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私が願う時  作者: 黒筆植明
2/9

残されたもの

今の環境から抜け出そうとする主人公。そこで、妙に現実味のある夢がなんだか引っかかる。そして、あることを質問しようとして聞いてしまった話とは…。

記憶がうっすらな私は、いつも持ち歩いているメモ帳に向かい書き始めた。


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12月29日 夢

「かほり?さん」と「なき?さん」は面倒をみてくれる優しい人。もう一人は、長い名前で「ヘテロジーニアス」って長い名前だったから代わりに「かなで」って呼ばれていた。その子は

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書いている途中で強い頭痛におそわれ、それと同時に布団に倒れこんだ。すると、幻聴としか表わしきれない誰かの声が聞こえた。


?「…寝るから、そうなるんじゃない。今度こそ、忘れたくないっていってたよな…あの廃墟で言ったことは嘘…」


なんか聞き覚えがある声…寝るからってことは、寝なければ大丈夫ってことかな。幻聴も夢もなんだか、私が関係ないって気がしない。そう考えているといつの間にか頭痛はよくなっていた。もう思い出せない…でも、書けた。幻聴のことが真実なら…私は…まさかね。そんなことより、寝なければ大丈夫ってことを確かめないと…。


「…先生とかなら知ってるかな?」


午前は忙しいだろうから、午後の職員会議後ぐらいに聞くかな…遅い時間だけどその時間以外聞けなし怒られていい覚悟でいかないとね。


職員会議が始まって少ししかたっていないし…廊下で待っておこう。


校長「…ロジーニさんの様子はどうですか?」

先生「…19時までに眠り、…に気づいていないようです。」

教頭「やはり、君は優秀ですね。…の人材にまかせてよかったよ。」

先生「そういっていただき、ありがとうございます。」


…どういうこと?遠くてかすかにしか聞こえない。私、騙されてるのかな。それに、先生が優秀って…ほぼ文句言いに来てるだけなのに意味が分からない。それより…先生18時までってもう少し私…遊んでよかったってことだよね。理由も教えず私だけ管理されるって、こんなのただのいじめでしかないよ。


その場にいることさえ嫌になって、家に戻りパソコンで音を流して布団に枕を詰めてメモ帳を握りしめて2階ベランダに出てカーテンを閉めた。


「…私がなにをしたの?」


私は、泣きながらメモ帳に聞いたことを…気持ちが軽くなるまで書き続けた。泣き止んで落ち着いた頃には、満月が優しく照らしていた。


「…慰めてくれてるみたい。」


なぜだか、また泣きそうになってきた。…なんでかな?


香織「…奏、今日の月はね…年の最後の満月で、寒いことからコールドムーンって呼ばれてるんだよ。」


なんだか懐かしいことを思い出した。なんで懐かしいかはまだわかんないけど…コールドムーンっていうんだね。そう思い一度室内に戻りカメラを取り、またベランダに出ると無意識にシャッターを切っていた。


しばらくすると、真下の玄関で足音が聞こえた…でも、今はそんなこと、どうでもいい。ただ、私はここを…コールドムーンを近く感じられるこの場所を離れたくない。泣きつかれたのか私は、そのままベランダに座り込み寝ていた。


…「このままじゃ…奏も死んでしまう。だから…早くここから逃げるんだ…」


…誰?奏って…前も出てきたような気がする。それに、なんだかこの人を見ていると悲しいような悔しいような…不思議な感覚がする…。


「死なないし…こんなところで…を見捨てない!見捨てたくないの!」


私の声だ…でも、なんか引っかかる。今までもそうだけど…まるで、私から記憶が抜け落ちてるみたいな気がする。夢の私は…いったい誰を呼んでいるの?それに、死ねないって…そんなわけない。


「…ごめん。私が守れなくて…ごめんね。」


ねぇ…私は誰のお墓の前で泣いてるの?…私にとって大切な人なの??…これは、夢?前世?…それとも…

 毎週の予定で頑張っています。だからといって、ロジーニの物語が意味がないものにならないようにしっかり作りこもうと思います。よければ、ロジーニの行く末を見守ってくださるとありがたいです。

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