なんかまちがってんじゃね?
明晰夢、それは、夢のなかでこれは夢であるという認識があるもの、らしい?
なら、当然感覚もあるだろうに、どうやって確かめるのだろうか、はたまた、現実と夢がわからなくなっている人というのはそういうのを経験したからなのだろうか、まぁ今はものすごくどうでもいいことだ、いまの俺の状況に比べれば
見知らぬ空間、見知らぬ声、そして、見知らぬ女、恐怖である。下手したら叫び回って狂っていたかもしれない。
「聞こえてますよね?」
女が問いかける
「あぁ、あんたも捕まったのか?」
すると女は不思議な顔をして首をかしげると、一人であーと言い手をポンと叩くと話しかけてきた
「いえ、そうではありません、むしろ、あなたの認識では捕まえたがわになりますかね?」
はぁ?んなアホな。こんな子になにかできるわけ無かろうに
「そうですね、実際に見てもらった方が早いかもですね」
そう言って両手を前に出すと無表情のまま、えいっと意外と可愛らしい声を出した。その動作によって生まれた一枚のプレート、そこに写っていたのは、
紛れもないおれ自身だった
「これは、いや、これから何を察せというんだ?」
「あーもういいや、要するにあなたは、死人なんですよ」
物凄くめんどくさそうに言うっていうか、全然要されてないし、そもそも要す必要があることなんもいってないし、全く意味わからない
「ってことは、なんだここは、天国だってのか?」
「あーまぁ認識は近いですがちょっと違いますね。そもそも、死後の世界なんて名前をつける人は、居ませんし。まぁあなたたち風にいうなれば、ここは、残念ながら地獄ですね」
冗談をいったら、まさかよマジ返答。てか、表情が変わらないから嘘かホントか分からない。いや、まぁ全く信じてはいないが
でも、こんなところで話の腰を折っては進まないので理解してる風に続ける
「で、なんでおれは、そんな物騒なところにつれてこられてるんだ?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
表情は変わらず、声のトーンがあきれたといったものに変わる。そして、一息おいてこう言った
「あなたが罪人だからですよ」
オーケーオーケー大体わかった。要するに
俺は、何故かわからんがとりあえず死んで、罪人だったから、地獄につれてこられたと、ふむ、覚えがないな
「てゆーか、普通に信じるんですね、あんまりいないんですけど、死後の世界のしかも地獄につれてこられたなんて」
すみません、信じてません
「え、えぇまぁ」
ほらぁそーゆーこと言うから変な感じになったじゃん
「質問いいかな?」
「ええ、私に答えられる範囲なら何なりと」
じゃあ遠慮なくっと
「俺は、死んだんだね」
「ええ、まぁここに来る人にしては珍しいタイプの死に方でしたが」
「へぇ、どんな?」
「病院のベッドのうえですよ、まぁひどい病気にかかってたんだと思いますよ」
「ちょっとまて、それのどこが珍しいんだ?」
むしろ、この世のほとんどの人がそうだろうに
「ここに来る人は、等しく罪人ですよ?ほとんどが殺されてやって来ます。他にも、病死もありますが、病院でなんて珍し…………今調べたら、あなたが初めてでしたよ、全くどんな罪人なんでしょうか」
そーゆーことか、確かに犯罪者が病院でぬくぬくなんて…………いや、あるだろ?
それに、今調べたとか、どんな権限だよ
「じゃあ、ホントにここは、地獄なんだな」
「ええ、それに、あなたの記憶も戻り始めているはずです、差異はありませんよね?」
「あぁ」
そう、そうなのだ、話している最中、生前の記憶が流れるように頭にはいってきた。そして、思い出した。自分がどうなったのか、そして、認めざるを得なかった。ここが死後の世界であると。
確かに俺は、死んだ。