女子個人戦、男子総合戦
ここは魔法高校剣道東京大会が行われている日本武道館。
「一本!」
女子の個人戦が始まった。
「いいわよ! 怪獣ちゃん!」
「ありがとう。栞お姉ちゃん。」
渋谷区代表の谷子は1回戦を余裕で突破した。
「一本!」
そして谷子は2回戦も楽勝で突破した。
「怪獣ちゃんの全ステータスを100倍にアップ! エル・エル・エルメス!」
「私たちがいれば鬼に金棒ね。」
栞、泪、結が谷子に魔法をかけて、谷子を強化していた。
「一本!」
準々決勝も突破。基本、団体戦の優勝の方が価値があるので、他校は個人戦は強者を配備していなかった。
「一本!」
準決勝も突破。しかし、残り選手も少なくなってくると、おかしなことに気づく人間たちが現れた。
「あれ? あの渋谷高校の生徒って、ほんのおねえさんに似ていないか?」
「そう言われてみれば似ているような。」
一般客に谷子の正体が、大人気のほんのおねえさんであるとバレ始めた。会場がざわつき、マスコミも集合してくる。
「一本!」
谷子は魔法高校剣道東京大会女子個人戦を優勝した。
「ほんのおねえさんですよね!」
「本当に女子高生だったんですね!」
谷子は優勝インタビューでマスコミにツッコまれまくった。
「前髪長過ぎ!?」
しかし、当日のニュースや翌日の新聞は、ほんのおねえさんをやっている素顔のかわいい谷子の写真ではなく、前髪長過ぎのイエティ谷子の写真だった。
「かわいい怪獣ちゃんは私だけのものです。ワッハッハー!」
犯人は栞である。魔法をかけて秘密を知った人間の記憶を消し、動画とSNSのデータを全て消し去ったのだ。
「私は大好きな本を読んで、平和に暮らしたいだけです。」
栞のおかげで、谷子の平凡な日々は守られたのだった。
「何を言っているのよ。この勢いで全国大会も優勝するのよ!」
間違いなく魔法高校剣道全国大会も谷子は優勝するだろう。
「全国大会なんかに出場してたら、ほんのおねえさんの収録に穴が開いちゃうよ!?」
「大丈夫よ。全国大会って言ったって、日本武道館でやるんだから。」
「そうなの。良かった。」
谷子は何の訓練も練習もしなくても、魔法の力で剣道大会を優勝するだろう。え? どうして全国大会編がない? それは尺の問題で10万字に到達しちゃったからである。
終わり。
おまけの男子総合戦。
「俺は優勝して、楽子に告白するんだ!」
代官山男は諦めの悪い男だった。
「はじめ!」
男子は尺の問題で23人が無差別に戦うジオラマ戦になった。サバイバルを生き抜いた1人が優勝し、全国大会に進出するのだった。
「そんあバカな!? こんな剣道があるか!?」
ゲームのような設定であるが、魔法でルールが変わったとしておこう。
「1本!」
「しまった!? そんな~。ガクン。」
新ルールに文句ばかり言って、試合に集中していなかった代官山男は、ベスト16にも残れずに負けてしまった。
「山男。」
「楽子!?」
そこに猿野楽子が現れた。山男の恋に大逆転はあるのか!?
「山男、恋はやめよう。」
「え?」
「私は優勝して、全国大会に行くまで恋愛はしないわ!」
「よし! 俺も楽子が優勝するまで恋しないぞ! ワッハッハー!」
楽子と山男の恋の行方は、次の大会まで持ち越された。
「人間の恋は難しいですね。」
地球に恋の勉強にやってきた宇宙人のコイコイ。
「愛し合うのも恋、耐えるのも恋。恋を育てるのは大変ですね。」
コイコイは池の鯉にエサを与えながら言う。
「いいかい。おまえたちは素直に恋をするんだよ。丸々と太って、大きな恋に育ちましょうね。」
コイコイは恋と鯉を勘違いしている。恋が苦手過ぎて、生まれた惑星の生命の危機を迎えているのも納得できる。
終わり。




