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貴音はブラジャーをしてみたいのです(貴音side)中編

 


 貴音はおねえちゃんの買い物に付き合ったのです。



 おねえちゃんは冗談で言ったかもしれないのです……でも、


 貴音にとってこれは「おねえちゃんとの初デート」なのです♥



 ※※※※※※※



 貴音はこのショッピングモールに初めて来たのです。でもおねえちゃんは何度か来たことがあるって言ってたのです。そういえば……


 ――貴音の家から遠いからなのですか? 知ってる人を見かけないのです。


「貴音ちゃん……なっ、何か欲しい服とかある? あったらさぁ、その……遠慮しないで言ってね! お姉ちゃんが買って……あ、あげるよぉ~!」


 おねえちゃんはなぜか声が震えていたのです。おねえちゃんは出かける前にパパからお小遣いをもらっていたのですが、そのときから様子がヘンなのです。


「ん~、特にないのです」


 貴音はいつも、お洋服は市内のデパートで買ってもらうのです。小さいころはパパが、最近は家政婦の武川(たけかわ)さん……つまり今のママさんが、パパから預かったお金で買ってくれるのです。だから服はいらないのです。


「えっ、そ……そう? じゃあお姉ちゃんが先に服買うね」


 ――それより貴音は心配しているのです!


 それは「おねえちゃんの服がマンネリ化」してることなのです。


 おねえちゃんと過ごして三週間、すでにおねえちゃんの私服は見飽きてしまったのです。一週間ローテなので最近はおねえちゃんのコーデで曜日がわかるのです。

 しかもおねえちゃんはカジュアルな男っぽい服ばっかり……男っぽいのは「王子様♥」だから仕方がないにしても、もう少し高そうな服を着て欲しいのです。

 今こうして二人並んでいても全然釣り合いがとれないのです。これじゃまるで赤の他人同士なのです!


 貴音がそう思っているそばから、おねえちゃんはファストファッションブランドのお店に入ってしまったのです……もうっ!


 ……貴音はちょっと不満なのです。



 ※※※※※※※



 おねえちゃんは相変わらず、ゆったりしたメンズや男女兼用(ユニセックス)の服ばかり買い物かごに入れているのです……しかもセール品ばかりなのです。

 貴音はこういう服を一枚も持っていないのです。全部お嬢様系の子供服ばかりなのです。なのでこのお店には興味のある服が一枚もないのです。貴音は退屈しながら店内をウロウロしていたのです。すると……


 ――あっ!


 今、おねえちゃんが着ているのと同じスポーツブランドのコーナーを見つけたのです。貴音はその中からロングTシャツとパーカーを選ぶと、レジに並ぼうとしていたおねえちゃんに、


「あっおねえちゃん、やっぱり貴音も……服が欲しいのです」


 と言って買い物かごに入れたのです。


 次におねえちゃんとデートするとき……貴音はこれを着ておねえちゃんとカップルコーデでお出かけしたいのです♥



 ※※※※※※※



 貴音の買い物は終わったのです。おねえちゃんは両手に買い物袋をいっぱい持っているのです……さすがにこれ以上は買わないと思うのです。ところが……


「あっ! そういえばお姉ちゃん、下着も欲しかったんだ……貴音ちゃん、一緒についてきてくれる?」


 えっ下着!? マズいのです! この流れでいくと貴音のブラも……なんて話になりそうなのです。

 しかもおねえちゃんが足を止めたのは、とってもオシャレな下着専門店の前なのです! 入り口には大人(アダルト)な雰囲気の下着を着けたマネキンが立っていて、貴音には不似合いなお店なのです。


「えっ、あっ……貴音は……用がないのでゲームコーナーに行ってるのです」


 冗談じゃないのです! 本当は欲しいけど、こんなオシャレなお店で恥をかきたくないのです。なのに……


「貴音ちゃん、お姉ちゃん今からブラ買って『試着』するんだけど……似合ってるかどうか見てくれない?」

「見てあげるのです♥」


 おねえちゃんのブラの試着……つまり「おねえちゃんのおっぱい♥」という誘惑に引き寄せられ、貴音はつい下着専門店に足を踏み入れてしまったのです。


 ……不覚なのですっ!



 ※※※※※※※



「いらっしゃいませ」


 デパートのように上品な店員さんにあいさつされて、貴音はおねえちゃんと下着専門店に入ったのです。


 ――こっ、こんなところ友だちに見つかったら死ねるのです。


 見つかったとき「貴音はおねえちゃんに付き合わされたのです」と言い訳できるよう、おねえちゃんにピッタリくっついて店内を見て回ったのです。


 ――それにしても……ここは別世界なのです。憧れの世界なのです。


「さてと、これでいいかな? 貴音ちゃん、試着室に行くよ」

「はい♥」


 貴音はおねえちゃんと試着室に入ったのです。そしておねえちゃんが窮屈そうなブラを外すと……


 〝ボヨンッ♥〟


 いつものおっぱいが現れたのです。でもなぜか家で見るのとは違う新鮮な気分で貴音はドキドキしたのです……はわわーっ♥


「お、おねえちゃん……貴音はおっぱい触りたいのです」

「えっと……公共の場所でそういうのは止めような」

「えっ!? お触り禁止なのですか?」


 残念なのです。でもおねえちゃんはもっと「すごいモノ♥」を貴音に見せてくれたのです!


「貴音ちゃん、知ってる? ブラの着け方でおっぱいは大きく見せられるんだよ」

「えっ、本当なのですか♥」


 おねえちゃんは自分のおっぱいでバストアップの方法を教えてくれたのです。


「こうやってね、わきのお肉をカップに入れるように……」

「ほ、本当なのです! さっきと全然違うのです♥」


 すごいのです! まるでグラビアアイドルみたいな胸の谷間がくっきりと出てきたのです。おねえちゃんは王子様からグラビアアイドルにまでなれるのです!


「すみませーん」


 貴音がおねえちゃんによる「おっぱいショー」の余韻に浸っていると、服を着たおねえちゃんが店員さんを呼んだのです。


「これの色違いってありますか?」

「確認しますね、しばらくお待ちください」


「お願いします。あっ、それとなんですけど……」


 あれ? おねえちゃんが店員さんとヒソヒソ話を始めたのです。まぁでも、ここでは貴音は部外者。聞き耳を立てる必要はないのです。ところが、


「そちらもご用意します。その前に妹さんのサイズを測らせてくださいね♥」


 店員さんはなぜか、メジャーを持って貴音の前に立ったのです。


「えっ?」


 貴音はワケがわからなかったのです。するとおねえちゃんが優しい声で貴音にこう言ってきたのです。




「貴音ちゃん……貴音ちゃんもブラ着けてみる?」




「……へっ!? ふぁっ?」


 ――はっ、謀られたのですぅううううううううっ!

貴音なのです。おねえちゃんと二人で試着室……えっちなのです♥

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