くブラ取って!」
「ひっ!」
うわぁああああっ! 天ちゃんの暴走が再び始まったのです! 天ちゃんは何と空ちゃんのブラを強引に外したのです。
おねえちゃんは「外さなくていい」と言っていたくせに、天ちゃんを止めることなくおっぱい丸出しの空ちゃんを見てうれしそうな顔をしたのです。
――許せないのです!
何で天ちゃん空ちゃんのおっぱい見てよろこぶのですか!? おねえちゃんは天ちゃん空ちゃんのことが好きなのですか!?
――貴音のことは……好きじゃないのですか!?
おねえちゃんは貴音のことだけを好きになって欲しいのです。貴音だけを見て欲しいのです! こうなったら負けていられないのです! 貴音もブラ外しておっぱい見せるのです!
――絶対に負けられない戦いがそこにはあるのです!
貴音なのです。このお話と天ちゃんの暴走は続くのです。




