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【番外編】年の差百合姉妹の「浦島太郎」なのです。前編

(配役)


浦島太郎=武川いづみ

カメ=野牛島樹李

いじめっ子=菱山天・菱山空


朗読=尾白貴音……なのです。

 



 昔むかしのお話なのです。




 ある海岸沿いの村に『浦島いづみ太郎』さんという、とてもおっぱいが大きい漁師さんがいたのです。


 ある日のこと、いづみ太郎さんが海岸の砂浜(シーサイド)を歩いていると……昔話なのにそれぞれハイネックとオフショルの水着を着ている貧乳の双子『(てん)ちゃんと(くう)ちゃん』が、カメさんをイジメているところに出くわしたのです。


「えいっえいっ! カメのくせにおっぱい大きいなんて生意気だ!」

「生意気だ!」

「痛いっす! フリルで貧乳をごまかしてる双子がひがんでいるっす!」


 イジメられていたのは『樹李(じゅり)カメ』というカメさんなのです。なぜか樹李カメさんもホルターネックのビキニを着ていたのです。


「だいたい何で爬虫類のカメがおっぱい大きいんだよ!」

「大きいんだよ!」

「さてはオマエ! カメじゃなくてお酒のCMに出てくるカッパだな!?」

「カッパだな!?」


 ……このネタがわかる人はきっと昭和生まれなのです。


「違うっす! 樹李タソはカメっす! だから手も足も出ないっす!」


 いづみ太郎さんは樹李カメさんを助けようとしたのです。


「これこれオマエたち、巨乳をひがんじゃいけないよ!」

「そこは『カメをイジメちゃいけないよ』って言うんじゃないの?」

「言うんじゃないの?」


「あっ間違えた! とにかくイジメるのを止めて仲良くしなさい」

「やだっ! だってアンタが言っても説得力ないもん!」

「ないもん!」


 双子はいづみ太郎さんの胸をじっと見たのです。いづみ太郎さんは樹李カメさんよりはるかに巨乳だったのです。


「えっ、じゃあどうしたらカメさんを解放してくれる?」

「それは……アンタが着ているそのラッシュガードを脱ぎなさいよ」

「脱ぎなさいよ」


 いづみ太郎さんは仕方なく、着ていたラッシュガードを脱いだのです。すると中から三角ビキニに包まれた大きなおっぱいが〝ぽよんっ♥〟と現れたのです!

 樹李カメさんをイジメていた双子はその手を止めると、目をまん丸くしていづみ太郎さんのおっぱいに見入ってしまったのです。


「もはや私たちにとって神……ありがたや」

「ありがたや」


 双子はいづみ太郎さんの前にひざまずくと、手を合わせて拝んだのです。


「こっこれは……芸術品っす! ありがたや」


 ……なぜか樹李カメさんも手を合わせたのです。



 ※※※※※※※



「じゃあなー! もうイジメんなよー」


 双子は「いいモノを見た」と満足した表情で帰っていったのです。


「あ、あざーす! おかげで助かったっす」


 樹李カメさんはいづみ太郎さんにお礼を言ったのです。


「どういたしまして……じゃ、気をつけて帰れよ」

「いやー、それにしてもすごい巨乳っすねー! あっあの……師匠って呼んでもいいっすか!? おっぱい師匠っす!」

「いやそれは断る」


「師匠ー! 樹李タソはテンションあげぽよっすー! ばいびー」


 樹李カメさんはいづみ太郎さんに手を振ると、そのまま海に帰ったのです。



 ※※※※※※※



 月日が流れ、カメさんのことなどすっかり忘れていたころ……


「あーっ、師匠! ちょりーっす!」


 海岸(コースト)砂浜(ビーチ)を歩いていたいづみ太郎さんに樹李カメさんが声をかけたのです。


「おぉ、カメじゃねーか!? どうした?」

「師匠! 今日は師匠にお礼がしたくてやって来たっす!」

「お礼?」

「そうっす! 実はこの海の底にお城があるっす!」

「……え?」


「お城には『乙姫』ってゆーパネェお姫様がいるっす! で、そのお姫様へおっぱい師匠に助けられた話したっす! そしたら『じゃあそのおっぱい師匠さんをお・も・て・な・し・したいから呼んできて~♥』って言われたっす! いやもうマジありえねえっす! おっぱい師匠もパネェっす!」

「おっぱい師匠って名前で伝えるな! それとお・も・て・な・しって古いな」


 樹李カメさんからいきなりお城だとか乙姫様だとか言われても、いづみ太郎さんは半信半疑だったのです。


「なぁ……本当に城とかあるのか? つーか海の中って……呼吸できんのかよ」

「その設定を気にしてたら『小説家になろう』は読めないっす!」

「ところでさぁ、そのお城には乙姫以外に誰かいるのか?」


 城とは言ってもどうせ海の中……水族館じゃあるまいし、魚に囲まれてお・も・て・な・し・をされてもきっと楽しくない……いづみ太郎さんは海の中のお城にあまり興味がなかったのです。


「それは……タイやヒラメ……のコスプレをした()()()が舞い踊ってるっす」


 〝ピクッ!〟


「もうちょっと詳しく♥」


 いづみ太郎さんは「美少女」という言葉を耳にした瞬間、釣り針がないのに食いついてきたのです。


「海のお城にいるのは魚じゃないっす! 全員がS級美女やS級美少女っす! 野郎は出てこないご都合主義百合設定っす……美少女ハーレムっす!」

「よしっ行こう!!」


 いづみ太郎さんは美少女好きのヘンタイおっぱいさんなのです。美少女がいると知ったいづみ太郎さんは、上機嫌で樹李カメさんの背中に乗ったのです。


「それじゃ行くっす!」

「うぶぶっ! やっぱ海水じゃねーか!? おっ溺れる! 死ぬ! 死ぬー!!」


 樹李カメさんに乗ったいづみ太郎さんは、そのまま海底に向かったのです。


「ブクブク……あれ? 苦しくない! 何で?」


 いづみ太郎さんは息ができず溺れそうだったのですが、なぜか途中から息ができるようになったのです。


「これがご都合主義っす! 異世界で言葉が通じるのと同じ仕組みっす」

「無理が通れば道理引っ込む……ってヤツか」

「さぁ、着いたっすよ!」


 いづみ太郎と樹李カメは城の前に降り立ったのです。城の名前は……


乳宮城(にゅうぐうじょう)!? 竜宮城(りゅうぐうじょう)じゃねーのか?」

「乳宮城っす! ウチの乙姫様は巨乳がパネェっす!」



(後半に続くのです)

貴音なのです。お話が長くなったので前編と後編に分けるのです。

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