【番外編】年の差百合姉妹の「桃太郎」なのです。後編
(配役)
桃太郎=尾白貴音
イヌ=菱山天
キジ=菱山空
サル=野牛島樹李
赤鬼=平井和
青鬼=武川いづみ
朗読=尾白貴音……なのです。
「着いたのです! ここが鬼ヶ島なのです」
貴音桃太郎と天イヌ、空キジそして樹李サルの四人は舟に乗って鬼ヶ島に着いたのです。四人は上陸すると、そのまま島の奥へと進んだのです。
島には至るところにユリの花が咲いていて、しばらく進むと四人の目の前に洞窟が現れたのです。
洞窟の入り口はカーテンのような物で隠されていて、「休憩」とか「フリータイム」という文字が書かれた看板が掛けられていたのです。
「ねぇ、何か怪しいわよココ! 十八歳未満が入って大丈夫なの?」
「大丈夫なの?」
アウトなのです! でもこれは架空のお話だからセーフなのです。
四人は洞窟の中へ入ったのです。奥にはとても大きな部屋があり、真ん中に巨大なベッドが置かれていたのです。
そしてベッドの上では二人の鬼……いづみ青鬼と和赤鬼が抱き合って寝ていたのです。二人の鬼は貴音桃太郎の姿を見つけると慌てて飛び起きたのです。
「うわっ、何だオマエら!?」
「貴音桃太郎と貧乳三人組なのです」
「樹李タソは貧乳じゃないっす!」
「貴音ちゃんも貧乳でしょ……四人組よ」
「四人組よ」
※※※※※※※
「で、オマエらは何しに来たんだよ!?」
いづみ青鬼と和赤鬼は、貴音桃太郎たちがここに来た理由がわからないのです。
「鬼退治なのです」
「えぇ~!? 退治されるような覚えないわよ~」
和赤鬼がシラを切ると、貴音桃太郎がメモを取り出したのです。
「ここに茅乃おばあさんから聞いた鬼たちの悪事が書いてあるのです」
「えっ……」
「なっ何それ~わかんな~い」
茅乃という名前を聞いて、鬼たちは一瞬ビビったのです。
「青鬼は、おばあさんが後で食べようとして取っておいたプリンを勝手に食べてしまったのです」
「うわっセコッ! まだ根に持ってたのかアイツ……」
「あと、二人が家にいると必ずDVDデッキからディスクが外されるのです」
「そっそれはアダル……いや何でもない。つーかディスク入れっ放しにすんな!」
「それと赤鬼! オマエは以前犬に追われて逃げ帰ったとき、玄関でお漏ら……」
「いやぁああああっ! それは絶対に言わないでぇええええええええ!!」
やっぱりこの鬼たちは悪いヤツなのです。
「バレちまったらしょーがねぇなぁ……」
悪事がバレたいづみ青鬼と和赤鬼はベッドから立ち上がったのです。
「うわぁ……な、何て大きいの!?」
「大きいの!?」
「こっ……こりゃ勝ち目ないっす」
立ち上がった鬼たちを見た四人は驚いたのです。それは腰に虎の皮を巻いたこの二人の鬼が人間離れした大きさだったからなのです……
〝ボヨンッ♥〟
〝ボヨヨ~ンッ♥〟
……おっぱいが。
「おっオマエたちは何で下だけ着て上はハダカなのですか!?」
「うるせーな! 読者サービスってヤツだよ」
いづみ青鬼は身もフタもないことを言ったのです。鬼たちの人間離れしたおっぱいを見た四人は思わずビビッて……ヨダレを垂らしたのです♥
「こっこれにビビってたらダメよ! 倒さなくちゃ……ワンワンッ!」
正気を取り戻した天イヌが威嚇したのです。すると和赤鬼が、
「いやぁああああっ犬! 怖~い!」
「おぃよく見ろ! あれはどう見ても女子中学生じゃねーか!?」
「あら……本当だわ~カワイイ♥」
相手が女子中学生だとわかった鬼たちは突然強気に出たのです。
「ふっふっふ、オマエら全員食ってやる!」
「アナタたち~お姉さんと一緒に~乱♥パーティーしな~い!?」
「またなのです! このシリーズではいつも貴音を食べようとするのです! 貴音は食料じゃ……」
と言ったところで貴音桃太郎は思い出したのです……そう! 鬼は人を食べるのです。今回だけはシャレにならなかったのです。
「こっこのままじゃ食べられるのです! みんな、いったん退くのです!」
四人は急いで洞窟から逃げ出したのです。
※※※※※※※
鬼たちに追われた四人は海岸まで逃げてきたのです。でも波打ち際まで追い込まれてしまい、逃げ場がなくなったのです。
「心配するな、女同士だから妊娠することねーし♥」
「そうよ~、アナタたちの処♥膜だけは守ってあげるわよ~♥」
こっこの鬼たちは何を言っているのですか……貴音桃太郎は意味がわからなかったのです。
「いっイヤよ! 初体験が♥交パーティーなんて一生のトラウマよ!」
「トラウマよ!」
四人は絶体絶命なのです。このままでは鬼たちに食べられてしまうのです……とそのとき、貴音桃太郎にあるアイデアが浮かんだのです。
「みんな! この鬼たちにおっぱいを見せるのです!」
突拍子もない提案に、三人の目が点になったのです。
「はぁ!? 何考えてんのよ! 恥の上塗りじゃないの!?」
「じゃないの!?」
「そんなことしたらみじめになるだけっす!」
「この鬼たちは女子中学生好きのヘンタイさんなのです! 小さいおっぱいが好きなのです。貴音たちがおっぱい見せればコイツらは興奮して倒れるのです」
「そ……そんなに上手くいくかなぁ~?」
でも絶体絶命の状況……天イヌたちは貴音桃太郎を信じたのです。四人はブラを外したのです。
〝ポトッ〟
……でも約一名、ブラ以外の物が落ちる音がしたのです。
「オマエたち! これでも食らうのです!!」
四人は鬼に向かって小さなおっぱいを見せたのです! すると鬼たちは
「うをっ! こりゃたまんねぇ~♥」
「あぁ~ん、も~イッちゃう~♥」
〝バタッ、バタッ〟
貴音桃太郎の言った通り、鼻血を出して倒れたのです。
……四人は勝ったのです! でもある意味負けてしまったのです。
※※※※※※※
貴音桃太郎たちは再び洞窟へ向かうと、大きな宝箱を見つけたのです。事前に茅乃おばあさんから「巨乳になれる」と聞かされていた貴音桃太郎は、期待に胸を膨らませていたのです……でも実際はそんなに膨らんでいないのです。
「こっ……これは一体何なのです!?」
宝箱を開けると中から出てきたのは金銀財宝……ではなく大量のブラジャーだったのです! しかも……
「何コレ!? IカップやKカップなんて人間離れしたサイズばかりじゃん!」
「ばかりじゃん!」
「さ……さすがにこれはムリっす」
サイズはFカップ以上の物ばかり……あの鬼たちが使うブラだったのです。
「むっ、無駄骨だったのですぅ」
四人は宝物をあきらめ、もう帰ろうと再び海岸に戻ったのです。ところが、
「うわぁああああっ!」
「どうしたのです?」
「ブラが……ブラが……」
潮が満ちてきて四人のブラが流されてしまったのです!
「どどどっどうするのです!?」
「このままじゃ家に帰れないわよ!」
「帰れないわよ!」
「じ、じゃあの(宝箱にあった)ブラ使うのです」
「意味ないっす! 着けてもすき間から丸見えっす!」
宝物は持ち帰る価値がなく、ブラも流されたのです。どうやって帰るのか悩んだ四人は、最後の手段に出たのです。
「いやぁああああん!」
四人は宝箱を捨て、おっぱいを手で隠しながら舟に乗り込んだのです。そう……
……手ブラで帰ったのです。
めでたし、めでたしなのです。
貴音なのです。文字数が多すぎたので泣く泣くカットしたネタがあるのです。




