決勝戦、勝者が決まる
ここは代々木の体育館。渋谷高校剣道大会女子団体戦が行われている。
「渋谷高校剣道部! 気合入れていけよ!」
「おお!」
「ハチ!」
「ハチ!」
「ハチ!」
「ドキ!」
「ハチ!」
イメージは、XジャパンのXジャンプならぬ、渋谷高校剣道部のハチ公ジャンプである。
「楽子、いつになったら目が覚めるんだ?」
代官山男は猿野楽子を介抱しているが、一向に目覚めない。
「これで2勝1敗ね。最後の大将戦は結が勝つから。私たちの優勝が決まったようなものね。」
「やったー! 優勝だ!」
「これもドキ子のおかげよ! 大会MVPは私で決まりね! ドキ。」
「ごめん。水分採り過ぎた。トイレ行って来るわ。」
結はトイレに行った。
「ここまでなの!?」
恵比寿高校剣道部は意気消沈していた。
「大丈夫。次の戦いは私が勝つから。」
「それはそうなんだけど。メアリーとユウリーは病院だし、うちの大将は恵比寿高校剣道部員Eなのよ。相手は副将、大将は魔法少女。もう私たちに勝ち目がない。」
ラブリーの言葉には絶望が混ざっていた。
「諦めないないで。諦めたら終わりよ。」
「狸子?」
「私に任せて。考えがある。」
狸子には何か策があるみたいだった。
「副将、前へ。」
「勝ってくるわよ!」
「泪、軽くひねってやれ!」
渋谷高校剣道部の副将の泪は明るく試合に挑む。
「それでは、はじめ!」
「さあ! かかってらっしゃい!」
泪は戦う気満々である。
「ちょっと待った。」
狸子は手を広げて、泪の行動を制止する。
「なに? 命乞い?」
「私たち魔法少女同士が戦えば、お互いに無事では済まないわ。」
「そう言われてみれば。」
「そこで提案があるの。あなたがわざと負けても2勝2敗。大将戦は、あなたたちの方は魔法少女。うちはCPUの恵比寿高校剣道部員E。戦う前から勝負が着いているわ。だから私たちが戦って疲れる必要はないと思うのね。」
狸子は泪を諭す。
「そう言われてみれば、そうね。分かった。参りました。」
疲れたくない泪は、あっさりと負けることにした。
「いや~、負けちゃった。」
「別にいいわよ。次は結の出番なんだから・・・何!? 結がいない!?」
結はトイレに行ってまだ帰って来ていない。
「まさか!? あなたが言っていた秘策って、このことだったの!?」
「そう。魔法でお茶に薬を入れておいた。大将戦に相手の魔法少女が出ることは無い。」
恐るべし魔法少女の狸子であった。
「大将、前へ!」
「はい。」
恵比寿高校剣道部員Eは試合の既定の位置に立つ。
「渋谷高校、大将はどうしました?」
「トイレに行っています!? 少し待って下さい!?」
「それは無理です。試合放棄とみなし、恵比寿高校剣道部員Eの勝利!」
なんと大将戦で渋谷高校は不戦敗にされてしまった。
「勝った! 勝ったんだ! 私たち!」
「これでいい。良かったね。ラブリー。」
「メアリー! ユウリー! あなたたちの死は無駄じゃなかったわよ!」
ラブリーは妹二人を勝手に殺している。
「優勝は、恵比寿高校!」
「やったー!」
これが王者の風格である。
「準優勝は、渋谷高校!」
「そ、そんな!? バカな!?」
新設の剣道部にしては良く頑張った方である。
「こ、ここは? どこ?」
「楽子!? 目を覚ましたのか!?」
代官山男の腕の中で猿野楽子は目を覚ました。
「私は誰? あなたは誰?」
「どうしたんだ? 楽子? まさか!? 記憶喪失!?」
楽子は寝起きの低血圧みたいに錯乱している。
「お、男!? いや!? こないで!? 私に近寄らないで!?」
「どうしたんだ!? 楽子!?」
楽子はパニックに陥る。教師のアンディに成績を人質に襲われたこと、親に心配をかけてくないからと諦めバカ女になってアンディの奴隷となって生きていたことを思い出す。
「こっちもタンカーだ!」
波乱の展開の中、谷子の個人戦が始まる。
つづく。




