〜 ペドループ星での攻防 〜
「なっなんだぁこいつら強えぇぞ〜」雑魚だと思った人間に、仲間が倒され、驚き慌てふためるオーグ達が一斉に騒ぎ出す。
「お前らが弱すぎんだよ」神井が吐き捨てるように言った。
この時、北條は冷静に二人の成長を見つめていた。
このオーグ達は確かに然程強くはない、神井君なら修行前でも充分倒していただろう、驚くべきはタケル君の成長と言ったところか。
「分かった、この星で何が起こっているか言う、だから、他は殺しても俺だけは助けてくれ」自分だけが助かる為、他の仲間を押しのけ前に出るオーグ
その時だったオーグ達の背後から大きな声が「何勝手に喋ってるんだ?」
「隊長っっ」そいつは身長8メートル程はある大きなオーグ
「なんか匂うと思ったら、おまえ達ペドループ星の者じゃないな?」
「この匂いは地球人特有の匂い、おまえ達地球の人間だよな?お前達何をビビってやがる、こいつらは地球の人間だぞ」
オーグ達はそれを聞き、自信を取り戻した様に笑い転げる「ゲギャハハハハハッ、そうだ、そうだこいつらは、あの制限だらけの星、住んでる者達は霊力も知らない、雑魚極まりない者達ばかり、ゲギャハハハハハッギャハハハ、闇の主が目覚めたら宇宙の法が変わるから、あの星で好き放題できるぜ」
「フッ クハハハハハッ」笑いだしたのは神井
「何が可笑しいんだ?小僧」
「先程力の差を見せつけてまだ分からないとは、豚の分際でごちゃごちゃわめくな、見てみろよお前の腑抜けた兵隊を」
「なにっ」
倒れてるオーグの兵士を見て、オーグの隊長は怒り狂い出す
「貴様こんな奴らに負けたのか、おまえ達、この倒れた者を喰っちまえ」
「ブギャッ、ブギャッ」
驚くタケル「嘘だろ……なんだよこいつら、喰っちまえって?仲間だろ」
「図体のでかい貴様、隊長とか言ったな、人間を侮辱するのは構わんが、俺を侮辱するのは許さん」
神井が腕を振り下ろそうとした瞬間、北條が止める。
ザンッ
「神井君、私の前でむやみに殺生はさせません。私が教える力は、生き物の命を奪う為ではないんですからね」
ブワゥン 空気に何かが通った音がする。
直後、倒れてるオーグの周りに透明な霊気の膜が張られていた。
それは北條の作った結界。
「なんだ人間、何故うちの兵を守る?それに奇妙な技を使うな」
「霊力は様々な形で表現出来ます、今のは結界壁です」
「結界壁?何だそれは、俺たちはそんなものは使わなくても生まれつき備わった腕力がある、守りなど必要ないのだ、死ね、地球人共」オーグの隊長は片腕を振り上げた後、ピクリとも動かなくなった。
驚いたのはタケル、神井。
圧倒的な北條の霊力をその目にして思う、やっぱりこの人は只者じゃない、霊力をここまで使いこなせるなんて。
自分が霊力を学び始めた今、北條さんがどれほど凄いのかが分かる。
「なんだ?身体が動かない」
「一つ聞きましょう、この小人の惑星ペドループで一体何が起こってるのでしょうか?」
「わっ、分かった言うスカルだ、クリスタルスカル」
「クリスタルスカル?」タケルはどこかで、その名前を聞いた事がある様な感じがした。
「なる程、スカルの奪い合いですか」
「北條さん、なんかその名前聞いた事ある様な、無い様な」
「地球ではオーパーツと呼ばれてましたね、簡単に言ったらエネルギー増幅装置の役割を果たす物です」
「あっ、そうか。オカルトの本かなんかで見たことあるんだ、あのクリスタルで出来た頭蓋骨の形の」
「あれは確かに偉大なアイテムだぜ、地球の人間が唯一宇宙に残した偉大な物だ」
「地球の人間?」
「スカルは過去人間によって生み出されたんです、詳しい話は今は省きましょう、聞きたいのはこっからです、スカルを奪い、あなた方は何を企んでいるのでしょう?」
「そんな事は俺みたいな下っ端は知らねえよ、俺たちの星の者は宇宙に散らばった13のスカルを集めろと言われてるんだ」
「なる程、仲間を平気で食べる様な者達の手にスカルを渡す訳にはいきませんね」
闇の主の意識が目覚めたら自分たちの命も危ない筈、スカルの力で自分たちを守ろうとでもしてるのでしょうか?
それとも闇の主にスカルで対向しようとしてるのか?
真意は分かりませんが、スカルは本来平和を愛すペドループの者達に預けられ代々守られてきたもの、闇の主が目覚めかけ、宇宙の法が崩れてきてる今を狙い、早速事件が起こり始めましたか、正直、今は私も地球で手一杯なんですけどねぇ…
「あの遺跡の中にスカルがあるみたいですね」
北條はオーグの隊長を見つめる。
「ゲギャハハハハハッやめとけ、あの中じゃ宇宙連合の隊長クラスと俺たちの星のボス達がドンパチしてんだ貴様らじゃ即死だぜ」
その瞬間オーグ達全員が一斉に地面に倒れた。
「少し眠ってもらいました、さて行きましょう、二人共修行再開です」
その頃、遺跡付近では。
「ウーーっ、なんでこんな大変な任務になってるウキかぁ〜、本当だったらバカンスでビーチに寝そべって、大好きなバナナを食べまくってたウキ〜」
「全く、この宇宙が大変な時にペレーお前って奴は」
「良く言うウキ、ジョーだって彼女のベラルーミちゃんとデートだって言ってたウキよ」
「ばっ、ばか、こんなとこでその話はよせ、隊長に聞かれたら大変だ」
「隊長も今は遺跡の中で忙しくて、テレパシー能力使ってないから大丈夫ウキ」
「隊長も無駄な力を使わず霊力の消耗を防いでるんだな、全くあの隊長がそんな事する相手と戦わなきゃいけないなんて、本当大変な事になってきたな」
「しかも、ペドループに連合の隊長二人も来てるんだから凄い事ウキ、こんなの平和な宇宙で今まで無かったウキ」
「少なくとも俺たちが生まれてからはな、あーあ、争いは嫌だぜ、平和が良い」
「同感ウキ」
「ところでよペレー、お前知ってたか?さっきホルロ隊長からのテレパシー受け取っただろ?」
「え?何ウキか?バナナ雑誌に夢中で気づかなかったウキ」
「またあの雑誌読んでんのか、猿の惑星で大流行してる宇宙中の珍しいバナナが掲載されるあの週刊誌」
「一日中眺めてても飽きないウキ〜」
「ならこの話聞いたらお前は喜ぶんじゃないか」
「光堂さんがこの星に向かってる」
「ほほほほほほほ本当〜〜ウキかあ〜〜っ」
「ああ今向かってる最中だ、あの人は本当にすげぇ、俺の憧れの人だ」
「そうだったウキか、でもペレー様はもっと凄いウキ」
「まあ、確かにペレーあんたもだな、あんたらのチームは最高だったよ、宇宙連合の中でも数々の業績を残した、救われた星は数知れず、多村さんに、酒飲みのマサさん、それにマナさん、かーっ、あの人は本当に可愛いかったなぁ、でも、あの事件であんた達のチームが解散するって聞いた時は信じられなかった」
その時だった二人の表情が変わる
「隊長からのテレパシーウキ」
「ペレー、ジョー聞いてるか」
「はいっ」
「遺跡の中は罠だらけ、それは構わんのだが迷宮でスカルに辿り着けそうにない、やはりペドループの者達の忠告を聞くべきだった」
「て事は」
「そうだ五人の小人達を探し出し、至急遺跡の中のスカルを目指せ、俺もそれまでスカルを探している、と言うより戦ってると言ったほうが良いな」
ズガアアアアンッ
隊長の背後で聞こえる、激しい音がテレパシーから伝わってくる。
「隊長」
ペレーとジョーは顔を見合わせた
「マジか、俺たちあの中行くの」
「絶対行きたくないウキ〜〜〜」
ヒュオオオオ〜〜
タケル、神井、北條は遺跡に向かっている途中に、奇妙な風景を前に足を止める。
「何だよここ」
驚く二人の瞳に映るもの、それは何もかもが小さな村
〜 アンブラインドワールド 〜




