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To‐Arms!!  作者: ほっけ
3/24

ep.2 《まあ、なんというかキャラクター制作?》

遅くなりました!

投稿します!


今回はタイトルの通り、キャラクター作成の内容になっています。


いつも通りの駄文ですが、お楽しみいただければ幸いです。

それでは、

『さあ、はじめようかッ!』






















《To‐Arms》を起動したオレの意識は周囲が青い、不思議な空間にあった。

 その空間の地面と思わしきところの中心には、スポットライトで当てられたような白い円形が描かれていた。

 そしてその空間にはオレの意識だけが存在し、ちゃんと見えているのに自分の身体は無い。

 なんと言えばいいのだろうか、立体三人称視点? 

 とにかく、不思議な感覚だ。

 ゲームを起動する前に読んだ説明書によると、この空間で全員が最初にアバターの設定を行うらしい。


『ようこそ、《To‐Arms》へ。ここではあなたの使うプレイヤーキャラクター。通称アバターの設定を行います。キーボードをご利用になりますか?脳内タイプができる方は使用しないことを推奨します』


 突然、機械めいた女性の声がどこからか聞こえてきたが、すぐにアナウンスとナビゲーターをするAIの声だと理解した。

 オレは脳内タイプができるのでNoを選択する。


『それでは最初にアバターについての説明を行います。プレイヤーが使うアバターは、現実世界に存在しているご自分の身体によってベースが決定します。性別の変更や大幅な身長、体重の変更、また体型の大幅な操作はできません。しかし、顔のパーツの変更は自由に行えます。しかし、リアルと違いすぎる場合、リアルに戻った後で違和感が残る可能性がありますので、ご注意ください。変更ができる最高範囲はガイドを表示しますので、それにしたがってカスタマイズしてください。それでは、身体スキャンを行います。思考を楽にして下さい』


 前にも説明したが、性別の変更や大幅な身長の変更は現実での生活に支障をきたすとして禁止されている。

 体重や体型の方は、出ているお腹を引っ込める程度には大丈夫だと聞いた。

 ちなみに、レベルの無いTAの世界ではどんな身長・体型であれ、大体全員の各種パラメータは均一になっている。

 それらはスキルや装備の変更、あるいは、ある特定の行動をしたプレイヤーに与えられる称号の恩恵を受ける事でしか変化しない。

 だが、一種のプレイヤースキル。反射神経や動体視力、運要素などは現実世界のものがそのまま反映されるらしい。

 まあ、これくらいは個人差があってもいいと思う。

 さて、言われたとおりにリラックスする。

 すると三秒ほどで『スキャンが完了しました』という声が聞こえた。


『次に容姿の変更に入ります。変更が終わったら完了を選択して下さい。……また、このアカウントには前回保存したキャラクターデータが存在します。読み込みをおこないますか?Yes/No』


 オレは迷わずYesを選択する。

 すると、『読み込みが完了しました』とアナウンスが響き、目の前に若い男性のアバターが現れた。

 男性、身長170cm後半、痩せマッチョ体型、黒い頭髪に瞳、整った顔立ち。完璧なイケメン青年の姿がそこにはあった。

 これが、一週間という膨大な時間をかけて作り上げたオレのアバターだ。

 正直、かっこいいと思う。

 友人もこれを見た時は、「お前……ここまでするか」と絶句していた。

 TAでは、サービス前の準備期間として、オフラインモードでのキャラクターカスタマイズができるようになっている。

 オレはその期間を最大限利用し、このアバターを作り上げた。

 だが、このアバターとオレの身長差は約30cm程ある。

 普通はシステム的にこんなことはできないはずだ。

 しかし、ゲーム開発者である満兄さんに貰ったコードを使った結果、ここまで身体を昇華できた。

 正直に言おう、チートを使ってしまったのは悪いと思っているが、大満足だ。

 このアバターでオレはVRの世界を満喫する気でいる。

 夢にまで見た男性の肉体、それがいよいよオレの物となるのだ。


 これ以上変更する点もないので完了を選択する。


『完了が選択されました。この作業は二度と行えませんがよろしいですか? Yes/No』


Yesを選択。


『アバターの容姿が決定しました。意識と結合します。……完了しました。ご確認ください』


 すると、一瞬目の前が光り、目の前の青年は消え、自分の身体がいきなり大きくなった感じがする。

 下を見てみるとそこには男性用のインナーをつけた痩せマッチョの男性の身体があった。

 青年男性特有のゴツゴツした両手を目の前に出し、グーパーするが問題ない。

 少し違和感があるくらいだ。

 歩いてみるが、少しバランスがとりにくいだけだ。いずれ慣れるだろう。


「あー、あー。うん見事に変わってるな」


 オレの口から発せられたのは、成人男性特有の低い声だった。

 現実のオレの声帯はどういうわけか成長による変声期の期間を知らないらしく、いつまでたっても甲高い声を発している。

 なので、自分の口からこのように低い声が出るのは少し感動だったりする。


『次へ』を選択する


『アバターの設定をすべて完了しました。次に、スキルの設定に移ります。初期で設定できるスキルは4個です。なお、《~使い》スキルを一つ以上取得する事を推奨します』


 目の前にズラッとスキルの一覧が表示される。

 とてつもない量だ。

 全て見るには何時間もかかるだろう。

 しかしオレは元々決めておいたスキルがあるので、検索エンジンで探し、取得する。

 ちなみに、《~使い》とは補助系スキルで、それを取得すると該当する武器を扱う時にサポートを受けられる。

 これによって、例えば《弓使い》をとった人が弓道をやったことの無い人でも、レベルさえ上がれば百発百中の天才弓兵になれるわけだ。


 ちなみにオレが選んだスキルは、《短剣使い》《罠使い》《回避強化》《存在感》だ。

 ……これを見て俺が何をしたいかわかるだろうか? 某モンスターをネコや仲間と共に狩っていくゲームをしたことがあればわかるかもしれない。

 いわゆる『片手剣罠職人』というものだ。

 《存在感》のスキル効果や、短剣の手数の多い攻撃でヘイトをとって敵の注意をこちらに寄せ、盾や回避を駆使して攻撃をさばき、敵が逃げそうになったら罠で足止めし、仲間と一緒に全力攻撃で仕留める。

 実際、魔物狩人ゲームでオレはこれに近いスキルを使い、ケイや穂花と一緒にモンスターを狩りまくっていた。

 4つのスキルを取り終わって確認し、完了を選択する……ん?


「なんだこのコマンド? コマンド名は……【ランダム】?」


 完了コマンドの一つ上に【ランダム】という、説明書には書かれていなかったコマンドがある。 

 そのコマンドの右端に【ヘルプ】を示す【?】コマンドがあったため、それを選択する。


「なになに……『取得可能の全初期スキルの中から、システム的にランダムでスキルを4個配布いたします! 何が配布されるかは選んでからのお楽しみ! でも、《~使い》系のスキルは必ず一つ選択されますよ! 中にはレアなスキルもあるかも……? まだ取得スキルが決まっていないならこれをチェック!!』……なんだこれ。こんなコマンド、ネットにも載ってなかったぞ」


 少し考える。

 例え、これを選択してハズレスキルを引いても、もう一回キャラを作り直せば問題なくね?

 ……というか正直試してみたい。

 オレの心の中では、ギャンブルの時のような高揚感が湧き上がっている。


「うーん、ケイには申しわけないけど、一回だけやってみようかな……よし、やろう」


 思いきって【ランダム】を選択する。


『【ランダム】が選択されました。これより全初期スキルの中からシステム的にランダムでスキルを四個選択します。……プレイヤーはすでにスキルを選択しています。【ランダム】を選択するとこれらのスキルの選択は解除されますがよろしいですか?Yes/No』


 Yesを選択する。


『それではこれから選考を開始しますが、この操作をすると初期取得スキルの選択はできなくなりますが、それでもよろしいですか?Yes/No』


 少し迷ったが、勢いに身を任せ、Yesを選択する。


『【ランダムコマンド】により、スキルを選択中…………四個のスキルを選出ました。これより先、スキルを取得するには特定アイテムが必要になります。ご注意ください。スキルを確認、反映しました。ご確認下さい』


・《素手使い》

・《魔物使い》

・《跳躍》

・《???》


 ……なんだこれ。

 《素手使い》はまあ、素手で戦うんだろうな。

 《魔物使い》ってあれか? 仲間になりたそうな目で見てくるモンスターを仲間にできるやつか? 

 次は《跳躍》? 跳べるようになるのか? たしかTAの中では普通にジャンプできるはずだけど。

 《???》に関しては見当もつかない。


『次に、初期装備を配布します。配布されるのは、《コスチューム》カテゴリーの《冒険の服》《冒険のズボン》《冒険の靴》と、初期装備の《初期のメイル》《初期のベルト》、そして取得したスキルの中の《~使い》に該当する武器です』


取得画面に

《冒険の服》を入手しました!

《冒険のズボン》を入手しました!

《冒険の靴》を入手しました!

《初期のメイル》を入手しました!

《初期のベルト》を入手しました!

と表示され、次に装備しますか? と出たのでYesを選択すると、オレはインナーだけの姿から服を着てズボンを履いた姿になった。

 そして、その服の上に胸当てとベルト、そして靴が装備される。その姿はいかにもビギナー、もしくは駆け出しの冒険者という感じだ。

  武器は? と思ったらアナウンスがあった。


『プレイヤーの取得スキルの中に配布武器に対応した《~使い》スキルが存在しなかったため、武器の配布は行われませんでした。次に初期アイテムを配布します。初期アイテムは永続アイテムである《アイテムポーチ》《剥ぎ取り用ナイフ》と、消費アイテムである《初心者用回復薬×3》です。』


再び取得画面に

《アイテムポーチ》を入手しました!

《剥ぎ取り用ナイフ》を入手しました!

《初心者用ポーション×3》を入手しました!

と表示された


『《アイテムポーチ》は、【プレイヤーメニュー】の中の【アイテムポーチ】を選択するか、「アイテムポーチを開く」と思えば開くようになっています。取得・購入したアイテムはこの中に保存され、メニュー操作で取り出し、収納ができます。《剥ぎ取り用ナイフ》は「剥ぎ取りを行う」と思った時に出現します。討伐したエネミーや特定条件を満たしたオブジェクトに《剥ぎ取り用ナイフ》を使用すると【剥ぎ取り作業】ができます。消費アイテムである《初心者用回復薬》は使うごとに所持数が減っていきますアイテムポーチから使うを選択し、オブジェクト化したそれを飲む事でアイテムが使用されたと判断されます。』


 まあ、《素手使い》に武器も何もないな。

 試しに『アイテムポーチを開く』と思うと、目の前に半透明のホログラムが表示され、タッチ操作できるようだった。

入っている《初心者用回復薬》を選択し、《使う》を選択すると、ホログラム 画面が消失し、目の前に丸底フラスコのような透明の瓶とそれに入った青色の液体が出現した。

 それを手で掴むと実体化し、飲むことができるようだった。

 また、回復薬を持っている状態で、「アイテムボックスにしまう」と思うと回復薬が消えた。


『また、各種アイテムの詳しい使用方法はログイン後の【ヘルプ】で確認して下さい。これで装備及びアイテムの配布を終了します。最後にプレイヤーネームを入力して下さい。プレイヤーネームは他のプレイヤーと同一にすることができませんのでご注意ください』


 つまり、このTAの世界には同名の人物は存在しないようになっているのだ。

「ようやくキャラ名か。『リュウキ』っと」

 入力画面に『リュウキ』と入力して決定を選択する。

 なぜこんな名前にしたか? 簡単だ。

 かっこいいと思ったからだ! ……おい、今笑ったやつ後で殴るぞ?

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』

 おっと、すでに使われていたらしい。

 まあ、ありきたりな名前だとこうなるか。

 だが、こうなることも想定していくつか考えてきてるんだ!


「リュウト」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』

「クウガ」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』

「カイン」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』

「エゼル」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』

「セフィロス」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』


 ……我が軍が全滅……だと? もう適当でいいや。


「ああああ」

『入力したプレイヤーネームはすでに使用されています』


 これは予想外だった。

 いるんだな、こんな名前にするやつ。

 どうしよう、今まで考えてきた名前は全部つぶされたし、もう思いつかない。


「いいや、いつもので。別に本名ってわけじゃないし。……『ルナ』っと」


《ネーム『ルナ』。被りがございません、使用できます。これでよろしいですかYes/No》


 ありきたりな名前だが、意外にもかぶりがなかったことに驚きつつもYesを選択する。

 すると再びアナウンスが入る。


『以上でアバター設定をすべて完了します。ここで決定した設定は今後変更できません。確認後、《To‐Arms》をオンラインモードにし、ゲームを開始します』


「さてと、とりあえずは二人と合流しなきゃだな」


 そう思いつつ確認を選択した。それと同時に体が消え、視界が白く染まっていく。




 その時のオレ秋庭穂月、いや、『ルナ』は知らなかった。

 行った先であんなことが起こるなんて。





























ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?

いつも通り、皆様からの感想を募集しています!


……え? ゲームの開始はまだなのか?

前回の告知?


その件に関しては、準備期間もちゃんと書きたかったので、もう少しお待ちください。

……というか、このままいくと戦闘シーンのカットがいつ入るかがわかりません。

できるだけ早く入れるつもりなのですが……この小説はどちらかというと、バトルものよりは日常ものの方が、しっくりくるかもしれません(笑)


それはさておき、ありがとうございました。

よろしければ活動報告のほうも見てくださいね!

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