良、第4魔法少女、恵
ここは恵比寿のマンションの一室。
「ウエエエ~ン!」
海老恵が泣いている。当初、恵も、仮名字は渋井であったが、泪が神代、結が恋愛と少女マンガ的にゴットネームを手に入れたので、恵も海老恵になった。まだ改名の余地はある。
「恵さん、変な名前だからって、泣かないで。ポン。」
恵の使い魔兼家族のタヌキの狸子が慰める。海老恵は、海老寿恵から寿を抜いた。寿司と書いて、コトブキツカサなんて名前も良いな。そうなると恵が問題になってしまう。
「違います。そんなことで泣いているんじゃない!? ウエエエ~ン!」
降参して、海老原恵にしよう。早い改名であった。海老名は使うと、万が一、神奈川編まで行った時に恵が使いにくい。
「じゃあ、どうして泣いてるの? エビメグ。ポン。」
海老原でエビちゃん、恵でめぐみん。どちらも使いにくい。ということでマナカナ、カナメグ、マツトモのように足して2で割ってみた。
「だって、学校が違うから仕方がないけど、前回の私の回から出番がない!? ウエエエ~ン!」
谷子たちは魔法渋谷高校。恵だけが対戦相手として登場したので、恵比寿高校で他校である。
「もう高校生なんだから、泣かないで。ポン。」
「無理! 私も渋谷高校に転校したい!」
「いいの? 引っ越し代は高いから、ネットショッピングできなくなるけど。ポン。」
「私、恵比寿が大好き! あはははは!」
やっぱり恵は恵比寿が大好きである。
「はあ!? これが事務所の推しメンとその他大勢の違いか!?」
恵は、事務所が売り出したいメンバーと、その他、水着モデルと夜の仕事に陥れられるメンバーの扱いの違いを肌身で感じた。
「よし! こうなったらメンバーの帰宅時間を強姦魔の極悪なファンに教えて襲わせてやる! ウッシッシ。」
同じ魔法少女なのに、メイン扱いされていない恵の心に嫉妬や憎しみが生まれた。
「下品な笑い方はやめなさい。エビメグは、良い魔法少女なのよ。ポン。」
狸子は悪い恵をしかる。
「悔しい!? 私は、もう消えるのを待つだけなのね!? ウエエエ~ン!」
恵の存在は風前の灯火だった。
「ピーン・ポーン!」
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「は~い。」
恵は玄関を開けた。
「元気、エビメグ。」
「わ~い! 司くん!」
現れたのは、寿司こと、コトブキツカサであった。
「エビメグが病に伏せて学校を休んでると聞いたから、お見舞いにやってきたぜ。」
「ありがとう。司くん。」
正確には、ネットショッピングに夢中な恵は、学校に行くのを忘れただけである。
「当然だろ。俺はおまえの彼氏なんだからな。」
なんと!? 寿司は、海老原恵の彼氏だった。
「うん。私は司くんの彼女だよ。エヘッ。」
なんと!? エビメグは彼氏持ちだった。
「魔法少女で彼氏持ち第1号は私。楽子と山男は、まだ付き合っていない。そして他の不細工なメンバーに彼氏を作る技量があるようなメンバーはいない。魔法少女で彼氏がいるのは私だけだ! ワッハッハー!」
恵は勝利の雄叫びを上げる。
「でも、アイドルグループって、恋愛は禁止ですよね。あと、ファンとの交際は禁止ですよね。」
狸子は鋭いツッコミをいれる。
「バレなければいいのよ。それにまだ48人揃っていないから、グループ結成前の出来事で逃げれるし、ファンに襲われましたって言えばいいのよ。最悪、地方に左遷か、丸坊主にすれば許されるんだから!」
アイドルのガードは緩い。
「どうでもいいけど、エビメグ、部屋に入れてもらっていいかな?」
「司君のエッチ。」
恵は喜んで司を部屋に招き入れた。10代で男が女の部屋に入って、何事も無く無事な訳はない。
「不純異性交遊は許しませんよ! ちゃんとコンドームを使わないと、妊娠しちゃいます! ポン。」
タヌキの狸子は、二人っきりでロマンチックなムードを作らせない。
つづく。




