5話 問われるギルドの真価。
樹)貴様等PTに怒りをぶちまけても、失われたものは全ては戻ってこないだろう、ある意味知らなかった貴様達も被害者となるか・・・・・さてこの事態をギルドがどう対応するか見物だな。
自爆してまで体張って働いたんだから出来る最善を尽くして貰わんと割に合わんぞ。
リリアナ達もスマンな思わず殺気を漏らしてしまった、恐ろしかっただろう?。
リリアナ)確かに恐ろしくはありましたけど、当然の怒りだと思います。
レニア)私も搾取され続けたからその怒りも理解できる、大事なお姉ちゃん取られたら冷静でいられないだろうし、私なら奪還もしくは報復したくなる。
そう感想を聞いて少し慰められた樹、嘘では無い事がハッキリ分かる。
樹)(問題はこのPTをどう扱うか、知らぬとは言え加担させられた状況が出来上がってしまった、そうなるとこのPTは続けられないし、個人を指差されて悪意を向けられる可能性が目に見えている。
現に今までの行いに対して、どんよりとしたお通夜さながらの重たい空気が漂っているしな。
下手に庇護するのもヤラレタ側としては、今一まだ思う所がある、現に少なからず此方に被害が出ている、暫くは預かって罪を償って貰うのが良い案かも知れんな。
周りの影響を考えると妥当な線だろう、キチンと償いましたと言う既成事実があれば、そう雑には扱われる事も無くなるだろう。
畑で農作業でもしてもらう事で、手打ちとするしかないか?・・・・あ、農作業用の機械も無くなってるな。
戻ってくるまで腰を痛めてもらうしかないか、それで妥協案とするか。)
樹)貴様等のPT名と名前を教えろ、貴様等に怒りをぶつけるのは筋違いだからな、だが思う所も大いにあるが、このまま本部に戻れば貴様等は、悪事に加担したとされ後ろ指差される事になる、まずPT続けられなくなるだろう。
そこで提案だ貴様等が出した被害の分を、償いとして俺の畑仕事に従事する事で、許すとしようそれを終えれば、晴れてお前達はPTとして改めて活動できるようになるだろう。
それで構わんな?。
ソイルの震えはもう止まっているが、悪事に加担した事に応えているのか表情は暗い。
ソイル)寛大な処遇に感謝を、PT名は今を生きる輩リーダーはザイン、福リーダー私ソイルと申します、今気絶して漏らしている女性達3人は右からアイナ、エルダ、ユナと言う名ですよろしくお願いします、多分予想したよりも最悪の結果が予想できましたから、提案をしてもらえて助かりました。
樹)甘やかすつもりは無いぞ、キッチリ働いて貰う、何せ農業機器や農作ハウスまで無くなっているのだからな、しっかりと腰を痛めてもらう、最初はキツイだろうが慣れれば、案外農業も楽しい物だぞ?。
女性達はタンカで脱衣所に運ぶ、リリアナ達には申し訳無いが汚れた服を脱がせて洗濯機に放り込んでやれ、女性達が目を覚ましたら風呂に入れてやってくれ。
ザインには悪いがシャワールームで我慢してもらおう。
リリアナ)では脱衣所に運びますね。
レニア)たたき起こして風呂に入れて綺麗にしないと。
樹)とりあえず丁寧に扱おうか、死体蹴りの様な行為はやめような。
それから1時間後、ソイルの説明を聞き落ち着きは取り戻したが、俺に対する恐怖は拭え無いようだった。
樹)これからギルド本部向かう貴様等ザイン達も同行して貰う、リリアナ、レニア済まないが留守番を頼む、お腹がすいたら冷蔵庫に入っている物を好きに飲んで食べてもらっても構わない、帰りは何か土産でも買って戻る。
もし妖精種の者達が尋ねてきたら受け入れてやってくれ、又は防壁の側から離れないようにこの放送機器を使って伝えておけば、モンスターが来ても防壁の迎撃システムが作動し撃退してくれる屋敷から防壁の距離は結構離れている余り無理はしないようにな?。
じゃ行って来る。
リリアナ・レニア)樹様いってらっしゃいませ。
モンスターが出る可能性があるので武装した大型の8輪装甲車に乗り込む、勿論樹自身も強固な武装している。
新宿元都庁地下、日本総合ギルド本部へ向かう。
更に2時間後悪路を走りながら本部に到着、受付へ向かう。
チンピラハンター)おう兄ちゃん此処は初めてか?此処の礼儀って奴を教えてやるよ。
樹)ほう?どのような礼儀だ?是非ご教授願おうか。
チンピラハンター達はニヤニヤして気持ちが悪い、連れ立ったアイナ、エルダ、ユナ達を舐めるように見ている。
樹)(ほんの数ヶ月留守にしただけでハンターの質も落ちた物だな、こんな奴等が治安を守って居る等考えたくも無いな、争いを止める事無くギルドの見て見ぬ振りの無法も目に余る)
チンピラ達)そいつ等今を生きる輩だろ?、儲かってるそうじゃねぇか?俺達にも一枚かませろや、ついでに可愛がってやるよ。
樹)ギルドもこんな奴等をハンターに向かえ入れるとは、質が落ちたな面接員は何をしているのか?こんなクズを何時からハンターとしているのか説明してもらおうか?、俺がいた頃は屈強で真面目な奴が多かったぞ?なぁチンピラ共?俺を誰か知っている者はいるか?。
チンピラ共)あ~ん?俺達耳が遠くなったのか?真様に面接してもらったに決まってんだろ?あの方は今やこの国のランクNO.1だぜ~?あんまり馬鹿にしてると潰すぞ~。
アイナ)ジロジロ見ないでよ気持ち悪い。
チンピラ共)あんだとコラ!お前アイナじゃねぇか、スラムから抜け出せたのか?いい身体してんな、抱かせろよ!。
アイナに抱きつこうとした所で樹が片手でチンピラの首を絞めて持ち上げる。
チンピラ共)てめぇ!何しやがる!。
樹)どうやらハンター共は随分と不抜けたようだな!いい事を教えてやろう、もう一度聞く数ヶ月前巨大モンスターを倒す為に戦っていた元NO.1の顔を覚えているか?なぁ?それはこんな顔じゃなかったか?しかもそいつは死んだと思われていたそうじゃないか?。
そう言いながらフードを外す。
1人のチンピラが震え出す。
樹)まだ覚えている奴がいた様で感心感心、しかしこのような行為は見過ごせない、真と言ったか?治安を乱すクズはこの状況を作り出し、あまつさえ俺の土地と作物、家畜を持ち出すよう指示したと聞いているが知っているんだろう?、他にも色々持ち出された様でな。
そいつは今何処に居を構えている?、今この場で死にたくなければ吐けクズ共。
俺は真とか言う奴ほど優しくは無い。
そこで震えてるチンピラ俺は貴様を覚えているぞ、ランキングNO.5位の勇猛果敢の男ドグ。
俺の知るドグは巨大なモンスターを恐れず、戦う男だと思っていたのだが?。
チンピラドグ)やっぱりあんたは生きていたんだな、あんな所で死ぬ男じゃね~と思ってはいたが、自爆しても生きてるなんてよ、よほど死神に嫌われてるみたいだな。
樹)っは!吼えたな、その威勢だけは残っていたか、腕はどうした?モンスターにでも切られたか?喰われたか?。
ドグ)切られた腕はまだあるぜ、ホルマリン漬けだけどよ、また手術して付けてもらえるかい?そしたら又俺は戦えるぜ?足は食われちまったけどよ。
ザイン)勇猛果敢のドグってあの最後まで笑う仮面の殺戮者と共に戦ったあのドグなのか。
ドグ)ザインかお前の前に立っている男が、元ランキングNO.1笑う仮面の殺戮者だ、モンスターを心の底から憎み、嬉々として笑いと愉悦を持って殺戮する最強のハンターだ。
ソイル以外のまだ半信半疑だったザイン達PTが樹から距離をとる、樹は懐から仮面を取り出し装着する。
樹)笑う仮面の殺戮者とはコレの事か?。
ギルドに居る職員やチンピラ達は震え上がる、生きている情報はあったが半分は信じていない者達が多かった、故にその恐怖は計り知れない。