《雑談2》貴音たちもカキ氷食べるのです(2杯目)
「工場テーマパークから石和温泉駅(方面)まで徒歩……考えられへん」
「おそらく彼女たちは金川沿いから鵜飼橋を通ってきたのです。グルグルマップで測定したら約3.4キロメートルあったのです」
「決して行けない距離じゃないけどさぁ……盆地の暑さを考えたら自殺行為だよ」
「できればマネをしないでほしいのです! 特に川沿いから橋までは自販機がないのです! 十分な水分補給が必要なのです」
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「で、次は2杯目、お菓子屋さんのカキ氷……か」
「ここは駅前通りにある『甲州かすてら 槌や』さんなのです! その名の通り、カステラがメインのお店なのです」
「駐車場はお店の前に3台分か……いっぱいで停められないなぁ」
「道を挟んで反対側にも停められるのです! あと『糸柳』の駐車場も……」
「えっ、ちょっと待って! 糸柳っていえば石和の老舗旅館だよね!? そんなとこに停めていいの?」
「いいのです! だってこのお店、糸柳が経営しているのです」
「……えっマジかよ!?」
「旅館やホテルに宿泊すると、お部屋にお茶菓子が置いてあるのです」
「そ、そう……なの? 私はそんな高級な宿に泊まったことないからわからん」
「そのお茶菓子として作られたのが『甲州かすてら』なのです」
「へぇ」
「他にもシュークリームが人気だそうなのです」
「注文してからクリーム入れるヤツか!? いいなそれ……ん?」
「どうしたのです? おねえちゃん」
「あ、いや……お菓子屋なのになぜかレトルトカレー売ってるんだが」
「あっ、それも人気商品『ジョイアルカレー』なのです」
「ジョイアルカレー? 何だそりゃ?」
「ホテルといえばカレーなのです(※個人の見解なのです)! これは糸柳の社長が研究に研究を重ねて作り出したカレーなのです」
「えっ……社長が?」
「レトルトカレー好きの作者によると……」
「おぃ作者は何にでも興味持ってんだな……典型的なオタクだわ」
「最初は『糸柳BONBONカレー』という名前で売られていたそうなのです」
「ボンボン……まぁ深く追求するまい」
「作者が好きなレトルトカレーで5本の指に入るのです」
「えっそんなに美味しいの?」
「実績もあるのです! 何年か前に東京のどこかで行われた何とかというイベントで何か賞を取ったのです!」
「ふわっとし過ぎて全く伝わらん!」
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「でも今日の目的はこれじゃないのです」
「カキ氷だよね」
「店内にはイートインスペースもあるのです! 買ったカステラやシュークリームを、コーヒーなどの飲み物と一緒に食べることができるのです」
「えーっと……あれ?」
「どうしたのです?」
「メニューにさぁ……カキ氷ないんだけど」
「……えっ?」
「もしかして……店、間違えた?」
「そんなことないのです! 去年まではちゃんと食べられたのです!」
「とりあえず……店員さんに聞いてみようか?」
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「お店から出てきたのです……真相がわかったのです」
「そういうことだったのか!」
「実は今年の6月、この建物の2階で水漏れ事故があったそうなのです」
「で……そこからずっと休業し、8月8日に営業再開したそうだけど……」
「カキ氷に関しては協議の結果、今年度の販売を見送ったそうなのです……」
「何てことだぁああああっ!」
「せめて公式サイトかSNSで知らせてほしかったのです!」
「今年はアニメが放映された影響で、私たちみたいな聖地巡礼が増えそうだから余計にそう思うわ!」
「ガッカリなのです」
「と、いうワケで……」
「聖地巡礼、特にカキ氷目当ての人! 今年の訪問は避けた方がいいのです!」
「とりあえず……甲州かすてら買ったから帰るか」
「イートインでは貴音も好きなコーヒー屋さんのコーヒーが飲めたのですが」
「何かねぇ……居づらかったから思わず出てきちゃった」
「帰ったら貴音がコーヒー淹れるのです」
「うん、よろしく頼むよ……来年は絶対にリベンジしようね」
「はいなのです!」
「……ところで、何でこのお店の名前は『槌や』っていうんだ?」
「それは糸柳の前身が槌屋という料理屋さんだったからなのです」
「貴音ちゃんって……物知りだね」
「全て作者の知識とネットの情報なのです♪」
「……メタ発言とネタばらしすなっ!」
このお店は来年リベンジするとして……カキ氷巡りはまだまだ続くのです!




