《小休止なのです》
「あー、それにしてもしつこいナンパ野郎だったなぁ……まだムカつく」
「貴音はおねえちゃんから不審者だと聞かされたので思わず防犯ブザーを鳴らしてしまったのです……ごめんなさいなのです」
「えっ、何で謝るの!? おかげで助かったんだけど……」
「お友だちの少ないおねえちゃんがやっと男の人と知り合えたのに……貴音は邪魔してしまったのです!」
「知り合いたくないわ! あんな『あたおか』と……それとお姉ちゃんが友だち少ないってサラッと失礼なこと言ったよね!?」
「じゃあ聞くのですが……おねえちゃんのお友だちは和おねえちゃん以外に誰かいるのですか?」
「そりゃもちろん! 天ちゃん空ちゃんに樹李ちゃんと……」
「それは貴音のお友だちなのです!」
「あぁそうか! 友だちじゃなくて彼女にしたかったんだっけ♥」
「ところでおねえちゃん、前から気になっていたのですが『あたおか』ってどういう意味なのですか?」
「あぁそれ!? この物語は2017年の設定だけど、12月のM-1グランプリ敗者復活戦で見取り図が言った言葉なんだよね……面白そうだから使ってみたんだよ」
「M-1グランプリって……確かお買い物に行く1週間前だったのです。おねえちゃん、意外とミーハーなのです」
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「今回は1話完結の話だったね」
「実はこのお話、学園祭編の中の1エピソードにする予定だったのです」
「えっ、そうなの!?」
「初めはメイドカフェが成功した後のオマケエピソードとして、貴音がおトイレに行っている間にメイド服姿のおねえちゃんがナンパされる……というお話になる予定だったのです」
「じゃあ何で先延ばしになったの?」
「忍野萌海のコンサートの話が入ってしまったのです! そこで後にレギュラーメンバーになる志麻おねえちゃんが登場するのです」
「あの作者は思いついたら執筆中でも話をコロコロ変えちゃうからなぁ……」
「で、今まで書く機会が全然なくて結局12月になってしまったのです」
「適当だなぁ……」
「そして学園祭ではないので舞台も変わったのです」
「モデルになった場所は……八ヶ岳リゾートアウトレットでーす」
「今はもう無いのです」
「末期の頃は半分以上のお店が撤退して廃墟化していたんだけどね……でも2017年はまだ活気があったんだよ」
「作者は地元なのでよく奥さんとワンちゃんを連れて行っていたのです」
「今は閉鎖されちゃったから作者の記憶だけで創作したんだよね」
「コーヒーショップも下着専門店も実際にお店があったのです! 豚丼やオムライスも食べられるお店があったのです!」
「あと、ペットカートの件は実際に作者が使った感想ですよ」
「でも……何でアウトレットモールが無くなってしまったのですか?」
「それなー! まぁ色々な理由があると思うけど、私はやっぱり駐車場の有料化が原因だと思うよ」
「貴音たちが行った次の年、2018年にこのアウトレットモールは突然300円の駐車場料金を取り始めたのです!」
「郊外型のアウトレットモールとしては異例の出来事だったよね」
「時間や買い物による無料サービスもなかったのです……あれは買い物客に大不評だったのです」
「有料化の理由は環境保全のためとか言われてたらしいけど……料金所待ちの車が渋滞作ってアイドリングによる排ガスで逆に環境悪化してたわ(笑)」
「作者はこの駐車場有料化と、姉妹施設の大洗アウトレットが閉鎖した経緯をネットで知って八ヶ岳の閉鎖も時間の問題……と察していたそうなのです」
「大洗と八ヶ岳……2度も舵取りを間違えちゃったねぇ経営陣は」
「作者は愛犬との思い出が詰まった場所が無くなってしまい残念……だと言っていたのです」
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「さて! この物語も《小休止なのです》を含めて200話に到達しましたー」
「ぱちぱちぱちぱち……」
「できれば口で言わずに手を叩いてくれるかなぁ貴音ちゃん。次回はちょっと問題作……人によってはあまり触れたくない話題になるのかな」
「えっ、何なのですか?」
「貴音ちゃんにある変化が起きるんだけど……実は今回の話にヒントが」
「わかったのです! 貴音が大好きなゲームの世界に転生するのです!」
「小説家になろう読者の9割方が望んでいる設定だろうけど……これは現実世界の話だからそれは絶対にないよ!」
「なーんだ、つまらないのです! そんなんだからいつまで経っても評価ポイントが上がらないのです」
「そんなこと言ったってさぁー! ここまで現実世界の設定で通している話を今さら異世界転生とかにテコ入れできるワケないじゃーん!」
「じゃあおねえちゃんが婚約破棄される話とか、天ちゃんが貴音たちのパーティーから追放されるお話に今から変えればいいのです」
「待って待って! 婚約破棄以前に私は結婚する意思ないんだけど……それと何で追放されるのが天ちゃんなんだ!?」
「とりあえずなろう読者でファンタジーを読まない1割未満の奇特な皆さん! 非ファンタジーでがんばっている作者を応援して欲しいのです」
「よろしくお願いしまーす……いやマジで」




