谷子、優勝する
ここは代々木の体育館。渋谷区高校剣道女子個人戦が行われている。
「ナイス! 勝利! あと5勝すれば優勝ね!」
「え!? あと5試合もするの。」
試合数は適当なので、あしからず。
「そうそう、楽子は病院で入院するんだって。」
「代官山男が付き添っているから大丈夫でしょう。」
猿野楽子と代官山男の恋愛は、まだまだ続いている。
「さあ、かわいい怪獣ちゃん。今大会は個人戦には名前ありのキャラクターもいないし、優勝できるわよ!」
「ここからは私たちが魔法でサポートしまくるから、安心して試合に望んでね!」
「谷子ちゃん、魔法が強すぎて体がバラバラに引きちぎれないようにね。」
栞、泪、結は谷子を魔法で強化しまくる気である。
「私を殺す気か?」
「大丈夫。バラバラになったらドキ子が縫い合わしてあげる。ドキ。」
「私は呪われたぬいぐるみか?」
やっと自分の存在に気づいた谷子。
「みんなのためにも優勝するからね!」
谷子は、みんなからおもちゃにされているが、みんなから愛されている。これも渋井姉妹だけではなく、泪、結、ドキ子たちと集団に居場所があるから、狭い範囲の幸せを願う谷子の気持ちにも少しの変化があるのだろう。今はみんなのために勝ちたいと思えるのだ。
「試合を始めます! はじめ!」
3回戦、本町高校と渋谷高校との戦いが始まる。
「加速魔法! スピード・アップ! エル・エル・エルメス!」
「加速魔法! スピード・アップ! ルイ・ルイ・ルイヴィトン!」
「加速魔法! スピード・アップ! ティファ・ティファ・ティファニー!」
谷子に3人の魔法少女が魔法をかける。3倍の加速魔法をかけられた谷子の速度は普通の人間には見ることが出来ないスピードになった。
「チョン。」
谷子は本町高校剣道部員Aの面に竹刀を当てる。
「1本! それまで。」
「やったー! 勝っちゃった!」
ここから谷子の怒涛の快進撃が始まる。
「怪力魔法! パワーアップ! エル・ルイ・ティファ!」
魔法少女3人の魔法も省略のような、息の合った合体魔法になる。
「でやああああああああ!」
ドカーン! っと谷子の竹刀の一振りが地面を割る。
「ま、参りました!? 命だけはお助け下さい!?」
谷子は初台高校剣道部員Aに勝つ。
「銀河魔法! 秘儀! 土星落とし! エル・エル・エルメス!」
ある時は栞が土星を落とし、試合会場を破壊した。
「1本!? 会場を壊さないで下さい!?」
審判も対戦相手の西原高校剣道部員Aも半死である。
「超遠距離攻撃魔法! 大陸弾道ミサイル! ルイ・ルイ・ルイヴィトン!」
ある時は泪がミサイルを試合会場に撃ち込んで大爆発を起こした。
「死にたくないよ!? お母さん!?」
大山高校剣道部員Aは泣きながら会場を後にした。
「次は決勝戦だ。」
「怪獣ちゃん、体は大丈夫? 魔法ばかり使っているけど。」
「大丈夫だよ。ほとんど私は何もしてないもの。」
「任せて! 次の相手も殺してあげるから! キャッハッハ!」
谷子は、ほとんど立つているだけで勝ってしまっている。
「いくぞ! 決勝戦!」
「おお!」
渋谷高校剣道部は全員で盛り上がる。
「決勝戦、渋谷高校、元代々木高校、前へ。」
「はい。」
谷子は剣道着を着て試合に望む。
「あれ? 対戦相手の選手がいない?」
元代々木高校の選手は全国大会に出場するよりも、命の方が大切だった。
「試合放棄とみなし、勝者、渋谷高校!」
「と、いうことは?」
「怪獣ちゃんの優勝だ!」
「やったー!」
渋谷高校剣道部の面々は、谷子の元に笑顔で駆け寄り、谷子の優勝を喜ぶ。
「みんな! ありがとう!」
「これも谷子ちゃんが頑張ったからよ!」
「ドキ子のおかげよ!」
「次は全国制覇だ!」
谷子は仲間と一緒に喜びを分かち合える剣道が好きになった。
「その前に祝勝会よ!」
渋谷区高校剣道女子個人戦は谷子が優勝した。
つづく。




