初戦、先鋒、楽子
ここは魔法高校剣道東京大会の会場の日本武道館。
「魔法渋谷高校剣道部! 絶対に勝つぞ!」
「おお!」
渋谷高校剣道部は初戦を迎える。
「私たちの相手は、魔法港高校ね。」
「よし! 魔法をぶっ放していくぞ!」
「おお!」
「先鋒は私に任せなさい。獅子座の恐ろしさを教えてやろう! 必殺! しし座流星群!」
日本武道館の周辺に星のように光り輝く獅子が現れる。
「いいえ。先鋒は私が行くわ。」
「ええー!?」
主将の猿野楽子が先鋒に名乗り出る。
「私が主将として、最初の試合に勝利をして、みんなに気合を入れるわ!」
「まあ、楽子が言うなら仕方がない。」
楽子は渋谷高校剣道部員たちに信頼されていた。
「いってこい、楽子。」
「がんばってね。」
「ドキ子も応援してる。ドキ。」
「ありがとう。みんな。絶対に勝つからね。」
楽子は先鋒戦に望む。
「やっと、ドキ子たちの試合だ。私も剣士の血が燃えてきた。だって私はヒロイン勇者だから。」
「せっかく若返ったし、私も剣道をやろうかな? 16才の美少女剣士現れる。スポーツ新聞の一面はいただきね。」
「あそこのカップル、デートでお寿司だなんて、オシャレな恋ですね。」
「ドキ子さんたち、がんばって!」
もちろん渋谷高校剣道部を応援するドキ子軍団。
「渋谷高校は栞、泪、結は強いとして、楽子とドキ子が弱点だな。」
「そうね。栞たちは絶対に自分たちが勝たないといけないというプレッシャーがあるからな。」
「いいな。剣道見ながらにぎり寿司デート。私も彼氏が欲しい。」
恵三姉妹も渋谷高校剣道部に注目している。
「エビメグ、俺たちは罪を犯した。」
「そうね。司くん。私たちは共犯よ!」
と言いながら、お寿司を食べる海老原恵と寿司の高校生カップル。
「おいしい! 共食いしちゃった!」
「司くん、私も食べて!」
若い2人は剣道の試合なんかどうでも良かった。
「リコ、あいつらの試合なんか見るの?」
「見なくても勝てるわよ。」
「飲み物でも買いに行ってきますね。マリコ様の分も買ってきますね。」
「わてはトイレや。」
「私が荷物番しててあげる。」
魔法世田谷高校のメンバーは、リコをおいて去って行った。
「どんな戦いをするのか見せてもらいましょうか?」
リコは試合に望む楽子の姿を見つめる。
「先鋒、前へ! はじめ!」
楽子の試合が始まった。
「パワー、ディフェンス、HP、スピードUP! みな・みな・みなと!」
対戦相手の魔法港高校剣道部員Aは魔法で全ステータスを向上させる。
「相手が魔法で普通以上の能力で襲いかかってくる。私はどうすればいい?」
楽子は自問自答していた。
「楽子は、その答えを知っているはずだよ。」
その時、楽子の心が現れる。
「私の心?」
「そう、僕は楽子の心だよ。」
楽子の心は、楽子に問う。
「楽子はどうしたいの? 相手と同じように魔法で能力を強化したいの? それとも剣道の試合で正々堂々と試合に勝ちたいの?」
「私は、私は、私はー!!!」
勇気を司る魔法少女の楽子は自分の心に素直になる。
「でやあ! もらった!」
港高校剣道部員Aが魔法でパワーアップしたので、強気で楽子に突撃する。
「私は絶対に勝つ!」
楽子は相手の竹刀を竹刀で受け止める。
「魔法を使えれば自分が強くなったと錯覚するなよ! 必殺! 魔法斬り!」
楽子の会心の一撃は港高校剣道部員Aのステータス向上魔法を切り裂く。
「ギャア!? 魔法が解けた!?」
港高校剣道部員Aは魔法が解けて驚く。
「もらった! めん!」
楽子の面が決まった。
「一本! それまで。」
楽子は大切な初戦に一本をとって勝利した。
「私は私の心と向き合えば、きっと自分が何がしたいのか、自分の答えが見つかるはず。私は自分の心に問い続けよう。そうする度に、私は強くなるから。」
楽子は、また一つ大人の階段を上った。
つづく。




