次鋒、泪
ここは魔法高校剣道東京大会の会場の日本武道館。
「楽子、ナイス! 勝利!」
「おめでとう!」
「もう、私もみんなの足手まといじゃないわ。これからはみんなでがんばりましょう!」
「おお!」
魔法渋谷高校剣道部は主将の楽子を中心に士気が高まる。
「はい! はい! 次はドキ子が戦う! 楽子ちゃんもアピールしたんだから、ドキ子もできるってところを見せてあげる! ドキ。」
ドキ子も楽子と同様、強くは無かったので、強くなった所を見せたかった。
「ダメよ。次は、泪にお願いするわ。」
「おお! 任せとけ!」
次鋒は、泪に決まった。
「どうして!? どうして、ドキ子はダメなの!? ひいきよ!? 不平等だわ!?」
「ドキ子、あなたはリーサルウェポンよ。」
「リーサルウェポン?」
ドキ子は英語が苦手だった。
「最終兵器ってことよ。あなたは渋谷高校剣道部の最終兵器。世田谷高校も2人の魔法を隠しているから、うちもドキ子だけでも魔法を隠しておかないと。」
「分かったわ! そんなにドキ子を頼りにしているなんて! なんだかドキドキしてきた! 主将は、かわいいドキ子に任せなさい! ドキ。」
ドキ子は、すぐに調子に乗るので扱いやすかった。
「次鋒、前へ!」
「じゃあ、いってくるよ。」
「泪、がんばって!」
「おお! 畳に日の丸の旗を掲げてやるぜ!」
泪は剣道着を見にまとい、戦場に出発する。
「はじめ!」
次鋒戦が始まった。渋谷高校剣道部は泪。相手の港高校は港高校剣道部員Bである。
「がんばれ! がんばれ! 泪! 負けるな! 負けるな! 泪!」
その時、客席から大きな声援が聞こえてくる。
「なんだ? なんだ?」
泪は声援の聞こえる客席の方へ振り返る。
「泪はん! がんばりや~!」
「ゲッ!? なんじゃこりゃ!?」
泪が見たのは、魔法自衛隊の大応援団だった。提携したAIロボットの明治天皇、大声援でも寝ている祐名。求人広告を出して申し込んできたので、面接して採用した未来の司令官候補、2等陸士のお姉さんA、2等海士のお姉さんA、2等空士のお姉さんA、事務員のお姉さんA、ジャパロボの整備のお姉さんAである。自衛隊の聖歌隊のお姉さんは経費削減のため今回は採用を見送った。
「恥ずかしい。やめてくれ。」
泪は照れながら小さな声で言った。
「隙あり! もらった!」
港高校剣道部員Bが観客席に気を取られている泪に攻撃を仕掛ける。
「甘い! おまえは、もう、踏んでいる。」
「なに!?」
泪の言葉に港高校剣道部員Bは足元を見る。
「これは!?」
港高校剣道部員Bは何かを踏んでいた。
「魔法地雷、ソ連製TM46対戦車地雷だ。足を踏み外した瞬間におまえの体が吹き飛ぶぞ。」
「クッ!? 卑怯な!? 地雷を仕掛けているとは!?」
踏んでいた物は、地雷だった。
「何とでも言え。勝てば官軍負ければ賊軍ってね。参ったと言わないと体が吹き飛ぶよ?」
「無念だ。参った。」
港高校剣道部員Bは降参した。
「それまで! 勝者、渋谷高校!」
次鋒戦、渋谷高校の勝ちが決まった。
「勝ったー! 勝ったー! 泪! 勝ったー! 勝ったー! 泪! ジャパロボ! 万歳! 日本! 万歳! 魔法自衛隊! 万歳!」
魔法自衛隊の応援団が泪の勝利に歓喜の声援をあげる。
「zzz。」
そんな中でも祐名は寝続けている。
「地雷解除! もう足を外しても大丈夫だぞ。」
「ほえ~、助かった。」
泪は、2次被害の可能性のある地雷を戦場には残さないタイプだった。
「イスラ、あいつに勝てるか?」
客席で試合を見ていた世田谷高校のリコが、同じ爆弾を使う魔法少女のイスラに問う。
「チッチッチッ、問題ないよ。あんな甘ちゃんは戦場では生き残れない。私は一度仕掛けた地雷ははずさない。踏んだ奴に運がなかっただけさ。」
中東軍、アメリカ軍を駆逐してきた一匹狼は負けることは考えない。ローンウルフのテロリストは勝つことしか考えていなかった。
つづく。




