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装甲戦士・ロロアちゃん   作者: 地底人のネコ
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バスターを手に入れたよ!ロロアちゃん

ロロアが日常を送るなか、伐採ロボットによる殺人と立て籠り。

そして、説得しに行ったフォレストマンがガイアコアを手土産に人間に反旗をひるがえした。


事を同じくして、パワーマンの決起もあり軍事介入を示唆した人類。


これは偶然の一致か、ロロアは日常の中で強力な武器を手にする・・。

「何だってもんじゃない!!ロボットがイナゴの大群みたいに襲ってきやがる!!こっちは灼熱地獄だしお手上げだ!」

インタビューに答えた特殊部隊が叫び、森が燃えている映像が映った。

枯れた木々の間を特殊部隊が駆け抜け、けたたましい銃声が聞こえる。


『ロボットの説得に向かったフォレストマンが反旗をひるがえし、ガイアコアを盗みだしてフォレストパークの環境を乱している模様です。既に干ばつが始まり木々が枯れています。えっ!?』

キャスターは下のモニターを見ながら固まった。

テレビの上に『臨時ニュース』と出て。

『ニュートリノ発電所でクーデター。軍事介入を要請し、議会可決』の文字が出る。

テレビは、どのチャンネルにしてもニュートリノ発電所のクーデターかフォレストパークの戦いの一色となった。



今日は土曜日だ。

「パパ、最近のニュース。ロボットの事件ばかりだね。」

私はテレビを見ながらソファーに座っていた。

パパはラボを開けて、遠くからテレビを見ている。

何かを作っているようだ。

パパは土日になると、骨董市や拾ったものを引っ張り出して修理している。

今回も何か修理しているようだ。


「そうだね。じきに僕にも依頼が来るだろうな。」

「どんなお仕事?」

「義足や、義手。パワードスーツ。強化外骨格・・。僕の仕事は医療用パワードスーツの開発だからね。」

「そっか・・。パパ、また遠くに行っちゃうの?」

「・・・。」

「ロロアちゃん、ワガママ言わないの。」

ぬいぐるみのママが私の膝に乗ってピョンピョン跳ねた。

「ごめんなさーい。」


「私もゴメンねロロアちゃん。もう少ししたら帰れるから!そうしたら一緒に遊園地にいこう!」

「本当!?」

「えぇ!もちろんよ!」

「やったー!でも考えてみたら、私はもう大丈夫よ。高学年だし!それにパパに作ってもらった体がある。」

「ロロア・・!」

ママが泣くジェスチャーをした。


私は微笑みながらママを抱くと、パパの所に行った。

さっきから何をしているのか気になったからだ。

「パパ、ところで何をしているの?」

「ん?」


パパはフットボールに円柱の筒がついたような、楕円形の不思議な筒を台の上で分解していた。

緑青(ロクショウの錆びが浮いているが、楕円形に丸みをおび、黒く色分けされた先端の円筒には分厚いレンズが入っている。


どうやら何かを照射する機械のようだ。

見るからに年季が入っていて、もう片方からは破れた配線や2本の骨組みが飛び出しているので、昔はライトのように吊り下げて使っていたのかもしれない。

「回転式ジェネレータが入っているが間隔が極めて短い。こんな超高出力の物を照射する必要ってなんだ?」

パパが考えながら呟く。


「パパも何に使うか知らないの?」

「うん。ずっと前に拾ったんだ。・・急に思い出してね」

パパはラボの壁を指差した。

壁には写真が貼られていて、道路の真ん中に巨大なクレーターが出来ていた。

他にも丸い光が何枚も写っている。


パパが骨董市でガラクタを買ってくるなり、拾ってくるのは珍しくない。

でも、これは突如として道路に現れ、周りを破壊したらしい。


パパが来るまで、それは高出力のエネルギーを吐き出しながら自身のエネルギーで空中でグルグル回っていて。

パパは咄嗟に、修理した原始的な『カメラ』で何枚か撮影、暫くしたら力尽きたのか機械が道路に落ちた・・と言うのがこの写真だった。


私は円筒形の機械を持ってみる事にした。

「ロロア、よくそんなに片手で軽々と持てるな」

「えっ?持ってみるー?」

「わー!バカバカ!潰れてしんじゃうよ!」

と、パパが驚いた。

私にはあまり重さは感じないが、普通の人は男性が2人で両手で持ってやっとの重さらしい。

足に落としたらひとたまりもない・・。


どうやって使うんだろう?

いよいよ不思議に思って、筒を覗きこむ。

筒の中には例のレンズ。


(やっぱり、吊り下げて使うものなのかも?)と思って、配線と金属の部分を持ったら、楕円の円筒形のパーツがズルズルと外れだした。

配線と金属は溶けたゴムに束ねられているように一つになり・・。


「きゃっ!!」

「こ、これは・・!!」

台にドタン!と円筒形が落ち、配線が取れた。

別パーツのそれは・・

「腕だ!!人型ロボットの千切れた腕だ!」


2本の金属の棒は腕の骨で、溶けたゴムは人工筋肉だった。

大きさと形からして成人女性の腕だけど、私のカラーリングと近い青緑にも見える。

いや、緑青の錆びが付着したのかもしれない。


「これはすごい・・どうやら腕にはめて使うものらしい・・。いや、腕として機能したり照射する作動に移行する事も出来たみたいだ・・!高出力のエネルギーを照射しながら片手で扱うロボット。一体、なんのために!?そうだ!マット博士なら分かるかもしれない!」


パパは興奮しながら、電話機を探しに行った。

ママは腕を調べている。


「あ、お世話になっておりますカインです。先日は美味しいお茶菓子を戴きまして・・あの、マット博士はいらっしゃいま・・え?戻られてない?」


私は右手の腕輪のような装甲を外すと、楕円形のパーツを腕にはめようと手を入れた。

パーツの中は、とくにボタンがある訳でもなく。すぐに行き止まりだ。


しかし、その時だった。


「わっ!!助けてママ!」

「ロロア!何をしているの!?パパ来て!!ロロアが大変よ!!」

パーツの内部が光りだし、内部が私の腕を包み込んだと思ったらカチャカチャと音をたて始めた。

「ロロア、危ないから早く外しなさい!」

「うん!!」

私は怖くなり、とっさに左手をパーツにあてがい、パーツが付いた右手をパパに向けてしまった。


その瞬間、『チュン!!』と言う鋭い音が何発もすると共に、パーツの前の円筒形から黄色くて丸い光の玉がいくつも発射された。

「うわっ!!」

それは、パパの右頬と頭をかすめ、反動で腕を曲げてしまったので天井にある照明を撃ってしまった。

照明は爆発音と共に割れて飛び散り、天井から垂れ下がる。

そして焦げくさい臭いと黒煙がラボを包んだ。

「自浄作用!!」

ママがエアコンになり、中の空気を吸気する。


パパは台から顔と腕を出すと目を爛々とさせて興奮したように言った。

「すごい!!すごい!これは武器だ!片手で扱えるビームバスターがあるとは!! 」


「きゃー!パパ!頭がっ!?」

「パパ!勝手に触ってごめんなさい!!」

「大丈夫だよ、ロロア!これはすごい!」


手をつぼめると

『ガシュン!』

言う音がしてパーツの前の円筒形がなくなり、いつもの私の右手が出てきた。

パーツは私のために(アツラえたように、私の腕にしっかりはまった。

汚れを綺麗にすれば、なんらいつもと変わらないくらいに・・。



それからカイン博士は、この特殊なビームバスタージェネレータを『ロロアバスター』と呼称し独自に研究する事にした。

ロロアバスターがどこからもたらされたのか・・。

ロロアバスターが向かう先は善なのか、悪なのか。


ロロアは巨大な陰謀に巻き込まれようとしていた・・。

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