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私の世界
赤く燃える炎。次々と倒れる建物。
この目の前の光景は現実なのだろうか。
炎の中で叫ぶ人々の声はいつの間にか消えていた。
つい昨日までこの街は…。
私は地面に膝を落とした。意識なしに流れる涙は止まらない。
「全部…私のせいだ。」
もうこの街に私以外誰もいない。生きているのは私だけ。
こんな短い時間で人は呆気なく死んでいく、消えていくものなのか。信じがたい現実を受け入れるのはこんなに難しいものなのか。
「もう…なんだって…」
私はなんとか立ち上がり、炎の間を走り抜ける。
_痛い痛い痛い!!!
至る所の傷から痛みが走る。でも私にはどうすることも出来ない。こんな時、本来ならどうするべきなのだろう。
助けを求める人も、獣も居ないこの世界。
私一人ではどうすることも出来ないけど。
この責任は私一人で負わなければならない。
だったら…
私は、燃え盛る街の中で_
一人、倒れていた。