コイコイ VS 結
ここは魔法渋谷高校剣道部の稽古場。渋谷高校剣道部とドキ子軍団の練習試合が行われている。
「次鋒! 前へ!」
審判の猿野楽子が次鋒の登場を促す。
「だらしない。泪とは違う所を見せてあげるわ。」
渋谷高校剣道部の次鋒は、結である。
「私の恋は誰にも負けません!」
ドキ子軍団は宇宙人のコイコイである。
「どお? 私の剣道着は、きれいな光沢のある陶器のようなデザインよ。優雅でしょ。竹刀も、最高級の真竹で作らせた特注品よ。すごいでしょ?」
結は、お金持ちを鼻にかけた言い方をする。
「分かりません。私は宇宙人なので。それに見た目が良くても、中身が伴わないのなら恋は実りません。意味がないのです。」
「なんですって!? 人は見た目が全てよ!」
結の言葉は、他人の視線を気にしない宇宙人のコイコイには関係なかった。
「私の剣道着は、恋が滝登りしている純和風の剣道着です。竹刀も恋が叶うように祈願しました。」
「あなた、鯉と恋を勘違いしてない?」
「いいえ、勘違いしていません。私は庭の池で恋を育んでいます。」
コイコイは、生物が絶滅しそうな星からやってきた、恋が下手くそな宇宙人。地球の人口が70億人と増えているので、どうすれば種が存続できるのかを地球に学びに来た。
「はじめ!」
遂に次鋒戦が始まった。
「さあ! 次鋒戦が始まりましたね。解説の栞さん。」
「そうですね。実況のドキ子さん。」
栞とドキ子の実況解説は健在である。
「結も名字が仮の渋井ですが良いんですか?」
「どうでしょう。結も泪に神代なんてゆう響きの良い名字になったので、内心は焦っているでしょうね。」
「私もメロメロと付き合いは長いですが、まさか可憐な名前を付けるセンスがあったとは、ヒロイン勇者には驚きました。ドキ。」
「コイコイは、ネーミングセンスはあるのかしら?」
思わず栞とドキ子は考え込んでしまう。
「きっと変な名前が着くわよ! 結が可哀そうに思えてきた。」
「なんだかドキ子がドキドキしてきた。ドキ。」
実況解説の2人がコイコイと戦う結を憐れむ。
「勝手に憐れむな! 庶民共!」
プライドの高い結は、栞とドキ子の態度に激怒した。
「名前がないなんて、可哀そう。」
「宇宙人にまで同情されたくないわい!」
コイコイは、名前の無い結を可愛そうに思った。
「せっかく出会ったのだから記念に名前を付けてあげましょう。宇宙人に名付けてもらえることを感謝しなさい。」
「どうしてかしら? 上から目線で話されている感じがするんだけど。」
名付け親は宇宙人。貴重な体験である。コイコイのネーミングセンスが試される。
「まあ、いいわ。でも変な名前だったら、魔法で呪い殺すから気をつけなさいよ!」
結は、妖怪を司る魔法少女なので、心霊や呪いに長けている。特に約束のリングは呪いの魔法である。2人が幸せなら幸せの指輪になり、2人が不幸なら不幸の指輪になる。
「発表します。あなたの名前は、鯉愛を結ぶと書いて、鯉愛結。コイアイユイさんです。」
「恋愛結!? お、怒りたいけど、怒れるほど変じゃない!?」
結はコイコイの考えた名前の響きが意外に良かったので怒るに怒れない。
「参った。潔く認めよう。コイコイ、素敵な名前をありがとう。」
「どういたしまして。地球人のお役に立てて嬉しいです。いっぱい恋を愛して結んでください。」
結はプライドが高いが負けを認める時は潔かった。
「恋愛結か、これで結婚相談所やブライダル関連からCMのオファー殺到だわ。」
「もちろん鯉と恋を結は錯覚してるんだけどね。結はどこで気づくのかドキドキしますね。ドキ。」
「コイコイの発想はどこからくるんだろ?」
「宇宙人の神秘は、あなたの専門分野でしょ。栞ちゃん。」
「私に聞かないで!?」
栞は、銀河系最強の魔法少女であり、銀河の守り人であるが、コイコイは正体不明であった。
つづく。




