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装甲戦士・ロロアちゃん   作者: 地底人のネコ
11/11

ロロアの復活(完)

途方にくる博士。


そしてロロアは新しい産声をあげる・・。

「真夏君。キグナスの軍勢がこちらに向かっているそうだ。世論は軍に委託する事に前向き。このまま行くと警察や治安も軍の統治下になるだろう。」

「そうですか・・。」

「しかし、我々もみすみす軍に主導権を握らすわけにはいかない。メルヴィア中から警官隊を集め、警察指令本部もこちらへ集結するそうだ。ロロアちゃんを救出した後、我々は『肉を切らせて骨を断つ』威信をかけた総突撃をしようと思うのだが。どう思う?」

「それは、良い考えかと。博士は・・」


カイン博士は発電所の方を見ながら魂が抜けたように途方にくれていた。

もはやテリンコのバイタルサインも見ずにひたすら発電所の煙を見ている。


「カイン博士。」

「・・・。」

「カイン博士、変わりがいくらでもいるなんて、軽はずみな事を言ってすいませんでした。」

「・・・」

カイン博士はこちらを見て、ほんの少しだけ微笑んだ。

「いいんだ。それより、テリンコさんに悪い事をしてしまった。真夏君も殴ってしまってすまない。少し、どうかしてしまったんだ。」

「・・・。」



「あっ!!誰か来ます!!テリンコ隊長の決死隊のようです!!!」


櫓に居た機関銃を持った兵士が叫んだ。


「なにぃ!?門をあけろー!!」

門番隊長が号令し、鉄板と金網で作った門が開く。


ダーパと真夏、カイン博士や、他の隊長や隊員達も駆け寄った。

「・・あっ!!テリンコ君!!!」

そこには長持ちを担いだテリンコが居た。

他にもライフルを杖にする隊員や片腕を負傷した隊員がつづく。

門が閉まり、全員疲れたように倒れ。

テリンコも長持ちを置くと倒れてしまった。


ダーパは慌てて、とっておいたチョコレートウェハースを持ってテリンコの所に向かった。

俺も、労いの気持ちを込めた焼いたチョコレートクッキーを持ってくる。


テリンコは仰向けに寝そべりながら

「み、水を・・」

と悲痛に言った。

ダーパは震える手でチョコレートウェハースをちぎると、テリンコに食べさせて無理やり起こした。


「他の100人の隊員達は!?」

「私たちだけです・・。ゴホッゴホッ。それより・・。」

「わかったわかった!!ホラッ!チョコレートクッキーだ!」

俺はチョコレートを割るとテリンコに食べさせる。

「もがっ・・ちっがう!!水をくれ!口の中がパッサパサだ!!」

「テリンコ!帰ったら甘いものを食べたいって?」

「言いましたけど今じゃありません!!」



「おぉ!ママ!!ロロアは!?」

カイン博士が駆け寄って、長持ちの蓋を開ける。

中を見た瞬間、グラリと倒れそうになった。

「パパ!早くロロアをラボに!!!しっかりして!!」

「すまない。誰かっ!うちの娘をラボに運んでくれないか!!ママ!僕の背中に乗って!!」

救護班が駆けつけ、ロロアを博士の用意したサポートカーに運ぶ。


カイン博士は「はっ!」と、言いながら水を飲むテリンコの元に駆け寄った。


「テリンコさん、そして皆。ロロアを運んでくれて本当にありがとう。わたしはロロアを回復させたら必ずここへ戻ってくる。それまで、どうか頑張ってくれ!」

カイン博士はそう言うと深々とお辞儀をし、運搬船に乗り込んだ。


サポートカーはプロペラを回しながら飛び立った。


※※※※※※※※※※※



水の流れる音。

木々のかすれる音。


あぁ、いつもの夢だ。


私は暗いマングローブの森の中を膝下まで水に浸かりながら歩いている。


街灯はなく。

夜空に人工衛星すらない。


最近は水の音だと思ったものが・・ロボットや人間の声だった。


次はマングローブの森だと思っていた木が、実は骨格だけのロボット達だった。


その次は水の底があると思ったら 沢山の人間。


私は身構える。

次はなんだろう。

助けてほしいのは分かる・・。


でも、私はどうしていいか分からず進むしかない。


「ロ・・ロ・・ア。」

「きゃっ!」


そこにはZMシリーズ?

声はパワーマンの、改造する前のパワーマンがいた。

ただ、全身がボロボロで内部の機関が見えてしまっている。


「俺を・・俺達を助けてくれ・・」

「えっ!?」

「俺を・・破壊してくれ・・。」


パワーマンの他に後ろにも沢山のロボットや人間がいる事に気付いた。

翼を持つもの、電気を纏っているもの、葉をつけているもの、氷を付けている者・・。

みんなが私の体を触り、闇の奥へ引きずりこもうとする。



マングローブの森の向こうにある巨大な黒い塔。

黒い太陽がギラギラと光ながら漆黒の闇を吐き出す。


※※※※※※※


「い、いかん!!ロロアのデータが!!ロロアのデータが消えようとしている!!」

「ロロアちゃん頑張って!!私達の所へ戻ってきて!!」


カプセルのロロアが光り、破壊されて寝ているロロアを包み込む。


「私の理論が正しければ!!ロロアはロロアを『吸収』し、データを同期すると共に自分の物にする!!それは人間が学習するのと似ていて、その学習能力は人間の人知を遥かに凌駕する!!!戻ってこいロロア!!」

カイン博士がレバーを捻ると、モニター全てにロロアの体が映った。

『達成率40%』


破壊されたロロアの台の上を潜るように『高出力コピー装置』が動きまわり、ロロアの体の再構築を始める。

内骨格に筋肉と油圧ユニットが作られ、エネルギーに変える消化器官、子宮、腸など内臓が収まり、小さな乳房が形成され、皮膚が被い、その上を特殊な樹脂、そして外骨格の装甲が覆った。

『達成率60%』

外骨格が透明になり、ライフコアが点滅する。

頭には赤いライフコアが付いたヘッドギア。


『達成利70%』

『80%』

『90%』


「ぐぁあああ!!」

「パパー!きゃああああ!」

ラボ全部が震えだし。

次の瞬間、ロロアのライフコアが青くひかりだした。


そして・・。





※※※※※※


「・・うっ!」

目が覚めると明るい所にいた。

ラボの明かりだ。

私は・・一体どれくらい眠っていたのだろう。


「・・ん。うん・・。」

見ると、私の体にクマのぬいぐるみが転がり、お父さんが私の膝で倒れている。


「お父・・さん?」

「お、おぉ!ロロア!」

お父さんがカプセルを一瞥する。

私も見たけどカプセルには何も入っていない。


「実験は成功だ!!ロロアが目を覚ましたぞ!!」

クマのぬいぐるみも動きだし。

私に聞いた。

「ロロアちゃん!ママよ!」

「お母さん!!お母さんだったのね!私は一体!?」

どうやらお母さんは『見守り機能』で動かしているらしい。

それより私はどうしたんだろう?


そうだ!

私は・・私は・・。



※※※※※※


「今日はロロアが来るらしいぜ?」

リクトが首を長くして言う。

「ワクワクするね!」

とユミル。


飾られた教室。

たくさんの風船。

今日はロロアが久しぶりに登校してくる日だ。

あれから私達でどうするか考え、やっぱり私達は友達らしくロロアちゃんの心のサポートをしようとルルと話し合った。


ルルは「分かった!」とすぐにどこかに行くと『計画書』と書かれたノートを出してきた。

「ロロアちゃんがいつもの学生生活を送れるように、まずは復帰を盛大に祝いましょう!」と。

先生もその話をしたら泣き出しちゃって・・。

一番はりきっていたのは先生だけど・・。



「じゃあ、ロロアちゃんが入りますよ!ロロアちゃーん!」

先生もどこか落ち着きがなく、ロロアちゃんを呼ぶ。

「はーい!!!」

ドアが開き、廊下から満面の笑みのロロアちゃんが入ってきた!


いつもの青緑のボディに赤みがかかったブロンド。

私の知っているロロアちゃんだった。

でも、少し大人びたような少しだけ背の高くなったような気がする。



「ロロアちゃんが帰って来た!!」

「ロロアちゃーん!」

クラスメイトが手をふる。


ロロアちゃんは少し緊張したように皆の前で一礼すると、みんなに話し出した。



「 私は皆とかけっこしたり、体育を行いたいです。私は小さい頃から体が弱くて。

父に体を作ってもらい、こうして歩けるようになりました。

・・私を仲間に入れて皆でスポーツをしてくれたら嬉しいです!宜しくお願いします!」

ロロアが一礼する。


「・・・。」

「・・・。」



クラスが水をうったように静かになった。

嫌な予感がする。



「「「 「残念だけど、あなたや私達の記憶は『基本情報』を残して全て無くなる・・。ここにいるロロアが、あなたの認識するロロアになる。」 」」」


そんなロロアちゃんのお母さんの言葉を思い出した。

そんな事って・・。

そんな事ってあるの!?


「ロロアちゃん・・私、ハナゾノ・メリル。覚えてる?」

私は震える声で聞いた。

「ハナゾノ・メリルさんね!!私の名前は、ロロア!!よろしくね!!」


ロロアは満面の笑みで言った。






『装甲戦士 ロロアちゃん』第一部 おわり。

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