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砦のワルツ  作者: ゆう
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第1話 『裏切り』

第1話 『裏切り』


-2015年7月1日 AM 08:00-


ユウトの運転する車はエリア5への唯一の道センターゲート出口付近のパーキングに止まっていた。


ユウト『ここで明美と待ち合わせでいいんだよな?』


志穂『うん。でも、昨日から連絡取れなくて』


ユウト『明美はいろいろとヤバイルートから入って来るわけだからそれくらいの方が安心だ』


ユウト、志穂の幼馴染である明美はユウト達の住むエリア4を追放され、反逆罪に問われた″元″国民の集まるアンダースクエアに住んでいる。


テロ行為の過激化する2015年以前より、日本政府に楯突く人間を政府は反逆罪と称しアンダースクエアに集めた。


それは、日本を一部の権力者が思い通りに改変しようと動いたあからさまな″違憲″行為であった。


ユウト『それにしても明美の知り合いのゲーマー?だっけ?』


志穂『タケ君?』


ユウト『そうそう、タケ。』


ユウト『で、そのタケって奴は信用できるの?』


一瞬の間を置いて頷く。


志穂『……うん。大丈夫。』


志穂は赤裸々に含みを持たせて答えた。


ユウト『志穂がそう言うなら信用するけどさ。』


志穂 『……。』



-2015年7月1日 AM 08:09-


?『コンコンッ』


2人『…っ‼︎』


志穂『びっ、びっくりしたー!』


明美『みなさーんっ、起きてますかー!』


その手には避難訓練かと思わせるような拡声器が握られている。


ユウト『ばか!検閲のやつらがいるのになんで拡声器なんだよ!』


明美『ごめんごめんっ!面白いかなーと思って!』


明美はぺろっと舌をだす。


志穂『びっくりして頭ぶつけたよぅ…』


ユウト『それにしてもよくここまで来れたな』


明美『奴らアンダースクエアから規制前のCDとかDVDをエリア4に持ち込んで闇で売っててさ、うちはその手配してやってたのよ』


明美『だからうちも新鮮な水を貰いにちょくちょくエリア4には来てたわけ』


明美は自慢そうに腕を組んでいる。


ユウト『なるほどなあ。』


志穂『じゃあ以前ニュースになってた違法CDを売ってた業者も知り合い?』


明美『そうそう、あれは馬鹿みたいに店舗営業してた奴らだね』


ユウト『……』


ユウト『なら、そいつらにも感謝だな』


志穂&明美『???』


ユウト『だって、今日は違法CDの一斉摘発でほとんど警察も検閲官も出払ってるしな』


志穂『あ、それで今日にしたんだね!』


ユウト『ピンポーン!』


明美『さっすがあ!』


ユウト『それでさ、例のタケって奴は?』


志穂『確か明美の書いたプログラムをコンパイルしてくれたんでしょ?』


ユウト『タケが来なきゃUSBメモリも無いからまだ進めないな』


明美『…』


明美は黙っている…


志穂『どうかしたの?明美』


明美『……』


明美『ご…め…』


ユウト『ん?』


明美『ごめん……あいつ』


明美『……あいつ…犬だった』


明美『………』


明美『……』


明美『…』


その時3人を乗せた車を何百もの警官が取り囲んだ。



第1話 『裏切り』完

第2話 『トンネル』へ続く


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