やっぱまちがってんじゃん!!
だかしかし、ひとつだけ分からないことがある
「なぁ、犯罪者の定義ってなんなんだ?法律に反したってことじゃないんだろ?」
それだったら、みんな道路交通法とか全然守ってないし。天国すっからかんだよ
「はい、よくお分かりで。その辺の判断は、ここの長、死後の世界の番人が決めているとのことです。詳しくは私も聞かされていません」
地獄の番人ね、そりゃまた
「じゃあ、質問、俺ってなんの罪でつれてこらたの?実は、悪いことした記憶がないんだけど…………」
そういうと、無表情が少し代わりちょっと冷たい目になった
これは、あれだな。いるんですよねーそーゆーひと。ってやつだ
「いるんですよねーそーゆーひと。自分のこといいことしてるとか思っちゃって 」
ビンゴわらわら、女は悪態をつきながら、未だに俺の目の前にあるプレートと同じようなものをいじっている
「それは、何をしてるんですか?」
「あぁこれですか、これには、あなたの軌跡がつまっています。生まれてから死ぬまで、何をして来たのかすべてが記載されています」
そう言うと俺から目をはなし、プレートに向ける
「えーっと犯罪犯罪…………」
調べるのもちょっと苦労しそうだ。何せ10何年分あるんだ。もうちょい便利なものにすりゃいいのに
「犯罪犯罪…………」
まだ探してるのか
「はん……ざい、犯罪…………が、犯罪かまない!?」
ほれみろ、なかったじゃねーか
「ちょちょちょちょちょちょちょっ止まってください、いいい今すぐ上に聞いてきますから」
すると、女の姿が突如として消えた。死後の世界でも、したっぱは上司につかえているらしい。唐突にやることを失った俺は、横になることにした。これで目を覚ましたら、全部夢でしたとかなったりして…………。
閻魔様は女だった!!
その、衝撃的事実を伝えるために、あの後の話をしよう
しばらくして女が戻ってきた。寝るのは得意だったはずだが、横になって一睡もできないとは、ベッドがないせいかな?まぁなんにせよ、女が来たことに気づけたのはいいことだ
「お、お待たせしましたっ」
突如として現れたくせに汗だくに見える。いや、実際に汗はかいていなかったが
「で、どうだった?」
「それが…………長が直接お話になると」
「そうか、ならつれてってくれ」
簡単に答えたらちょっとジト目になって
やっぱり順応が早いです、と言うと
徐に俺をつかんできた
「じゃあ、いきますからね」
そして、目にしたのが、いかにも私長ですっといった風貌の女ーーー地獄の長ということで閻魔様と呼ぶことにしたがーーーであったというわけだ。
「そなたが、罪なきものか」
その声はちょっと怖かった。大声でもないのに、大気が震えるようで、まるで威圧されているみたいだった
「あぁ」
「そうか」
え、終わりっ?なんかないの、お詫びとかお詫びとか謝罪とか!!
「すまぬが、妾には、何もできぬ、そなたが、考えているような生き返らせるということは、できんのだ」
いや、かんがえてないですケド?
「そもそも、妾は、死人を罪人かそうでないか見極め、罪人なら下に、そうでないなら上につれていくといったことしかできん」
下は地獄上は、天国って感じか。いい機会だしこいつに色々聞いてみるか
「なぁ、おれは、間違えられたってことでまちがいないんだよな?」
「あぁ、相違ない」
「そもそも、何で地獄なんて?」
「それは、罪人の魂は、転生させられぬからじゃ、いや、正確にはできることにはできるのじゃが、そうするとまた、罪人になってしまうから、やっていないというのが正しいが、無論、例外はある」
「じゃあ、ここではなにを?まさか、拷問…………とか?」
「うむ、それを説明すれば、妾の話したいこともそなたに分かろう」
「そもそも、ここ“下”というのは、罪人の魂を転生させるために存在しているのじゃ」
「え、でも、さっき」
「わかっておる、皆までいうな。それに、妾は、こうもいったぞ、例外はあると、これがその例外じゃ」
「だだし、転生するには、試練がある。まぁ当然じゃな。そのまま転生させるのであれば上とやってることが変わらんからな」
「その試練というのは?」
「冒険、探検、討伐、色々な言い方をするものがおる。そうじゃのそなたに分かるようにいうならば、迷宮探索がよいかよの?」
迷宮…………探索だと?