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To‐Arms!!  作者: ほっけ
20/24

ep.19《「俺に任せて先に行け!」→「…………うわぁ」》

おはこんばんにちは、お久しぶりです、ほっけです。

みなさま、この作品を覚えてくださっていますでしょうか?


 スランプと言うか、書こうという気が起きず、新作に手を出して自没したり、勉強もあり、なんだかんだで半年……。

 その間たまにアクセス数を見て、書かなきゃという使命感と、何とも言えない罪悪感でした。


 書き始めると本当に速いんですけどね。

 書くまでが遠いのです。

 そういうことって、あるよなぁ……?


感想、ご意見、メッセージ、お気に入り、評価!

随時募集しております!


~sideルナ~



「久しぶりに滾ってきたなぁ……。さぁ、始めようか!!」


「「「「「ゲギャギャギャギャギャ!!」」」」」


 迫ってくるゴブリンの大群、後ろには大切な友人と妹、そして要人(クエスト対象)

 フラグではない、決してフラグではないが、それでも守らなければならない。


「ルー、後ろは気にしないで『敵を攻撃して』!」

「……ヴォウ!」


 オレの掛け声に呼応するように一吠えした後、ルーは【ウルフファング】を発動しながらゴブリンの大軍めがけて飛びかかった。

 洞窟の低い天井ギリギリまで飛びあがってからの、急降下攻撃。

 さすがにゴブリンたちは急に目の前に現れた敵の存在に驚いたのか飛びかかってくる白いオオカミを見上げ、そして……最初の一体がオオカミの牙によって倒れ伏した。


「なるほど、《獣使い》の技、【号令】。こういう風にして使うのか」


 俺が発した特殊な言葉、これはその言葉を意識して発するだけで、テイムエネミーに特定の行動を指示することができる、【号令】という技。

 実際に使ったのはこれが初めてだが、ルーは俺の号令通り、敵を攻撃してくれている。

 ニークの話では、プライドが高く、負けず嫌いなテイムエネミーを見殺しにしないように、一旦引かせる、というような使い方もあるらしい。


 ただし、この技は比較的低いレベルで取得できるのだが、成功確率はテイムエネミーとの友好度によって決定する。

 正直、ルーと出会ってからの生活で相性が良くなっているか不安だったが、オレもルーのことは信頼できているので、向こうもオレのことは信頼してくれているものだと信じたい。

 ちなみにルーとはしょっちゅう会話(?)するし、【号令】ではなくともオレの言葉を理解できるくらいに、知能レベルは高い。


「ゲギャギャ!」

「お、抜けてきたな」


 オレの目の前に走り出てくるゴブリン。

 ルーの攻撃に当たらず、ルーに注目しなかったエネミーがこうやって漏れてくるのは仕方のなきことだ。

 それでもルーは10体ほどのエネミーを引き寄せ、それが壁になって奥のゴブリンたちが出てこれなくなっている。

 敵を利用して壁にするとは……でもあの状態だと袋叩きもいいところ。

 速く援護しないと。


「……フッ! ハァッ!」

「ゲ……ゲギャ……」


 ゴブリンに関しては今までの【草原フィールド】での戦闘で戦い方も安定している。

 数匹同時でもおそらく無傷で突破できると思う。

 敵の行動パターンから、攻撃の事前に取るモーションの隙をついて攻撃し、相手を一瞬怯ませて連撃。


「【パンチ】!」


 右手に光を宿し、そのまま相手にぶつける。

 この基本攻撃技も、《素手使い》を取得したときよりもダメージが上がっている。

 このようなスキルの付属技は、スキルレベルの上昇と共に連弩が上がっていく仕組みなのかもしれない。


「ゲギャァ……」


 壁まで吹っ飛んで、ぐったりしているゴブリンに近づき、その左腕を《掴む》。

 そしてそのまま勢いをつけ、ルーが戦っているゴブリンの集団めがけて思いっきり《投げる》。


「ゲ!?」「ゲギャギャ!」「ゲギャァ!」


 敵を取り囲んでいたはずが、後ろから攻撃されて、攻撃が当たったヤツは押し倒され、その周りは驚いている様子のゴブリンたち。

 見ているだけでも滑稽だが、その中心にいるルーのHPはすでに3割ほど減少している。

 同時に数体足元に横たわっているゴブリンを見るとさすがだとは思うが、攻撃している間にも別のゴブリンたちから囲まれて攻撃されているのだ。

 さすがのルーでも相応のダメージを負ってしまうのは仕方がない。


「じゃあ、突貫するしかないでしょ!」


 底上げしたAGI(俊敏)にものを言わせて、円状にルーを取り囲んでいるゴブリンたち、その先ほど《投擲》したゴブリンの影響でゆがんでいる位置に、突撃する。

 そして、一番近くにいたゴブリンに目標を定め、右手を腰溜めに構える。

 そして技のモーションを思い描くと、黄色のライトエフェクトが右手……いや、右腕全体を包み込み、発光することで準備完了を告げる。


「ルー! 『退却して』!!」

「!?」


 攻撃モーションに入ると同時に、ルーに【号令】を使って指示を出す。

 咄嗟のものだったが、ルーは俺の声に反応し、敵とオレの頭の上を飛び越えて、俺とスイッチチェンジするように後退した。

 それを目視で追いかけていたゴブリンたちは、着地するルーの代わりに目前に迫る新たな敵の存在を確認する。

 だが……もう遅い。


「【ウェーブ・スプレッド】!!」


 発動したその技は、《素手使い》がLv.50になった時に習得したものだ。

 今までの通常打撃攻撃に少しエフェクトが付いたようなものではなく、今回は明らかに技の効果に変化があった。

 発動し、敵の顔面を強打したその拳からは敵を貫くようにして、前方の平面放射状に黄色のライトエフェクトが広がった。


 直後、オレの拳が引き戻され、もう一度ゴブリンの顔面を貫き、そのライトエフェクトの範囲にいたゴブリン10体が、まるで『顔面にパンチを受けたかのように』吹き飛んだ。

 そして吹き飛んだうちの数体はそのまま動かなくなり、後方で待機していたゴブリンたちに倒れかかり、正面の場は騒然となった。


(……すげー威力だな。いや、威力はパンチと同じ程度か少し上くらい。でも、追加の波状全体攻撃とは……)


 オレの放った技、【ウェーブ・スプレッド】は、範囲内にいる敵に同時に攻撃できる特殊な技だ。

 複数同時技はかなり貴重なので、手に入れられたのは運がいいが、それらの技の共通点として「技後硬直・再使用可能(リキャスト)時間が長い」ということがある。

 「技後硬直」に関しては《素手使い》の技の共通点としてかなり減少されていると思うのだが、その代わりに厄介な点がある。


 敵に攻撃を「ヒット」させなければ「技の発動自体がキャンセル」されること(その場合でも技後硬直と再使用可能(リキャスト)時間は発生する)。

 さらに、攻撃範囲は『平面』放射状、しかも範囲内への攻撃は同時に一回のみなので、発動はしてもその後の攻撃がヒットしにくい。

 今回は障害物以外ではジャンプ行動をしないゴブリンで、しかも混乱に乗じた不意打ちのような状況が作り出せたために最高の攻撃となった。


 ちなみに、一撃で倒せたヤツ等はルーがすでにHPを削っていたヤツだ。


(今後は使うタイミング気を付けないと。まあ、とりあえず……)

「ルー、今回復させてあげるから」


 今まで前線で10体ものゴブリンから囲まれていたルーは、少なくないダメージを受けていた。

 1体数発で倒せるレベルには成長しているが、常に囲まれ続ける状況と、後続の絶えないゴブリンのせいだ。


 オレはアイテムポーチから〈T.E(テイムエネミー)ポーション〉を取り出し、ルーに振りかけることで使用する。

 全てかけ終わってから数秒で回復は完了し、HPは9割方回復している。


「ルー、もうちょっと頑張ってくれ。『敵を攻撃して』!」

「ヴォウ!」


 先ほどのオレの攻撃で吹き飛んできた仲間たちのせいで混乱し、その動かなくなった仲間につまずきながらも前進しようとするゴブリンに、再び白いオオカミが襲撃する。

 ルーにとらわれず、テイムエネミーのほとんどの攻撃パターンは決まっている。

 『通常攻撃』or『技攻撃』or『移動・回避(防御)』

 ルーの場合は、通常攻撃が爪による振り下ろし、薙ぎ払い。牙での噛みつき、全身を使った回転攻撃。

 技は【ウルフファング】などの攻撃技や【咆哮】などの行動阻害系まで。

 移動に関してはプレイヤーよりも早く、回避に関しても反応速度はかなり良い方だと思う。


(……あれ、ひょっとしてルーって結構強い?)


 今更感ではあるが、そもそもプレイヤーであるオレと比べてもかなり強いと思われるルーなのだが、弱点と言えばAIであることと、俺がいなければならないことくらいか?

 むしろ行動に制限があっても、結構な強キャラ臭が……。


(弱点でありつつも弱点じゃないような……。もういいや、考えるのをやめよう)


 テイムエネミーに強さ的に負けているのは何となく癪に障る。それでいて主従関係的には俺の方が上なのだ。

 改めて、強くならないと、と決心した。


「さて……と、オレも行きますか!」


 ルーがすでに突っ込み、数発の攻撃で敵を蹴散らしているところを見ながら、俺は両腕にライトエフェクトを纏わせて突撃していくのだった。




~~10分後~~


 

「え~い、え~いっ」

「ゲギャ!?」「ゲ……ギャ……」「ギャガ!?」


 数分後、オレの目の前に広がっていたのは、もはや悲惨としか言いようがない惨状だった。


 白いオオカミが敵を牽制、「数匹だけ」通過させてから技を放ち、ターゲットを自らに集中させる。

 その数匹は元々洞窟を進むことが目的なので、後方にいるオレのことをスル―しようとするが、そこに【ラウンドハウス(回し蹴り)】をたたき込み、怯ませてから【パンチ】を数発。

 倒れてしまう場合もあるが、残っている敵を敵陣に向かって投擲、同時にルーが【咆哮】を使って敵にスタン効果を付与。

 更に数撃ルーが攻撃している間に【ウェーブ・スプレッド】を準備、完了し次第攻撃開始、ルーはオレの横まで下がり、攻撃が終了した後、生き残っているゴブリンを掃討。

 オレも技後硬直が解け次第それに加わり、敵が陣形を立て直し始めたら剥ぎ取りをしてからポジションを取り直す。

 以下、ループ。


 そもそもこのイベントは襲撃イベントなのではなく、逃走イベント。

 つまり、目標であるクライアントのおじさんが捕まるか、逃げ切るかするまではこのイベントは終わらず、ゴブリンは無限に湧き続けるのだ。

 更に、クライアントのおじさんは逃げ切っても、連れているパーティメンバーが同行していなければ、ストーリーが進まず、停止するわけだ。


『発信者[K]

 おーい、ルナ、まだかー』


 ケイには先ほど連絡を入れ、もう少しで処理できるから逃げててくれと言っておいた。

 しかし、洞窟から出た時点でクライアントのおじさんは停止し、動かなくなってしまったため、身動きが取れないそうだ。おそらく俺が追いついて、ストーリーが進むのを待っているのだろう。


『発信者[ルナ]

 そんなに言うならどっちか来てみー』


 せっかく完成した、無限とも言っていい経験値トラップシステムを無駄にしてたまるか。ルーへの指示出しは大変だが、ゴブリン複数匹分の経験値を一気に取得できる。

 唯一の懸念材料である、自分たちが強くなることによる敵のレベルアップ=システムの崩壊はまだ起きていない。

 ならば、経験値ソースや狩場が限られているこの世界において最も優先されるレベリング、その最高効率を求められるこのシステムを壊すわけにはいかない。


 どうせ走れば1分かかるかという程度の洞窟なのだから、システムが続く限り利用して、限界で逃げるのが先決だろう。

 慣れてくるとほぼノーダメージで一巡できる。ルーもやるべきことは理解しているらしく、いい感じに注目を集め、スタンをかけてくれている。


 更に1巡ゴブリントラップシステムで経験値を回収したところで、ケイが顔を出した。


「お前、いつまでこんなところに……って、ゴブリン湧いてんじゃねーか!」

「まーまー。ちょっと見ててよ」

「……はぁ?」


 洞窟から湧き出て、体勢を立て直し始めるゴブリンを尻目に剥ぎ取り作業をするオレを見て、武器を構えて警戒した素振りを見せるケイを、オレは宥めてから所定の位置に戻る。


「ケイ、とりあえず何もしないで、見ててね」

「……」


 いかにも気に食わなそうな顔をしながらも、ケイは武器の構えを解く。

 その直後、数十匹のゴブリンが一気に体勢を立て直し、再び進撃を始める。


「ルー、『その場で待機』」


 慌てて構えるケイをジト目で見つめてから、棒立ちになり、ルーが数匹のゴブリンをスルーした瞬間、


「ルー、『敵を攻撃して』」

 

 ルーが攻撃を始め、即座に近くにいたゴブリンがルーを囲う。

 そして漏れたゴブリンたちが目前に迫った時、右足をひねって【ラウンドハウス】を発動。発動の過程の一回展の時にもダメージ判定はあるので、まとめてゴブリンを怯ませ、即座に殴ってから掴んで投げる。

 突如響くオオカミの【咆哮】、拳に力を溜めている間にオオカミによる蹂躙が始まる。


「ルー、『後退して』」


 オレの攻撃が当たる寸前、敵の頭上を飛び、オレの横まで後退するルー。直後炸裂する【ウェーブ・スプレッド】と、『攻撃して』の合図で再び始まる掃討。

 それにオレも加わり、また1巡が終わった。

 もはや作業ゲー。ルーに待機の合図を出してから、剥ぎ取りによる経験値とアイテムを回収して、元の場所に戻る。

 すると縺れていたゴブリンたちが、もがきながらも再び動き出そうと準備を始める。


「どう? 経験値トラップとしては効率いいと思うんだけど……ケイ?」


 オレが振り返ってそこにあったのは、どこか遠い目をしながら、ポカーンとその場を見ていたケイだった。

 そしてケイの口から洩れたのは、そのエネミーに対する配慮のなさへの嘆きと、敵とはいえ行動パターンと地形を利用されていとも簡単に殲滅されていくエネミーに対する同情を併せ持った、


「…………うわぁ」


……ため息だった。




 ありがとうございます。


 ( =□=)<…………うわぁ

 どんなゲームでもシステムとか、効率分担とか、するのはあまり好きじゃないんですけど、考えるのは好きなんですよね。

 発見は好きだけど、飽きっぽいっていう……。


 さて、前書きでも書かせていただきましたが、書くまでが遠いのです。

 (不定期更新タグ付けて良かった)


 書ければこれからも随時うpしていきたいと思っておりますので、読者の皆様、これからもよろしくお願いいたします。


 追記・ステータスに反映されるスキルによる自動レベルUPの恩恵は1種類まで。設定しなければなりません。そうでなければ、複数の《~使い》を持っているプレイヤーさんが強化されまくりんぐですからね。

 追記2・以前、キャラ設定を考案してくださった方がいらっしゃいました。お名前は伏せさせていただきますが、感謝です!


急募・書く気が起きる方法、段落の上手なやり方



ということで、ありがとうございます、次回もよろしくお願いいたします!

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