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囚われの僕達へ  作者: 唐辛子パンケーキ
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プロローグ

見上げると空は青かった。

雲一つない晴天。照りつける太陽が暑苦しい。

彼女は深く被った麦わら帽子を傾けて白い額をあらわにした。

「‥アオだ。アオにしよう」

お腹に手を当て微笑んだ。


——彼女の笑顔はただひたすらに眩しかった——





 目が覚めた。

何か夢を見ていた。胸が締め付けられる。今自分はどんな感情なのだろうかなど、誰も知る由がなかった。

横目に見るとベッドの隣の目覚まし時計は深夜の2時30分を表していた。

(変な時間に起きちゃったなぁ)

ふと机を見ると、買ってもらったばかりのコンピュータが寂しそうに置かれていた。

「課題、明日までだっけ。やらなきゃなぁ」

ポツリと呟いて自分に言い聞かせる。

重い体を引きずってそう遠くない机までノロノロと動き出す。

パソコンの起動とともに、スマホを引っ張り出した。

メッセージは20件以上溜まっている。

『おい、お前ら課題やった?』

『やるわけないじゃんw まだ名前すら書いてねぇよw』


「‥ふっ。あいつららしいな」

液晶画面上を指が滑っていく。しかし、ある言葉が目に止まった。

『なんかさ、外、光ってねぇ?』

メッセージはそこで止まっていた。

…光?

カーテンに目をやる。何も変化が無い、普通の深夜の空だ。

火事が起こっているのだろうか。一応ネットで調べてみた。

「何も無いな」

自分は一度気になったらとことん追求しなければ気が済まないタイプの人間であるから、課題そっちのけでカーテンの方に近づいていった。

窓を開けると、冬特有の凍りついた空気が部屋に流れ込んできた。

「なんだよ、別に何もねぇじゃん。賢治のやつ、毎日ゲームばっかやってるからついに頭やっちまったのかな」

流石に寒いと思い、窓を閉めようと手を伸ばした瞬間、遠くの空が光りだした。

赤じゃなく、黄色でもない。形容しがたい不思議な淡い大きな光だった。

「‥あれか」

恐怖よりも、知りたがった真実を知れて安心する気持ちのほうが大きかった。

「興味深いな」

スマホのカメラアプリを立ち上げ、目の前に向けた。

シャッターを押すと同時に、光が一気に自分もろとも包み込んだ。

「あぁ、これは」

見覚えがあった、馴染み深い色。

なぜこの名前がすぐに出てこなかったのだろうか。

光に包み込まれたからだろうか。次第に体の力が抜け、瞼が閉じられる。

「アオだ」

これが、意識あるうちの最後の言葉だった。



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