貴音はガマンしているのです!(貴音side)後編
――貴音はおねえちゃんの前でもオナラはしないのです!
貴音はおねえちゃんの前でオナラをしないで何とか耐え抜いたのです! 貴音はおトイレを出てリビングに戻ったのです。
正直「ヘンタイおっぱい」のおねえちゃんは、おトイレの前で貴音のオナラを聞いているんじゃないかと心配したのです。でもおねえちゃんはソファーに寝そべってマンガを読んでいたのです。
「おー貴音ちゃんお帰り! どう? ガスはスッキリ抜けたかぃ?」
「だっ、だからしてないのです! おねえちゃんとは違うのです!」
相変わらずデリカシーが無いのです! するとおねえちゃんは、
「まぁ確かに人前でするもんじゃないけどさー……私たち姉妹なんだし、毎日一緒にいるんだから遠慮なんかしちゃダメだよ! ガマンすると体に毒だよ」
心配そうな顔をしてそう言うのです。でも……遠慮じゃないのです!
貴音は、カッコよくてカワイイおねえちゃんのことが好きなのです。
好きだから……余計にそんな姿見せたくないのです!
※※※※※※※
次の日なのです。
夕ご飯が終わり……貴音はリビングでゲームをしていたのです。
パパはいつものように書斎へ、洗い物が終わったママさんはアイロンがけのため隣の部屋に行ったのです。
おねえちゃんはレポートの締切りが近い……とかで珍しく自分の部屋にこもってお勉強をしているのです。なのでリビングにいるのは貴音だけなのです。
ゲームに夢中になっていると、だんだんお腹が張ってきて……
――オナラが出そうになってきたのです。
いつもならトイレに向かうのです。でもゲームが調子良く進んでいるところなので、ここで中断したくないのです。
……今は誰もいないのです。
――ヘンタイおっぱいもいないのです!
念のため、貴音はあたりを見まわしたのです。
……誰もいないのです。よし、大丈夫! 貴音はお尻に力を入れると……
〝ぷっ〟
――久しぶりにリビングで出してしまったのですぅううううっ!
たっ、貴音は悪い子なのです。でも……
なんかちょっと……スッキリした気分なのですぅううううっ!
ところが次の瞬間、貴音は地獄に突き落とされてしまったのです。
「あっ、貴音ちゃん! ゲームしてたんだ……」
――おねえちゃんの声が聞こえたのですぅううううううううっ!!
なっ、何で? いっ、いつから?
貴音はゲームコントローラーを持ったまま、コマ送りのようにおねえちゃんの声がした方向へ首を向けたのです。
……おねえちゃんはなぜかキッチンに立っていたのです。
※※※※※※※
「おっ、おねえちゃん……何で?」
「いや~喉乾いちゃったからさ、ジュース飲みに来た」
いつの間に来たのですか!? 何で物音を立てずにそこにいるのです?
……ってことは……貴音のオナラを聞かれた?
ふっ……ふわぁああああっ!? はっ、恥ずかしいのですぅううううっ!
……あ、でも落ち着いて考えてみるのです。
もしかしたらおねえちゃんは今キッチンに来たばかり……? だとしたら聞いてないかもしれないのです!
貴音は、それとなく聞いてみたのです。
「ねぇおねえちゃん……さっき、ヘンな音が聞こえなかった……のですか?」
するとおねえちゃんは素知らぬ顔で、
「えっ、それって貴音ちゃんが【オナラ】した前? 後?」
――間違いなく聞いていたのですぅううううううううっ!!
おねえちゃんは素知らぬ顔からニヤッとした顔に変わったのです。もっ……もうダメなのです! 貴音はおねえちゃんの前でとっても恥ずかしいことをしてしまったのです……あぁっ! 穴を掘ってでも入りたいのですぅううううっ!
貴音が泣きそうになっていると、おねえちゃんはニコニコしながら缶ジュースを二本持ってソファーに来たのです。
「貴音ちゃーん! だから気にすることないんだって!」
「えぇっ……でも、貴音は……貴音は」
「他人様の前でやったらダメだけどさぁー、私たち……他人じゃないんだよ!」
「でも……でも……」
「私たちは家族、そして『姉妹』なんだよ!」
「……えっ?」
本当は連れ子同士で血の繋がっていない「おねえちゃん」……でもおねえちゃんは貴音のことを実の「妹」のように想ってくれてグイグイと接してくるのです。
「でもやっぱり……オナラ聞かれたの……恥ずかしい……のです」
「何でー? もう私たちおっぱい揉み合った仲じゃん」
ふっふわぁああああっ! 貴音がおっぱい揉まれたこと思い出してしまったのですぅううううっ!
「今さら恥ずかしがることないじゃん! それに……」
「それに?」
「お姉ちゃん、オナラした貴音ちゃんもカワイイと思ってるし……大好きだよ♥」
――ほわわわわぁああああああああっ♥
やっぱりこのおねえちゃん……ヘンタイさんなのです!
でも……大好きなのです♥
※※※※※※※
あれから一週間が経ったのです。
貴音は自分の部屋で宿題をしていたのです。
――あ。
貴音はオナラがしたくなってきたのです。
でも貴音はお行儀の良い子なのです。部屋でするような悪い子ではないのです。
なので貴音は……「おトイレ」に向かうのです。
「こんこん……入るのです」
貴音は「おトイレ」に来たのです。ちゃんとノックするのです。
「おー貴音ちゃん、どうしたの?」
「あのですね、ここの問題の解き方がわからないのです」
「んーどれどれ、ちょっと見せて……」
「じゃあおねえちゃん、こっちに座るのです」
この「おトイレ」には便器が無いのです。代わりにベッドに座るのです。貴音はおねえちゃんと隣同士に座ったのです。
「どの問題?」
「ええっと、ここなのですが……」
――今なのです!!
〝ぷっ〟
「あぁっ、貴音ーっ! またやりやがったなぁー!?」
「キャハハハーッ♥」
――貴音は「おトイレ」から逃げたのです!
あれ以来、貴音はオナラがしたくなったらおねえちゃんの隣ですることにしたのです。おねえちゃんの部屋のベッドやリビングのソファーで、おねえちゃんに出来るだけ近づいてからするのです。
おねえちゃんはメチャクチャ怒るのです。でも貴音が「オナラした貴音も大好きなのですよね?」と言うと、おねえちゃんは何も言えなくなるのです。
――貴音はおねえちゃんが大好きなのです!
だからおねえちゃんが大好きなことを貴音はしてあげたいのです♥
貴音なのです。次はヘンタイおねえちゃん視点なのです。




