《小休止なのです》
「というワケで貴音はオナラなんてしないのです♪」
「あのなぁ! この期に及んでよくそこまでシラを切れるよね!?」
「貴音は……本当はこんなキャラじゃなかったのですぅ」
「そうだよねぇ! 最初に会ったときは、銀髪で青い目がまるでお人形さんみたいな天使ちゃん……ていうイメージだったもんねー!」
「……おねえちゃんが貴音を汚れキャラにしたのです」
「誤解されるからやめなさいその言い方! でもさぁ、自分の『素』を隠した状態でこれからもずっとお姉ちゃんたちと接していたら……そのうち絶対ストレス溜まると思うよ!」
「でっでも……『親しき中にも礼儀あり』ということわざがあるのです」
「よくそのことわざ知ってたじゃん! まぁそれも一理あるけどさぁ、家族って長い付き合いなんだから……もっと気楽にいこうよ!」
「そう……なのですか?」
「そうだよ! じゃあどう? お姉ちゃんと一緒にお風呂入ってハダカ見せ合ったり、お互いのオナラ聞いたりして……今の方がお姉ちゃんに気を遣わなくてリラックスできてるでしょ?」
「はいなのです♥」
「まぁ最近はちょっと度が過ぎてる感もあるけど……」
「そうなのですか? でも、このくらい過激にならないと読者が喜ばないのです」
「身もフタもないこと言うな!」
「あっ、そういえばおねえちゃん! 今、貴音とおねえちゃんは一緒にお風呂入っているのです」
「そうだねー、説明不足だったけど」
「でも、今入っているのは……貴音たちだけじゃないのです」
「えぇっ!? 怖いこと言うなよぉ~! 誰が入ってるんだ?」
「ここなのです! 貴音とおねえちゃんの間に何かいるのです」
「えぇ~っ!?」
「よーく水面を見るのです……ふんっ」
〝ぷっ…………ぽこんっ!〟
「こらっ!」
〝ぺしっ!〟
「おっ、おねえちゃんが貴音をぶったのです! 暴力反対なのです!」
「貴音ちゃん! お風呂の中でオナラしちゃダメ! 絶対に!」
「ななっ、なぜなのですか!?」
「オナラにはね、大腸菌がいっぱい入っているの! お風呂の中でオナラすると大腸菌がお湯の中に溶け込んでそのまま生き続けるのよ」
「えぇっ!?」
「つまりこのお湯の中に貴音ちゃんの『菌』がウヨウヨいるってこと! しかもほらっ……何か臭くない?」
「えっ……ええっ!? 貴音には何のことだかわからないのです」
「お風呂場でオナラするといつもより臭く感じるそうだよ! 理由はよくわからないけど……」
「ちっ、違うのです! これは貴音のニオイではないのです! 貴音のは臭くないのです! だっ、大腸菌なんていないのです! 貴音は無菌なのです!」
「貴音ちゃ~ん! 今度から読者はみんな、貴音ちゃんのことを『臭いオナラをする大腸菌の塊』って呼ぶよぉ~!」
「イ……イヤなのですぅううううっ! ふえ~んっ!」
「はい、じゃあもう二度とお風呂の中ではしないでね」
「はいなのです! 今度からおねえちゃんのベッドの上だけにするのです」
「何でそうなる!?」
「だって……おねえちゃんはオナラした貴音が大好きだと言ったのです♥」
「そういう意味じゃねーよ! それよりさぁ……私は今回の話でひとつだけ不満があるんだけど」
「えっ、何なのです?」
「オナラの音なんだけどさぁ~、貴音ちゃんは可愛らしく『ぷっ』って音だったけど私は『ブッ』だったんだよ! えっ、何で!? オナラの音とキャラの特徴って相関ないよね?」
「関係あるのです! 貴音はカワイイからオナラもカワイイのです!」
「うわっ、自分で言っちゃったよ! でもさぁ、私だってたまにはカワイイって言われてみたいよ~!」
「おねえちゃんはとってもカワイイのです」
「そっか……ありがと」
「あのピンクのパジャマが……なのです♥」
「それは言わないで」
「次回は……ふわ~あ、眠いのです」
「こら、お風呂で寝たら危ないよ! 次回は私が猟師になって『ぽんぽこ子ダヌキちゃん』を捕獲します!」
「ゼットゼットゼット……」
「こらーっ、『ZZZ』をそのままフツーに読みながら寝るなー貴音ちゃん! ここで寝たら『アレ』やってあげないよー!」
「次回もちゃんと読むのです! ブックマークや評価もするのです!」
「コイツ起きやがった……よほど気に入ってるんだねアレを」




