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私は妹の友だちの秘密を知った(いづみside)

 



「樹李ちゃんはブラの選び方と着け方が間違ってるんだよ!」




 私は妹・貴音(たかね)ちゃんの友だち(本人はそう思っていないようだが)の野牛島(やごしま)樹李(じゅり)ちゃんとお風呂に入ることになった。

 普段から妹や妹の友だち・双子の(てん)ちゃん(くう)ちゃんに対しておっぱいマウントを取ってくる樹李ちゃんだが、実は自称Dカップというのはウソだった……この子は虚勢を張っていたのだ。


 だがDカップのブラジャーに手製のパッドを入れていた樹李ちゃんの胸は思っていたほど小さくない。これはブラのサイズと着用方法が間違っている……そう気づいた私は、樹李ちゃんに正しいブラの着け方を教えてやろうと考えた。


「樹李ちゃん、ブラ買うとき採寸した?」

「採寸……し、してないっす!」


 だろうな……してたらこんなサイズのブラ買わねーよ。


「正しいサイズのブラと正しい着け方をすれば大きく見せることはできるよ! とりあえず今はこのブラ使って正しい着け方を教えてあげるよ」

「マ……マジっすか師匠!? おなしゃーす!!」


 樹李ちゃんはもう一度ブラを外すと、恥ずかしそうにおっぱいを手で隠しながら私にブラを手渡した……うぅっ! その仕草がかっ……かーえぇ(カワイイ)


「まずは肩紐を通して……そう、そしたら軽く前かがみになるの」

「えっ……前かがみっすか!?」

「そう、おっぱいの下とワイヤーを合わせてカップの中におっぱいをおさめるようにするんだよ! そしたらその姿勢のまま背中のホックを留めるんだけど……今回は私が留めるね」


 樹李ちゃんは三段あるホックの一番外側を使って留めていたのでアンダーバストがゆるゆるだった。ゆったりしたいのか、それとも大きく見せたいのか……だとしたら逆効果だ。私は一番内側で留めてあげたが、それでも微妙にゆるい気がする。


「後ろに手が届きにくかったら先に前でホック留めてもいいよ! だけど回したら必ず前かがみになってワイヤーの位置を合わせてね」

「は、はぃっ師匠!」

「そしたら次に……ちょっとゴメンね」

「えっ……ひゃぁ! 何するっすか!?」


 私は樹李ちゃんのブラの中に手を入れると、脇の方から斜め上へおっぱいをすくい上げるように寄せた。


「こうやってね、おっぱい全体をカップにおさめるようにするんだよ! でもって最後に肩紐を調整すると……ほらっ!」


 私は樹李ちゃんを洗面台の鏡の前に立たせた。すると樹李ちゃんの顔がぱぁっと明るくなり


「すごいっす! 樹李タソがDカップになってるっす! 谷間まで……うわぁ」


 大きくなった……ように見える自分のおっぱいに感動していた。


「さすがおっぱい師匠っす! あざーっす!」

「だからその師匠ってやめてくれないかな」


 お礼を言うのはこっちの方だ! ブラの着け方を教えながら女子中学生の初々しいおっぱいを合法的に(?)触らせてもらったんだから……ウィンウィンだ♥


 でも……欲を言えば乳首をつまんでみたかったぁああああっ!!



 ※※※※※※※



 私は樹李ちゃんとお風呂に入った。お互いに背中を流しっこして一緒に湯舟へ入ると、私はある疑問を彼女にぶつけてみた。


「ねぇ樹李ちゃん、あのブラはひとりで買ったの?」


 サイズ違いで採寸もしていない……完全にこの子は独学でブラを選んでいる。


「ひとりっす! ましむらで服を買うついでに買ったっす! ましむらは安くて最高っすよ!」


 そうなんだ……まぁ量販店だから質がどうとかそういうことではないが、せめて正しいサイズだけは把握しておかないと……家族とか誰か相談できる人はいなかったのだろうか?


「ねぇ、ましむらだったら()()()()と一緒に買いに行かなかったの?」


 だが私がこの質問をした途端、樹李ちゃんは少しうつむいた。そして……


「あっ、樹李は……母ちゃんいないっす!」


 ――!?


「えっ……あ、あぁごめんなさい!」


 ――うわっ、センシティブなこと聞いてしまった……これはマズい!


「いいっす! 慣れてるっす……今さら気にすることじゃないっす」


 樹李ちゃんはニコニコしながら話し続けた。


「父ちゃんと母ちゃんは五年前に離婚したっす! 樹李タソは父ちゃんに引き取られたっす。ウチは父ちゃんと、高校生の兄ちゃんの三人家族っす」


 そうか、女の子特有の相談は誰にもできない……だから独学なんだ。そういえば妹も幼いころ母親と死別して……私の母・茅乃(かやの)が継母としてこの家にやって来るまで父子家庭だったんだよなぁ。


「じゃあ大変じゃなかった? たとえば生理とか……」

「そうなんっすよ! 初潮になったときは何にも準備してなかったからトイレットペーパーめっちゃ使って怒られるわ、パンツも見つかんないよう夜中にこっそり洗濯して部屋に干すわ……大変だったっすよ!」

「あはは、何かわかる気がする」


 話が盛り上がっていると樹李ちゃんは突然、私の顔を見て急に真顔になり


「でも……師匠と知り合えてよかったっす! 樹李タソは姉ちゃん欲しいっす」


 目をキラキラさせていた。私は樹李ちゃんの肩に手をやると


「じゃあさ、何か困ったことがあったら私に相談して! 私でよければお姉さん代わりになってあげるから」


 その言葉を聞いた樹李ちゃんは


「師匠……うれしいっす! 師匠には一生ついて行くっす♥」


 私に抱きついてきた。すると樹李ちゃんのおっぱいが


 〝むぎゅ♥〟


 私のおっぱいとおしくらまんじゅう状態に……うわぁ♥ 前言撤回! お姉さんじゃなくて愛人じゃ……ダメ?


 と、そこへ


 〝ガラガラガラッ!〟


 ――えっ!?


「んもうっ! いつまでも出てこないから貴音たちも一緒に入るのです」


 妹と双子が一糸まとわぬ姿で入ってきた。えぇっ何で……うれしいけど♥ だが三人の目的はどうやら別にあったようだ。


「じぃいいいい……」

「ひっ!?」


 妹たちは樹李ちゃんのおっぱいを凝視し、視線を感じた樹李ちゃんは慌てて体を湯船に隠した。


「やっぱり! 樹李ちゃんは言うほど大きくないのです」

「よくそれで……今までマウント取ってきたわよねー」

「きたわよねー」


 せっかく自分のおっぱいに自信を持った樹李ちゃんは、三人に責め立てられ目を潤ませた。ある意味自業自得とはいえ、これは可哀想だ。


「ちょっとアンタたち! そういうことは……」


 私が三人を注意しようとすると、天ちゃんは樹李ちゃんの手を握って意外な言葉を口にした。


「もうっ、友だちなんだから見栄張る必要ないのに……」

「ないのに……」


「……えっ!?」


 キョトンとした樹李ちゃんを見て妹は


「樹李ちゃんは貴音たちのお友だちなのです! お友だちに上も下もないのです」


 そうか、この子たちは初めからこれが目的で今回樹李ちゃんを誘ったんだ。そうだよな、友だちには上も下もない! 見栄も虚勢も張る必要ない!


「で……でも貴音っちや天タソ空タソよりは……あるっすよ」

「まーたそういうことを言う!」


 憎まれ口をきいた樹李ちゃんの目から涙がこぼれていた。



「ところでさ、アンタたち……全員入ったら狭いんだけど」



 この風呂に五人はさすがにキツイ……でも私にとっては天国だ♥


貴音なのです。次回は完全にコメディーなのです!

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