貴音はおねえちゃんを起こしたいのです(貴音side)
第1話を妹・貴音の視点でお送りします。
貴音にはおねえちゃんがいるのです……
……まるで王子様のようにカッコイイのです。
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わたしの名前は『尾白 貴音』、中学一年生の十二歳なのです。
朝の七時になったのです。ママさんがせっかく朝食を用意したのに、おねえちゃんはいつまでたっても起きてこないのです。貴音は学校に行くのでこのままではおねえちゃんの顔が見られないのです。なので……
――貴音は、おねえちゃんを起こしに行くのです。
「こんこん……入るのです」
――ほわぁああああああああっ♥
ベッドで寝ているのは『武川 いづみ』おねえちゃん、短大に通う十八歳のカッコイイ女子大生なのです。
……でも、寝ている姿はとてもカワイイのです!
おねえちゃんとは苗字が違うのです。おねえちゃんは、貴音のパパが再婚した新しいママさんの娘さんなので苗字が違うのです。
おねえちゃんの部屋はとってもいい匂いがするのです。香水とか化粧品が置いてあって、女子大生の部屋って感じがするのです。
「おねえちゃん、朝なのです。貴音はおねえちゃんを起こしにきたのです」
実はおねえちゃんは寝ていないのです。本当は目を覚ましていて、貴音が起こしに来るのを待っているのです。なので放っておいてもいいのです……が、貴音は今朝もこうしてやって来たのです。それは……
貴音も毎朝、このカッコよくてカワイイおねえちゃんとの「寝起き攻防戦」を楽しみにしているのです! 貴音が起こすときに見せる、おねえちゃんの「反応」にキュンキュンしちゃうのです。だって……
貴音は……「いづみ」おねえちゃんが大好きだからなのです!
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「おねえちゃん、起きるのです。起きるのです」
貴音は布団の上からおねえちゃんを揺り起こすのです。でもこの程度の「攻撃」ではおねえちゃんは起きないのです。逆にここで起きられたら困るのです。おねえちゃんとの楽しい時間が終わってしまうからなのです。
「仕方ないのです。次の作戦に移るのです」
次の攻撃は、おねえちゃんを「くすぐる」のです。でもおねえちゃんを起こすのが目的ではないのです。おねえちゃんが貴音の「くすぐり攻撃」をガマンしている姿を見るのが楽しみなのです!
「おねえちゃん、貴音は今からおねえちゃんの『あし』をくすぐるのです」
実は……くすぐるのは足の裏ではないのです。
おねえちゃんは剣道をやっているのです。つまり足も精神もめちゃくちゃ鍛えているのです。貴音が足の裏をくすぐったくらいでは屈しないのです。貴音はおねえちゃんが屈する姿が見たいのです。
なので貴音が攻撃するのは脚……おねえちゃんの「太ももの内側」なのです!
おねえちゃんの布団を腰のあたりまでめくるのです。
――ほわぁああああああああっ♥
おねえちゃんは普段、とても大人っぽい格好をしているのです。でもおねえちゃんのパジャマはピンク色でネコの柄が入ったパジャマなのです。これは貴音しか知らない「秘密」なのです!
貴音はベッドの上に座って攻撃態勢についたのです。本音を言えばおねえちゃんのパジャマを脱がせて攻撃したいのですが、それをやるとおねえちゃんに本気で怒られそうなのでやめておくのです。
おねえちゃんがどこまで耐えられるか……たたっ、楽しみなのです!
「おねえちゃん、覚悟するのです。こちょこちょこちょ……」
――んっ!
――んふっ!
――んふふふふっ!
ほわぁああああっ! たっ、楽しいのですぅううううううううっ!
おねえちゃんは声を押し殺して寝たふりしているのです。が、時々ピクッと身体が反応しているのです! 耐えているおねえちゃん、とってもカワイイのです!
――貴音は朝から幸せなのです!
でもまだ起きないのです。きっとおねえちゃんは「欲しがっている」のです。
「なかなかしぶといのです。場所を変えるのです」
次はおねえちゃんの「わき腹」をくすぐるのです。しかも今度はおねえちゃんのパジャマの上着の中に直接手を入れるのです。おねえちゃんの素肌……とっても温かくて感触がいいのですぅううううっ!
「こちょこちょこちょ……」
〝ビクッ!〟
――さっきより反応がいいのですぅううううううううっ!!
おねえちゃんは動かないけど、貴音がくすぐるたびにビクッ、ビクッと反応しているのです。ほわぁああああっ! たっ、楽しいのです!
貴音がくすぐったことでおねえちゃんが気持ちよくなっているのです。こっこれは貴音にとって天国なのですぅううううううううっ!
こちょこちょこちょ……はぁ~♥
おねえちゃんは貴音のくすぐり攻撃に耐えたのです……でもまだ寝たふりしているのです。どうやらおねえちゃんはまだまだ「欲しがっている」のです。
貴音もおねえちゃんとのスキンシップをまだまだ楽しみたいのですが、貴音は学校に行かなければならないのです。その前に、おねえちゃんと一緒に朝ごはんも食べたいのです。
「おねえちゃん、そろそろ最終兵器を投入するのです」
貴音はマウントポジションを取ったのです。おねえちゃんの布団の上に覆いかぶさったのです。ところが……
――ふにゃあ~っ!
おねえちゃんの布団がとても温かいので何だか眠くなってきたのです! 貴音はこのままおねえちゃんの布団の中に潜り込みたいのです。そして布団の中でおねえちゃんを「抱き枕」にして一緒に寝たいのです!
でも……あぁ! 学校に行かないと貴音は悪い子になってしまうのです。貴音は寝ないようにがんばるのです!
「おねえちゃん……覚悟なのです♥」
貴音はおねえちゃんの耳元に顔を近づけたのです。貴音は昨日ネットで「女の人が気持ちよくなる場所」を調べていたのです。なので今日から毎朝、おねえちゃんを使って実践してみるのです!
貴音はおねえちゃんの耳にそっと息を吹きかけるのです。でもここまで近づいたらおねえちゃんのほっぺにチューできそうなのです。ほわぁああああ~そっそんなことを考えたら何か心臓がドキドキしてきたのです!
――貴音はおねえちゃんにチューしたいのです!
でも、その欲望を抑えて「最終兵器」を発動するのです!
〝ふっ……〟
――たたたっ楽しいのですぅううううううううっ!
おねえちゃんが「ビクッ」って大きく反応したのです。でも貴音は攻撃の手を緩めないのです。もっとおねえちゃんを気持ちよくさせたいのです。今度は耳たぶを唇で噛むのです。
〝かぷっ♥〟
――ももっ……もっと楽しいのですぅううううううううっ!
今度はおねえちゃんが小さい声で「あんっ♥」と言ったのです! かっ……カワイイのですぅううううううううっ! ももっもう一回噛みた……
「うわぁ!」
ついに耐えきれなくなったおねえちゃんは目を開けてしまったのです。
「おねえちゃん……おはようなのです」
今日も勝ったのです! おねえちゃんを気持ちよく起こせたのです。でも本当は別の攻撃も試したかったのです。それは明日の朝の楽しみにするのです。
「あっ……あぁおはよう」
目の前には、顔を真っ赤にして貴音を見つめている……王子様のようにカッコいいけど、実は子ネコのようにカワイイいづみおねえちゃんがいるのです。
……やっぱ起きる前にチュッ♥ってしたかったのです。
貴音なのです。次回も読んでほしいのです。