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テレフォン (1977)――詩とか他作品へのリンクも楽しい!

まるっきり連想からの話で、まとまりなくてすみません

 テレビで観ました。非常に強烈な作品として、今でも心に刻み込まれていますわ。

「後催眠暗示」という語彙をこの映画で初めて知ったねー。

 このお話についてはネタバレ厳禁、という気も。

 米露の冷戦後について辿る内容としても興味深いし、ストーリー自体もとにかく面白い。

 チャールズ・ブロンソン主演というのも渋い。

 

 私はこの映画にかなり影響を受けたらしく、その後ジョン・フロストの詩集まで買ったよ。

 映画で取り上げられていた「雪の夕べに森のそばに立つ」という詩がまた素晴らしく、そのままの意味でも、暗喩としても心に沁みる作品であって。

 人生の疲れた時期に読むとまた感慨ひとしお。


 映画の中でも、この詩が非常に効果的に使われていたねえ。

 記憶を蘇らせる一文としても、まことピンポイントだった。


 後催眠暗示がテーマ、というとどうしても語らずにはいられないのが、刑事コロンボの中の一作。

『攻撃命令』という作品。これは正確には後催眠暗示ではないのだが、「薔薇のつぼみ」という一言で……という話がとても衝撃的だった。

 バラのつぼみ、は映画『市民ケーン』から取られたとのこと。

 確か映画もテレビで観たのだが、雪の中のソリシーンしか覚えていない……惜しいことだ。


 後催眠暗示、よくありそうなテーマではあるのだが、実際に攻撃として使えるかもしれないというところがまた怖い。

 昔読んだ本に『メディア・セックス』というのがあったが、そこでも近いテーマが色々と取り上げられていた。

 その中で印象的だったのが、映画『エクソシスト』で数々のサブリミナル効果が使われていた、という項。

 これについての真偽は追求していないが、あの映画がトラウマになったという人は周りにも数人いて、そのうち一人は確実にその映画を若い頃観たせいで今でも精神的苦痛に悩まされて精神科のお世話にもなっている、とのことで。

 たかが映画といえども、馬鹿にはできないものです。

 

 詩の話で少し。

 同じように詩から映画に、逆に映画から詩の世界に入った例としては、ネビル・シュートの『渚にて』を読んでそこに紹介されていたT.S.エリオットの詩もあったね。

 この詩も、また、引用されていた『渚にて』も素晴らしかった。グレゴリー・ペック主演の映画も原作の雰囲気を十分に活かした名作だったと記憶している。


 もう一作。『地獄の黙示録』では、確かオリジナルのコンラッド作『闇の奥』から「クルツはぁ、死んだだよ」という語でエリオットともつながり、この話は『市民ケーン』のオーソン・ウェルズもラジオ・ドラマとして計画していたらしく。 

 何だかぐるぐる回ってしまったけど、とにかく『テレフォン』けっこう面白かったよ! ということで結びのことばとさせていただきます!

後から思い出したのだが、この映画から『後催眠暗示』というものに非常に興味を持ち、自作でもひとつ、取り入れてみたものがありました。

弥勒の決死圏シリーズ中の『豚のしっぽ』という中編です。ちょっと宣伝でした、すみませんです。

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