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僕が教師になるのを決断する訳がない!

 はぁ、結局車にあれよあれよと言う間に乗り込んでしまった、一体僕はどこにつれていかれるんだろうか?

 回りの景色を見ようにも窓が黒く塗られているので見ることはできない、高城さんに聞いてみたところ「お屋敷の場所についてはいくら龍太様でも教えることは出来ないんです、申し訳ございません」と、言われてしまったので諦めるしかなかった、て言うか教えられないって本当にどこにつれていかれるんだろう、物凄く不安になってきた。

 と、色々考えながら車にのっていると。

「龍太様、お屋敷に到着いたしました」

 いきなり高城さん話しかけられてビックリしてしまった、ずいぶんと集中して考え事をしていたようだ。

 僕がドアを開けて外に出ようとすると僕が開ける前に外側からドアが開けられた。

 取り敢えず外に出てみると高城さんと同じようなメイド服を着た人が開けてくれていた。

 そのまま前方を見てみるとドラマとかてしか見たことない超巨大な屋敷が建っていた、大きさはそこら辺の学校などより全然巨大だった、屋敷の前には大きな花壇と噴水がありここが日本じゃないみたいな錯覚が起こった。

 車の中からは僕に続いてリンと高城さんが降りてきて二人に連れられながら屋敷の玄関先まで来ていた。

高城さんが扉を開けてくれた、中にはいると床には赤い絨毯が引かれていて天井には大きなシャンデリアのような物がぶら下げられており壁には綺麗な絵画がかけられていた。

「ねーねー、お兄ちゃん早くいこうよ!」

 と、僕が余りの凄さに見とれているとリンからの催促がきてやっと正気に戻れた。

「ごめんごめん、それじゃあ行こうか」

 僕はリンに手を引かれながらさらに屋敷の中に足を踏み入れた。

「まずはお母さんの所に行くからね、お兄ちゃん」

「うん、案内してくれてありがとねリン」

 僕がそうリンに言うと少し照れたように。

「別にこれぐらいどーってことないよ、リンにかかればこれぐらいはらくしょーだよ」

「凄いしっかりしているね、リンは」

 頭を撫でながら言ってあげたらリンがとても嬉しそうに抱きついてきた。

 それにしてもこれからお母さんに会いに行くのか、やっぱり緊張するな。

 そんなことを考えながら歩いていたら一番に大きな扉の前に到着していた。

 高城さんがその扉を開けてくれたので、中に入ると大きなデスクと椅子、時計、少しの観葉植物が置いてあるだけどシンプルな部屋だった。

 さっきいた所より大分簡素な感じがした、まぁそれでも十分に凄いんだけど・・・、と考えていたら僕はあることに気がついた。

「あの、お母さんはどこにいるんですか?」

 そう、僕はお母さんに会いに来たのにそれらしき人の姿はどこにもなかった。

「マリア様はただいま一条様と再婚旅行に行っていますのでこの場にはいません、なので龍太様にはテレビ電話でマリア様と話していただきます」

 確かに親父が旅行にいくとか言っていたな、その他の事がインパクトが大きすぎてすっかり忘れてた。

「龍太様通話の準備が整いました」

 気が付けば部屋の中に大きなテレビがいつの間にか置いてあった。

「いつでも通話を開始できます、龍太様準備はよろしいでしょうか?」

 高城さんがそう聞いてきてくれた、お母さんの顔を見ながら話すのは本当に久しぶりだからかなり緊張していた、だが今は緊張よりも早く話したいと言う気持ちの方が強かった。

「はい、いつでも大丈夫です」

 高城さんがリモコンらしきものでスイッチを入れるとテレビの電源がついて映像が写し出された。

「久しぶりね、龍太」

 栗色の髪にリンとよく似た顔立ちに元気そうな目をしていた、リンが大きくなったらこうなりそうだなって思う。

「うん、久しぶりだねお母さん」

 少々ぎこちないながらもしっかりと挨拶は出来た。

「こうやって顔を見て話すのは久しぶりだけど私が見てない間に随分と立派になったわね」

 面と向かって立派になったって言われると少しの照れるな。

「いやいや、そんなに立派になってなんかいないよ」

「ふふ、そんなに大きくなったのだから立派になっているのよ」

「そんなものなのかな?」

「ええ、そうよ」

 やっぱりすごいぎこちないけど話はしっかりとできている。

「もっと長く話していたいけどあんまり長くは話せないの、だから本題にはいるわね」

 そこまで言うとさっきとはうってかわって真剣な顔になっていた。

「まず、こんな風に無理やりみたいな形で連れてきてしまってごめんなさい、リンもそうだけど私も龍太と一緒に住みたかったの、でもこれで龍太が本当に嫌でもすぐに家に返してくれって言うのだったらそれでも構わないと思っているのよ。」

 僕に問いかけるようにお母さんが見てきた、確かに最初はどこにいくかも何をやらされるかも心配だったけど、何故か今はすぐに帰りたいと言う選択肢は出てこなかった。

「ここにつれてくる前に電話で学校に就職とか言っていたけどそれの話を聞いてから結論を出そうかなって思う」

 そう言うとお母さんの顔が少しの緩くなって。

「わかった、もともと説明はするつもりだったから」

すると、また真剣な顔に戻り。

「もう一度言うけど私の家が待っている学校に就職しない?」

「まず、その学校ってお母さんが本当に持っているの?」

「ええ、そうよ」

なんてことないように答えた。

「でも、いくらお母さんが所有してるからって勝手に僕を教師なんかにしてもいいの?」

「大丈夫よ、その学校の理事長は私だしどのような教師を入れるかなどはすべて私に任されているから」

 うん、取り敢えず僕のお母さんはとんでもなく権力を持っているらしい、こんな簡単に僕のことを学校の教師にしようとしている人がこんなに権力を持っていても大丈夫なのだろうか?

 まぁ、そこら辺は色々大人の事情が絡んでくるんだな、そう納得しておこう。

「まぁ、学校のことはいいとして、もし僕を教師にできたとしても僕は人に教えられるほど勉強は出来ないよ、そこら辺はどうするの?」

「あぁ、その事ね

多分心配いらないと思うわよ、一様確認はするけど小学校の勉強内容はできるわね?」

「まぁ、流石にそれぐらいならできるけど」

 小学校の内容って足し算とか引き算とかそんなのでしょ、それなら教えられるぐらいにできるけど

「それができてもそれだけじゃ足りないでしょ?」

「いや、それだけできれば全く問題はないわ」

 どうやら僕が教えなくちゃいけないのは随分とお馬鹿な子を教えなくちゃいけないらしい。

「それで、ここまで説明はしたけどどうするの?」

 実際そんなに悪い話ではないと思う、あのまま普通に高校生をやっていてもしっかりと就職できるかもわからないし、だとしたら二つ返事で言うのが普通なんだろうけど、何故か僕はとてつもなく嫌な予感がした。

 すると今まで静かに待っていたリンが僕の服を掴んできてとても心配そうな顔で

「お兄ちゃん、帰っちゃうの?」

 と、いってきた

 もう、そんなに上目使いは反則でしょ。

「お母さん、僕は学校の教師として就職します、これからよろしくお願いします」

 するとお母さんは少しの安心したように顔を緩めて

「よかったわ、これから色々大変なことがあるかもしれないけど、よろしくね龍太」

「はい!」

 もしかしたらこれは僕の人生の中でとても大事な選択だったかもしれない、だけど僕はこの選択に全くの悔やみはなかった。

 そして、僕の後ろで跳び跳ねながら喜んでいるリンの前まで歩いていって。

「お兄ちゃん、お家に残ってくれるって言ってくれてありがとう!」

 そう元気な声で言ってきたので僕はそれに答えるように。

「うん、これからもよろしくね、リン」

 そう言いながら、僕はリンを抱き締めた。

「うわっ!」

 最初は驚いたようにしていたけど気づいたらリンの方から僕を強く抱き締めていた。

それからはお母さんに僕の近状報告をした。

 その話に一区切りが着いたとき

「そう言えば龍太、あなた源さんに武術を習っていたみたいじゃない、そっちの方はどうなの?」

「あぁ、その事か

最近は基礎トレーニングの筋トレと型を少しやるぐらいで全然組んだりはしてないね」

「そお、それをしっかりと続けていってね、もしかしたら使うことがあるかもしれないから」

「え、一体どこでこんなの使うの?

学校で生徒に教えるとか?」

「いえ、そう言うことではないのだけれど、まぁ使うことなんてほとんどあり得ませんし、気にしなくてもいいですわ」

 なんか、随分と歯切れが悪いけどまぁ本人が気にしなくても良いって言っているからいいか。

「う、うん

そう言うなら気にしないよ」

 そう言うとお母さんは僕の返事に少し頷き返して、チラッと時計を見た。

「あら、もうこんな時間だわ

こんなに長く話しちゃってごめんなさいね」

「いや、別に大丈夫だよ

僕もお母さんと話したかったし」

「ありがとう、そう言ってくれるとお母さんも嬉しいわ、それじゃあそろそろ切ろうかしら」

「うん、そうしようか」

「それじゃあ、またね

次は画面越しじゃなくて会ってお話しましょうね」

「うん、僕もその時を楽しみに待ってるよ

じゃあね、旅行楽しんでね」

「ありがとう、龍太も学校で色々大変でしょうけど頑張ってね」

 そう言ってお母さんは通話を終了しようしたところで止まった。

「そうだ、言い忘れてたわ」

「何を忘れてたの?」

「龍太、愛してるわ

まぁ、こんなこと私が言う権利なんてないと思うけど」

 申し訳無さそうにそう言った。

「ううん、そんなことないよ

僕もお母さんのこと愛してるよ」

 少し恥ずかしかったけど僕はお母さんのしっかり顔を見ながらそう言った。

 するとお母さんは嬉しそうに。

「ありがとう、龍太がこんなに優しい子に育ってくれて嬉しいわ、それじゃあ今度こそ本当に

じゃあね」

「うん、じゃあね」

 そう言うと今度こそ本当に通話が切られた、

これから僕が今まで経験したことない大変なことが起こるかも知れないけど、教師として頑張っていこう。

これからは不定期投稿に使用と思います。

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