貴音たちはおねえちゃんの水着姿が見たいのです(貴音side)前編
『せっかくお姉さんから』
『水着もらったんで』
『みんなで市民プール行かない?』
天ちゃんからニャインがきたのです。
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「おはようございまーす」
「ございまーす」
翌日……貴音のお友だちで双子の天ちゃんと空ちゃんが家に来たのです。
「あぁ、おはよう天ちゃん空ちゃん! じゃあ車に乗って」
おねえちゃんが家の前で二人を出迎えたのです。
市民プールは安いけど、ちょっと遠い場所にあるのです。そこで貴音たちはおねえちゃんが運転する車に乗って市民プールのある運動公園に行くのです。
おねえちゃんは今回、貴音たちの「保護者」として付き添ってくれるのです。初めは自転車で行こうとしたのですが、話を聞いたおねえちゃんが「危ないから車で送るよ」と保護者を買って出たのです。
――魂胆がバレバレなのです!
ヘンタイおっぱいさんは貴音たちの水着姿が見たいだけなのです! でも、車で送ってくれるという話なら楽チンなのでお言葉に甘えるのです! それと貴音にもメリットがあるのです。
それは……おねえちゃんの水着姿を見ることができるからなのです♥
おねえちゃんはお誕生日プレゼントで、お友だちの和おねえちゃんからビキニの水着をもらったのです。この前、理由あって家の中で着てもらったのですが、やはりプールや海で着ている姿の方が絵になるのです!
今日は貴音と天ちゃん空ちゃん、そしてセクシーな水着姿を披露してくれる予定のおねえちゃん……この四人で行くハズだったのです。ところが……
「ちょっとぉ! 何でアンタが来てるのよー!」
「来てるのよー」
突然、天ちゃんと空ちゃんが大声を上げたのです。
「えぇーっ、樹李タソも誘われたっす!」
「何でよ! 誘ってないわよ」
「ないわよ」
なぜなら、車の助手席に「野牛島樹李」が乗っていたからなのです。
コイツは貴音たちに「巨乳マウント」を取ってくるヤな女なのです。先日、勉強会と称して貴音の家に誘い出し、水着姿のおねえちゃんをけしかけてギャフン(死語)と言わせたのですが……
「お姉さんは樹李タソの師匠っす! おっぱい師匠っす」
「はぁ? 意味わかんない!」
「わかんない!」
その後なぜかおねえちゃんを気に入り、勝手に「師匠」と呼んで弟子入りした気になっているのです。許せないのです……おねえちゃんは貴音のモノなのです!
「あぁ、樹李ちゃんは私が誘ったんだよ」
何と、樹李とおねえちゃんはいつの間にかニャインを交換していたのです!
「えぇっ! お姉さん、何でですか!?」
「ですか!?」
「大勢いた方が楽しいじゃん! アンタたち……もう少し仲良くしなよ」
「え~っ……」
「それと樹李ちゃん、お願いだから『おっぱい師匠』はやめて!」
「はーぃ、わかったっす師匠!」
かくして……巨乳マウント女が助手席に乗ったせいで、貴音たち三人は後ろの座席に詰め込まれた形で乗ることになったのです。
樹李の前で水着になったら、またマウント取ってきそう……楽しいはずのプールが一気に楽しくなくなってしまったのです。
※※※※※※※
市民プールに着いたのです!
本当ならここで和おねえちゃんと、和おねえちゃんの従妹の「上条志麻」おねえちゃんと合流する予定だったのです。
でも和おねえちゃんは用事があって遅れて来るそうなのです。志麻おねえちゃんは高校のお友だちとカラオケに行くので来られない……しかも風邪ひいて寝込んでしまったそうなのです。志麻おねえちゃん……実は体が弱く、しょっちゅう風邪をひくそうなのです。
更衣室で水着に着替えた貴音と天ちゃんと空ちゃんは、一足先にプールサイドへやってきたのです。
マウント女の樹李は、トイレに寄ったのでまだ着替え中なのですが気にしないのです。貴音たちの着替えをイジられなかったので逆によかったのです。
そしておねえちゃんも「大人の女は支度が大変なんだよ」と言ってまだ着替え中なのです。こっちはおっぱいを見ることができず残念だったのです。
「貴音ちゃん! その水着とっても似合ってるよ」
「似合ってるよ」
「天ちゃんも空ちゃんもお似合いなのです!」
貴音たちはお互いの水着をほめ合ったのです。この水着はおねえちゃんから「水着撮影会」というセクハラを受けたとき「モデル代」としてもらったのです。
試着ナシで買ってきたのに、まるで採寸したかのようなフィット感……やはりおねえちゃんはヘンタイおっぱいさんなのです。
おねえちゃんは色々買ってきたのですが全部ビキニ(セパレート)タイプだったのです。でも貴音はおへそを出すのがイヤなので、おへそが隠れるくらい長いトップのタンキニを着たのです。ピンクがベースの花柄なのです!
天ちゃんは黄色のハイネックなのです。そして空ちゃんは何と、オレンジ色のオフショルを着てきたのです。
ただし三人ともボトムはショートパンツタイプで、胸元はフリル付きなのです。
と、そこへ……
「うわー貧乳を隠したフリル三姉妹が傷を舐め合ってるっすねー!」
「かっちーん」
貴音たちが睨んだ視線の先に……遅れてやって来た巨乳マウント女・樹李がいたのです! 樹李は真っ赤なホルターネックのビキニを着てきたのです。
「ふーんだ! 何よ! どうせ中身はパッドで盛ってるんでしょ!?」
「もっもも盛ってないっすよ! そーやって貧乳はすぐひがむっす!」
「はぁ!? ひがんでなんかいませーん! 事実を言っただけでーす」
「ふーん、じゃあもし樹李タソがパッド付けてたらくれてやるっすよ! まぁアンタが付けたところで変わり映えしなさそうっすけどー!」
「いらないわよ!」
樹李と天ちゃんがケンカを始めたのです……そこへ、
「こーら、二人とも! こんなとこでケンカしなーい!」
おねえちゃんがやって来たのです。
「樹李ちゃん、そういうマウントはダメだって言ったでしょ!?」
「さーせん師匠! でも師匠のビキニには負けるっす……あ、あれ?」
「あれ? お姉さん、その格好って……」
「おねえちゃん……何で水着じゃないのですか?」
おねえちゃんはビキニじゃないのです! フード付きのラッシュガードという服を着てサングラスをしていたのです。
「私は付き添いだからプールに入らないよ! アナタたちだけで遊んできなさい」
と言うとテントの中にある休憩スペースに入っていったのです。
「えぇっ、師匠のビキニ姿見たかったっす」
「何よ……アンタもお姉さんの水着見たかったの?」
「当たり前っす! 師匠のおっぱいは樹李タソの憧れっす」
「ならば……目的はみんな一緒なのです」
「……えっ!?」
「じゃ、多数決取りまーす! この中でお姉さんのビキニを見たい人ー!」
「「はーい」」
……四人全員が手を挙げたのです。
「何だ、樹李も『同志』じゃん! だったら手を組まない?」
「おねえちゃんを水着にさせるのです」
「わかったっす! 協力するっす!」
貴音たち四人に共通の目的が生まれたのです♥
「でもどうやって?」
「それなら……貴音にいいアイデアがあるのです!」
貴音なのです。貴音たちはおねえちゃんの服を脱がしたいのです♥




