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明かりのような

「それで、その後は疎遠になっていた高岡さんの親戚の家なんかを一緒に回って、最期はこっちに戻ってきたんだ」

「はい」


 白瀬の言葉に、和季は頷く。

 高岡に最期まで一緒にいて欲しいと言われ、帰りがかなり遅い時間になってしまった。

 生き返り課の部屋にはすでに霧島とひよりの姿は無い。


「すみません。こんな遅くまで」

「いいよ。何かあったらサポートするって言ったでしょ」


 いつだって、なんでもないことのように白瀬は言ってくれる。


「お陰様で、なんとかなりました」

「って、今日は私、何もしてないけどね。萩本君が頑張ったからだよ」


 うんうんと、満足そうに白瀬は頷く。


「とりあえず、今日は帰ろうか。やることはあるけど明日にしよう」

「ありがとう、ございます。待っていてくれて」

「他にもやることあったから、ついでだっただけだよ。気にしないで」


 ふい、と白瀬が目線を逸らす。

 その仕草を見て、和季のために待っていてくれたのだろうなと、そう思った。

 さっき高岡に言われたことを思い出す。

 和季はいい上司に恵まれた。上司、というよりも先輩だけれど。とにかく、白瀬がいてくれてよかった。

 部屋に戻ってきて明かりがついているのを見たとき、とてもほっとした。


「ほら、帰るよ」

「はい!」


 白瀬は、まだどこに向かえばいいかわからない和季の明かりのようだ。


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