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中堅、栞 VS マオ

 ここは魔法高校剣道東京大会が行われている日本武道館。

「振り出しに戻っただけだ! 次の試合をみんなで勝って、絶対に優勝しよう! 渋谷高校剣道部! ファイト!」

「おお!」

 渋谷高校剣道部は主将の楽子を中心に気合を入れる。

「みんな、ごめんなさい。私が負けてしまったばっかりに。」

「結、大丈夫よ。」

「そうよ! 結の分もドキ子が戦うわ! ドキ。」

「これでも食べて。」

「パン?」

 結は谷子からパンをもらって食べる。

「美味しい! こんな美味しいパンはどこで売ってるの?」

「虹子の幸せのパン屋さん。」

「負けた。なんて美味しいパンなの。ウルウル。」

 虹子は敵の結にも、自分の焼いた幸せになれるパンを贈ったのだった。結は虹子の優しさに触れて涙をこぼしながら幸せのパンを食べた。

「栞、頼んだわよ。」

「任せて。主人公の私が負けるはずがない! キャッハッハ!」

「中堅、前へ。」

「行って来るわ! 安心して見ていてね!」

 審判に促されて自分は負けることはないと思い込んでいる栞は試合に望む。

「第1魔法少女やと!? おまえ! この物語の主人公やな!?」

「その通り。ダブルヒロインの渋井姉妹の姉の栞よ。」

「ダ、ダ、ダブルヒロインやと!?」

 マオは自分の不運な入退院の繰り返し設定と扱いが違いすぎる、栞の夜空の星々のような輝きに嫉妬した。

「う、羨ましい!?」

「ここにもいたわ。私のファンが。」

「誰がファンや!? おまえには分かるまい。もっと早くに魔法少女になってもええのに、第16魔法少女で、やっと魔法少女認定された、うちの気持ちを!」

「うん、分からない。」

 ずっと主役としてスポットライトを浴びてきて、華々しい人生を生きてきた、栞にはマオの気持ちは分からなかった。

「クソッ! ええ加減にせえよ! 主役だろうが、ヒロインだろうが、うちがケチョンケチョンにしたる! 東京には負けへんで!」

 なぜだろう? 関西人は東京や主人公には負けたくないらしい。

「はじめ!」

 いよいよ中堅戦が始まった。

「悪いけど、すぐに消えてもらうわよ! 銀河魔法! ブラックホール! エル・エル・エルメス!」

「うわあああ!?」

 栞が魔法でブラックホールを呼び出し、マオはブラックホールに吸い込まれて消えてしまう。

「これが主役の実力よ。ワッハッハー!」

 栞は勝利を確信して高笑いする。

「いいの? 笑っていて。」

「ん?」

「主役って、他のキャラクターに支えられているだけなのよ。」

 間リコが栞に語り掛ける。

「マリコはん、言ってしもたらあかんわ。油断してるところを奇襲しようと思ったのに。」

「なぜ!? 確かにブラックホールに吸い込んで異次元の彼方に吹き飛ばしたはずなのに!?」

 栞にはマオがいることが理解できなかった。

「うちは婦長にお仕置きと言われて、ブラックホールには17回行ったことがある。当然、ここに居るってことは、ブラックホールから生還する方法を知っているっていうことや。キャッキャッキャ。」

「そんなバカげた設定があるの!?」

 あります。陽の当らないマオの地味な人生である。

「なら、これはどう? 必殺! 土星落とし! エル・エル・エルメス!」

「土星がなんぼのもんじゃい! マオ・パンチ!」

 栞が放った土星をマオは拳で、ドカドカドカっと粉砕していく。

「ええー!?」

「土星なんか、今までに3回割ったことがあるわい!」

マオのゲームスキルを現実世界でも使用できるは、かなり強かった。

「面!」

「1本! それまで!」

「し、しまった!?」

 驚いて立ち尽くす栞に、マオの面が決まって勝負が着いた。

「やったで! 関西人をなめるなよ!」

 中堅戦は魔法世田谷高校の勝利。これで対戦成績は魔法渋谷高校の1勝2敗となり、崖っぷちに追い込まれた。

 つづく。

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