ロロアの死
モニターには何も映らない・・。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・ロロアちゃんのバイタルサインが・・。」
「ロロアが・・死んだ?」
カイン博士が持ってきたモニターから、ロロアちゃんの生体反応を示す信号が消えた。
カイン博士はヘッドフォンを着けて固まったまま、作戦室の椅子から落ちてしまった。
「ニュートリノ発電所が冷えてゆくのが確認できます。おそらくロロアちゃんは、バルブを閉めた所を何者かに見つかり・・」
「ロロアが・・ロロアが死んだ!!私の娘がっ!!私の娘が死んだ!!!」
「しかし、あるのでしょう?ロロアちゃんのボディがラボに!?スペアなんていくらでも・・」
「うちのロロアはひとりだ!!!!」
真夏が言い終わる前に、カイン博士は真夏の頬をおもいきり殴った。
ガタガタ!
と言う音がして真夏が吹き飛び、モニターごと倒れる。
ニュートリノ発電所の資料が散乱し、カイン博士は資料を踏んで真夏の上に跨がると顔面を何度も殴った。
「ロロアのボディがあってもな!!ロロアのボディがあっても、心が無ければロロアではないんだ!!データを破壊されたら私のロロアが破壊されるんだ!!私のロロアを!愛娘を返せ!!!愛娘を、私のロロアを返せ!!!」
「だれか、カイン博士を止めなさい!冷静さを失ってはダメだ!」
「うるさい!!もともと貴様は!!」
博士がダーパを殴り、転がったダーパの頭に直筆の書が倒れてきた。
「うわぁああああ!!!ロロアぁあああ!!!」
博士は半狂乱になりながら絶叫する。
その声を聞き付けて他の隊員達が入ってきた。
「私は突撃の時、ロロアを励ました!怯えている彼女を無理やりです・・!責めるなら私を!!」
「ロロアちゃんに頼り、俺も突撃しました!!俺も悪いのです!」
「うるさい!!お前らに何が分かる!?そこをどけ!!」
2人の隊員を押し退け、博士は転びながら進もうとした。
白衣が泥で汚れ、なくなった右の坊主の部分を掻きむしった。
「お前は、ロロアにスペアあると言ったな!!スペアが私を間違えて頭を撃つか!?スペアが私に抱きつくか!?スペアが私にお願いするか!?スペアが友達を作り、幸せそうな顔をし、自然をうつくしみ、私に向かって不安そうな顔をするか!??スペアが吐くか!?スペアが・・スペアが・・。
ロロア!!今、助けに行くから!!パパが行くからジッと隠れて待ってろ!!!」
博士は泣きながらヨロヨロと歩きだす。
しかし、そこに般若の形相のテリンコが立ちはだかった。
「どけ!!私は娘を探しに行くんだ!!」
テリンコは博士を睨み付けながら、水の入った杯をクッと飲み。
地面に叩きつけて割った。
「カイン博士。責任は全て私にあります!!どうか、私のバイタルサインが無くなるまで作戦室でお待ち下さい!この水杯に誓って、私は命に変えてでもロロアちゃんを迎えに行きます!!必ず!必ず!!」
「ロロアちゃんが見つかったとなれば・・発電所のバルブも元に戻されるかもしれない!その時はテリンコ。君は熱線と光線に内側から焼かれて・・死ぬ事になるんだぞ!?」
ダーパの忠告を無視して、既にテリンコは踵を返して発電所に走り出してしまった。
「ぐっ。砲兵達よ。前へ。砲兵隊、前へ!!」
真夏もサーベルを杖代わりにしてヨロヨロと立ち上がり、砲兵達を率いて歩き出す。
「俺達もいこう!!」
「うん!!みんなを集めてくる!敵の注意を引いてテリンコ隊長を井上ルートへ!」
「ロロアちゃんを助けよう!!」
他の隊員達も鎧を担いで走り出した。
「ロロア・・ロロア・・。どうか無事でいてくれ。みんなが探しに来てくれるまでそこで待っていてくれ・・。」
カイン博士は祈りながら泣き出した・・。