《雑談2》貴音たちもカキ氷食べるのです(7杯目)
「7杯目! 農園カフェ(3)のカキ氷だね」
「和菓子屋さんと同じ南アルプス市の、ハッピーパークという施設内にある『南ぷすカキ氷やさん』なのです」
「じゃあ丸ごとモモのカキ氷を……って、あれ!?」
「「・・・・・」」
「お店がないのですぅううううっ!!」
「えっどういうこと!?」
「確か農産物加工施設の前にあるハズなのですが……」
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「今、売店の人に聞いて来たんだけど……もうここではやってないらしいよ」
「ダメなのです! 桔梗信玄といい、アニメスタッフはちゃんと調べるのです」
「いくら名前を伏せてもわかるヤツにはわかるからね、何でもかんでも『この物語はフィクションで実在する云々関係ない』の一言で済まされても……ねぇ」
「ふわぁ、もうダメなのですぅううううっ」
「ん? あれっ!? 貴音ちゃん……ネットで調べたらこのお店、他の場所で営業してるらしいよ!」
「ほえっ!? じゃあ行くのです! おねえちゃん! 今すぐイクのです!」
「い、いやぁ~そんなこと言われてもなぁ」
「おねえちゃん……何で顔が赤いのですか?」
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「だいぶ離れた場所だね」
「さっきのハッピーパークから約1.5キロほど南に移動したのです」
「ゴルフ練習場を通り過ぎたら右に曲がって……で、ここは?」
「同じく南アルプス市にある『小野洋蘭果樹園』さんなのです」
「えっ、また洋蘭園?」
「でも洋ランはどこにも見当たらないのです! 代わりにあるのは……えーっと」
「サクランボの木だよ! シーズン終わっちゃったけど、サクランボ狩りやってたみたいだよ……あと、駐車場にEV充電設備があるんだね」
「今はお店にモモがいっぱいあるのです……ところで、カキ氷屋さんが見当たらないのですが」
「一応、看板はあるみたいだけど……」
「移転前はキッチンカーで販売していたのですが……思ってたのと違うのです」
「お店の人に聞いたら大丈夫みたい! 食べよっか」
「あれ? アニメで出てきた『丸ごとモモのカキ氷』がないのですぅ!」
「ネットで過去の画像検索したら出てきたんだけど……それって限定商品の『天然氷もも練乳』のことだったみたいだね」
「限定商品じゃあ仕方ないのです……でも残念なのです」
「今は天然氷の『フルーツシロップかき氷』と、普通(?)の『フルーツシロップかき氷』の2種類が選べるみたいだよ」
「普通のって何なのです? 水道水ってことなのですか?」
「そりゃわからんけど……天然氷が600円、普通のが400円(2025年8月現在)、せっかくだから天然氷のカキ氷を食べようよ」
「フルーツシロップは全部で7種類なのです」
「全て山梨県産だね」
「イチゴブルーベリーモモユズブドウキウイスモモ」
「……区切って言ってくれ!」
「貴音はやっぱりモモがいいのです!」
「じゃあ私は……変わってるからユズにするか」
「いただきますなのです!」
「んんっ、さっぱりして美味しい」
「モモも甘くて美味しいのです」
「オリジナルのシロップ……どうやらこのお店の母体となってるNPO法人でフルーツシロップやジャムを作ってるらしいよ」
「前に営業してた場所の隣で作っていたのですね……あ、この花びらジャムってどこかで見たことあるのです」
「でもさぁ、確かに山梨はフルーツ王国って言われてるけど……さすがにこの7種類が全部県内で作られているとは思えないんだけど」
「それなのですが……ここからは自称・山梨マニアの作者が勝手に産地を予想してみたので発表するのです!」
「あくまでも根拠のない予想だよね?」
「作者の予想は……
イチゴ=甲府市
ブルーベリー=北杜市または富士河口湖町
モモ=南アルプス市または笛吹市
ユズ=富士川町
ブドウ=甲州市または山梨市
キウイ=南アルプス市
スモモ=南アルプス市または甲州市
……だそうなのです! でも団体の所在地が南アルプス市だから、こっち方面の農産物を使う可能性が高いのです」
「ていうか……全部山梨で作られているんだね! そういや甲州八珍果って言葉もあるくらいだからなぁ」
「コーシューハッチン●?」
「……いくら無自覚でも言っていいことと悪いことがあるぞ!」
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「ごちそうさまなのです」
「何とか目的は達成したね! ところでさぁ」
「何なのです?」
「アニメではこのお店のカキ氷を食べてアイスクリーム頭痛になったって描いてあるんだけど……」
「?」
「実は天然氷のカキ氷って、アイスクリーム頭痛になりにくいって話だよ」
「……あfろはウソをついたのです」
「呼び捨てするな!! 失礼だぞ! それに個人差あるから、天然氷でも敏感な人は頭痛を起こすみたいだよ」
「でも、なぜなのです?」
「天然氷は人工氷に比べて、温度を高くして食べやすい温度で削ることができるんだって……理由はよくわからんけど。だから天然氷の方が体に優しい……っていうかダメージを受けにくいんだよ」
「温度が高い……天然氷はお湯なのですか?」
「いやいや、どっちも氷点下だけど! その証拠にさぁ、このカキ氷って解けるの早くない?」
「本当なのです! 味わって食べていたらすぐジュースになってしまったのです」
「まっ、まさか!? そうか……それでか」
「おねえちゃんも……気付いていたのですね」
「このスプーン……使いにくい!」
「お祭りで出てくる、ストローを加工したヤツなのです」
「解けてジュースになりやすいからこれで飲め……って配慮か?」
「では8杯目を食べるのです! 次も天然氷なのです」
続くのです。あfろ先生、ごめんなさいなのです……ぺこり。




