良、第3魔法少女、結
ここは渋谷の高級住宅街の一軒家。
「久しぶりのゆっくりした朝だわ。」
結も久しぶりの休日のため、熟睡して眠っていた。
「何を言っているんですか? ティファニー様。もうお昼ですよ。」
「コンコン。」
結の使い魔兼家族の幽霊のおみっちゃんと妖狐の子供コンコンである。
「あら? そうなの。おみっちゃん、朝食の準備をしてちょうだい。」
「だからお昼ですって! ランチの時間ですよ!」
「コン。」
「お昼だとか、ランチだとかは関係ない! 私が朝食と言ったら朝食なのよ!」
上品な結、お嬢様の結、結局、おもしろ個性にすると、わがままなお嬢様になるってしまう。
「うん、おいしい。やっぱり人間、お昼でも第一ご飯は、モーニングと言うべきよ。」
「うわあ!? どんどんティファニー様がわがままお嬢様になっていく!?」
「コン!?」
おみっちゃんもコンコンも結に戦慄を覚える。
「安心しなさい。私がうるさいのは朝食だけだから。ランチとか、ディナーとか、どうでもいいし。」
結は朝食だけを愛する女子高生だった。
「じゃあ、聞きますけど、もしディナーのカニの丸焼きがおいしかっても、どうでもいいんですね?」
「どうでもいいわよ。カニの丸焼きを朝食にするから。おいしいものは全て朝食にすれば問題は解決する! ワッハッハー!」
「ダメだ、こりゃ。」
「コン。」
結に呆れる、おみっちゃんとコンコン。
「さあ、ここからどうしましょう? 私の至高の朝食専門のカフェを全国展開する話がいい? それとも妖怪を司る魔法少女だから、おみっちゃんとコンコンの話を掘り下げる? それとも第3の妖怪でも投入しようかしら?」
物語の大きな分岐点である。
「はい! は~い!」
幽霊のおみっちゃんは元気よく手をあげる。幽霊なので足はないから。
「はい、おみっちゃん。」
「妖怪の話にしましょう! そうすれば私の出番が増えるかも。エヘッ。」
「コン。」
おみっちゃんも久しぶりの出番で、自身の存在に不安を感じている。幽霊なので、元々から透けているのだが。
「やめてよ。困っているおじいさんを助けた若い娘が、実は幽霊で、正体がバレたからお墓に帰ります、とかいう人情話。大衆ウケが良くて、劇場版とか、あやかし、もののけものでよくなってるけど、そんな話が感動するのは、最初から分かっていることじゃない。おもしろくない。」
おもしろさでなく、ヒット作はジャンル、キャラクターが違うだけで、内容は全部そんなもの。
「便乗しないんですか?」
「しないわ。それって、ただの白黒コピーでしょ? パクリよりも、おもしろくないわ。」
結はお嬢様なので、プライドが高い。
「はい! スタート!」
急に冬の寒い夜道で雪が降る街灯の下。
「コンコン、コンコンは要りませんか? コンコンは要りませんか?」
「コン。」
コンコン売りのおみっちゃんである。
「バタ。」
お腹が空いて生き倒れて、白い雪の道に横倒れてしまいます。
「コンコン、天国に行ったら、お腹一杯、ご飯をたべようね。生まれ変わっても、また会おうね。」
「コン。」
そのまま、おみっちゃんとコンコンは死んでしまいました。雪は残酷にも二人に降り積もるのでした。
「カット! おみっちゃん、コンコン、なかなか良い演技だったわよ!」
寸劇のお芝居である。
「私を2度も殺さないで下さい! 私はコンコンを売りませんからね!」
怒る、幽霊のおみっちゃん。
「コン!?」
怯える、コンコン。
「名作だわ! 映画監督もいいわね。そうだ! 映画館にモーニング専用のカフェを作ろうかしら?」
結は、お金持ちのお嬢様だから、親のお金で何でもできる。おお! お金持ちのお嬢様は魔法少女だ。欲しいものを手に入れて、行きたいところに行く。好きな男もお金の力で買い取れる。このネタは「ラブ米」で使えるな。
つづく。




