☆ ちょい割込み3本――あの映画の名前を僕たちはまだ知らない?
突然ですが質問です。
アナタは、観た映画のタイトルをちゃんと覚えていますか?
私ゃね、たま~に忘れることがありまして。
ま、ここに挙げた三作は後から判ったのも含め、そんな『無名』の映画たちでやんす。
まずは映画館で観たにもかかわらず……の例。
中学か高校生の頃、友人が「映画のチケット当たった!」と誘ってくれて、ふたりでチャリこいで20キロ以上離れた映画館まで出かけたことがあった。
何の映画? とその友人に訊くと、覆面試写会だとのこと。友人にもどんな映画か見当がつかない、というので、不安になりながらもとりあえず観てみることに。
真っ暗になって、スクリーンに宣伝が映し出され、いよいよ本編……
荒波に岩。わー東映ですか。とまずここであんぐり。というのもなぜかずっと私らは洋画だと思いこんでいたので。
その後出てきたのは渋い場面の数々。時代的にもやや昔らしい、しかしいつ? この人たちは何? 誰? なんかケンカしてるぞ、うわエロい、ちょっと待てこの男はいつからそこにいた?
みたいな。
最初から最後までよく分からずに、それでもなぜか、渡瀬恒彦がメチャ渋い役だったという印象で帰ってきた。
私の中では急に渡瀬恒彦の株アップ的な(ただそれだけの)できごとだったね。
その時にはまるっきり邦画についての予備知識もなく口あんぐりのまま観流してしまっていたため、なんとタイトルまで度忘れしていたのですわ。
観た後しばらくは、友人とその映画の話になっても「あの渡瀬恒彦が渋かった炭鉱の映画」というのがタイトルの代わりでしたね。そしていつしか観たことすら忘れ……
それが五木寛之原作の『青春の門』(1981年)だったと知ったのは、ずいぶん年月が経ってからのことじゃった……うん、青春、だったのかな~?
次はTVで観たもの。
ずっと以前、パニック映画がやたら流行った頃のお話。夜中に一人でTVを観ていたらこんな映画をやっていたことがあった。
海洋汚染を調査していた学生が、行方不明事件の続発する海岸で恐るべき生物と出あう。それは人災によって凶暴化したバラクーダ(カマスの一種らしい)だった。彼は地元の保安官や可愛い彼女と力を合わせ謎を追い、徐々に真相に近づくが……
その時のタイトルがたぶん『バラクーダ』だったが、つい最近(5年くらい前)まで、実はその映画が実在したのかどうかが分らなくなっていたんですわ。
というのも、検索の仕方が悪かったのか検索エンジン自体あまりうまく働いていなかったのか、該当する映画がひっかからず、そのうちに探すのもあきらめていた時代が続いた。
それがですね、つい最近、この映画エッセイを書き出してからふと、
「今なら見つかるかも!」とはやる気持ちを抑えながら検索してみたところ、
ヒットしたのです!ヽ(^o^)丿
『呪われた毒々魚~人類滅亡の危機~』(1978年)というのが正式(?)なタイトルらしい。
英語のタイトルは『BARRACUDA BARRACUDA: THE LUCIFER PROJECT』
(データはallcinemaのサイトより引用)
後味のメッチャ悪い映画として覚えている方が多いというのも今回の検索で発見。よかった、アレは幻覚ではなかったんだー。
他の方のサイトやデータを見ていてまず知った事実いくつか。
有名な電子音楽家が音楽担当だったらしい。クラウス・シュルツ(シュルツェ)。ゆーちゅーぶでもいくつか聴けたので早速聴いてみた。うん、まさに電子音楽。しかし映画内で流れていたんだね……うんごめんなさい覚えてなかったよ。
主役のウェイン(またはミドルネームにデヴィッド)・クロフォード、この人はこの映画でも精力的に原案制作脚本監督やら八面六臂の活躍だったもよう。
その後もいくつもの映画で制作側や出演者として名前が残っている。残念ながら他に観たものがないんだけど、そこだけ集めて観ることができたら、ちょっと濃い体験になりそう。
これはまたいつか改めて観たい映画のうちの一本ですねえ。音楽もちゃんとチェックするからよー。許して。
ラストに、これは1990年より少し後、たまたまアエロフロートの機内で観た作品。
ロシアと他の国との合作映画だったと思う。タイトルが異様に長く、たぶん『ベオグラード』かそんな地名が入っていて、○○は晴れ、××は曇り、みたいなお天気を伝えるようなタイトルだった記憶がある。
内容はスパイもののアクションコメディ、らしく。男女ペア(ともう少し何人かいた?)が世界を股にかけ、画面狭しとばかりに追いつ追われつの大冒険だった。
なんだかやっていることが面白過ぎて、つい画面にくぎ付けになってしまったよ。
例えば……
ライオンから逃げるために主人公たちが居並ぶ巨大マトリョーシカの中に隠れるのだが、それをライオンに前脚ではたかれて転び、なぜか巨大マトリョーシカが次々と倒れ坂をゴロゴロと転がり落ちていく、というシーンとか。
飛行機に追われ車で逃げるシーンとか。他の映画でもありそうな状況だが、こちらのチェイスもなかなか真にせまっていた。
旅行中でテンションがおかしいというのもあっただろうが、妙にスケールがでかく、なぜか明るくすっとぼけていて、しかしどこかしょっぱい感じなのが、その当時のソ連崩壊から新生ロシアへと移り変わる雰囲気にぴったりという感じだったなあ。
当時機内でもらったリーフレットには確かにタイトルが書いてあったのだが、引っ越しの際にどこかにいってしまった。
これだけは今でもタイトルが分らず。うーん残念だあ。