ep.16《樹海の中を迷走中》
おはようございます、こんにちは、こんばんは!
ほっけです。
前話では、初めて一日で1000PVを達成することができました!
このように多くの方に読まれているのを実感できると、とてもうれしいです!
ありがとうございます!
そして、総ユニーク数が2000を突破いたしました!
感謝の限りでございます!
今回も、作者の都合のため雑談が短めになっておりますが、最後までお読みになってくだされば幸いです!
そして、誤字・脱字のご指摘、ご意見ご感想は常時受け付けております!
それでは、どうぞ!
「……これで、15体目ぇ!!」
『キィッ!? キュ~……』
目の前の〔オオネズミ〕がノックダウンするのを確認してから、後ろから飛びかかって来たもう一匹の喉を掴み、攻撃を中断させつつ【グラップ】による継続ダメージを与えていく。
「しっかし何体いるんだよ、こいつら……」
『『『キキキキィッ!!』』』
目の前の一匹を倒したと思ったら、すぐに次のネズミが攻撃してくる。
そんな状態に陥ってすでに10分ほどが経過していた。
〔オオネズミ〕は、夜行性のエネミーで、時間帯が『夜』になるとポップし、行動を始める。
特徴は、夜目が異常なくらい効くことと、1パーティで最低5体の〔オオネズミ〕が付いてくるということだ。
しかし、現在オレの周りをグルッと囲っている〔オオネズミ〕の数は、目算でも20体。
すでに15体は倒してしまい、1体はオレが握っているので、少なくとも35体オーバーのマルチパーティだったようだ。
パーティは、プレイヤー・エネミーを問わず最大7人(体)となっている。
つまり、この大集団のネズミたちは最低6パーティ集まっていたということになる。
そんな中に突っ込んでしまうオレも相当不運なんだけどね。
初めて侵入したフィールドで、地形もよく把握していないままこいつ等と戦うのは少し難しかったが、さすがに一ヵ所でこれだけ戦っていると、自然とそのフィールドの特徴がわかってくる。
現在オレ達がいるのは、周囲がグルっと大きな森で囲まれていて、その中にぽっかりと空いている半径25メートルほどの円状の平原。
さすがに周囲に存在する森の中でこの数のエネミーを相手取るのは悪手だと考え、偶然見つけたこの小さな空き地に転がり込んだのだ。
まあ、相手が戦い慣れた〔オオネズミ〕だということと他の種類のエネミーたちが一緒にいなかったのが幸いして、ダメージはほとんど受けておらず、しかも〔オオネズミ〕はオレで数発、ルーは2発で撃破することが可能だ。
『ヴォウ!!』
お、ルーが更に1体撃破。
じゃあ、そろそろこっちも暴れますか!
「ふっ! せい! はぁっ!」
まずは、掴んでいたネズミを蔓延っている内の1体に投げつけ、ヒットと同時に駈け出して追撃を加える。
両手で【パンチ】を発動し、縺れ合って倒れている2体に向けて放つ。
さらにそのまま【グラップ】で掴み、継続ダメージを与え、【グラップ】の効果が切れそうになったら再び投擲し、他のネズミを巻き込んでゆく。
ルーは、ほとんど遊びのような感覚でネズミたちを狩っている。
爪で引き裂き、牙で食いちぎり、体に纏わりつくネズミを振り落して追撃する。
3日前の進化で大きくなった体は非常に便利なようで、重くなった体重でエネミーを押さえつけ、大きくなった口や爪で数匹同時にダメージを与えている。
攻撃範囲が伸びているのに攻撃速度は遅くなってないとか、ちょっとずるい。
オレの《素手使い》もレベルが上がって新技も習得できたけど、相変わらず与えられるダメージ量が少ないため、前途多難な戦闘を送る毎日だ。
(それでも大体はルーが倒してくれるから、楽ではあるんだけどね。……しかし、いくらなんでもレベルアップでのステータスの上昇値が低すぎると思うんだよなぁ)
仮に、そう仮に【素手使い】のレベルアップによるステータス上昇値の恩恵が少なかったとしても、プレイヤーレベルも上昇している現在でもエネミーを倒すのにかかる手数が減っていない。
むしろエネミー側もこちらに合わせてレベルが上昇するので、倒しにくくなっているという方が正しいのかもしれない。
しかし、通常のMMOやRPGでは、プレイヤーがレベルアップしていくごとに、相対的に敵は倒しやすくなっていくはずなのだ。
それでも逆にエネミーが強くなり、プレイヤー側が苦労するのはゲームとしてどうなのだろうか?
……まあ、やりがいはあると思うけどさ。
「……よし、これで……最後っ!」
『キュゥ……』
最後の1体のHPを全損させ、辺りを見渡すとドブネズミなんて目じゃないほどに大きなネズミがゴロゴロと横たわっている。
なんか、こういうのを見ると本当にファンタジーな世界だなと思う。
こんなネズミがリアルでいてたまるか! ……カピバラは別。
とりあえず剥ぎ取りを済ませ、現在探索を進めている【森フィールド】の上を歩き始める。
【森フィールド】はその名の通り、大きな『森』がフィールド内に存在し、フィールド内のやく8割の面積を占めている。
いまオレがいるのは、そんな森フィールドの中でも珍しい、木の少ない平原の部分。
そこで先ほどの〔オオネズミ〕との戦闘を繰り広げていたのである。
理由は先ほども説明したが、森の中はところどころに木の根が隆起し、また大木が行く手を阻む森林、そんなところで小型犬ほどの大きさのネズミを何十体も相手にとりたくなかったのだ。
とは言っても、目的が森の向こう側にある山なので、移動はどうしても森の中を通らなければならない。
フィールドに出たときにはまだ目視できた目的地は、現在では大樹に囲まれてしまっているせいで確認できない。
それでもフィールドは無制限に存在しているわけではないのでいつかは見つかるだろう。
「……でも、どうやって探せばいいんだよ。まあ、歩くしかないか……」
オレ達は夕方にフィールドに入り、現在では完全に日も落ちてしまっている。
頼りは手元のマップ機能と勘のみ。
最悪の場合、マッピングしつくしてから見つける羽目になるかもしれないが、目的がある以上、止めるわけにもいかない。
「まだはじめて1時間くらい……まだまだ頑張れる」
☆
……行けども行けどもあるのは『木』、『木』、『木』。
すでに辺りは真っ暗になり、月と星が漆黒の空に煌々と輝いている。
それを大きく生い茂った枝の合間から確認しつつ、探索すること3時間。
おばあさんたちには「今日は帰らない。」と言っておいたが、まさかこんなに長く森の中を歩き続けることになるとは思わなかった。
【森フィールド】で出現するエネミーの数は通常2種類、夜間1種類となっている。
その『通常2種類』というのが、デカい芋虫なのだ。
1体は名称〈ニードルワーム〉。その名の通り背中と額に大きな棘がたくさん生えている黄色い芋虫だ。
攻撃方法は突進と、身をくねらせて棘を振り回す技のみ。攻撃速度も遅く、予備動作もわかりやすい。
しかし、棘には【毒】が含まれていて、触れると一定確率で【毒】状態になってしまう。
オレやルーは基本、近接攻撃、しかも密接してからの0距離攻撃がほとんどなので、攻撃の際にエネミーの棘に触れてしまうとカウンターダメージを食らいながら、毒になる危険性も伴ってしまう。
かなり戦いにくい相手だったが、慣れてくると、その体をひっくり返しておなかを殴ることで簡単に倒すことができることがわかり、判明してからはその方法で安全に狩っている。
2体目は〈コクーンワーム〉。すでに『コクーン』なのか『ワーム』なのか分からないが、こちらは全身を硬い殻で覆った緑色の芋虫で、その表皮はとても固い。
その防御力もびっくりなのだが、攻撃方法がまたえげつないもので、口から糸を吐き、対象を絡めとって身動きを封じる。
そして、体当たりや全身を使って横に転がる攻撃で回避のできない攻撃を繰り出してくる。
最初はみごとにそのコンボにはまってしまい、大ダメージを受けてしまったが、動きは〈ニードルワーム〉よりも遅いため、しっかりと意識していれば十分に躱すことができ、弱点である口やお腹を殴るとすぐに倒すことができた。
遠距離攻撃を持っていて防御力が高い代わりに、HPは多くないらしい。
この2体の芋虫は基本単体で出現するため、突発的なエンカウントがない限りは楽に倒すことができる。
それでいて、回収できる経験値は〈ゴブリン〉2~3体分相当なのだから、ずいぶんと都合のいいエネミーだ。
エンカウント率が少ないのが難点かな。
夜間エネミーは【草原フィールド】と変わらず、〈オオネズミ〉。
しかし、木の根っこを器用に飛び越えて速度を落とさずに接近してくるため、速さで翻弄されると戦いにくくなってくる。
やはり地の利の差は大きいのだろう。
草原ほどの数のパーティで出現することはないので少し安心できる。
そんなこんなで、【森】特有のエネミー達と戦いながら歩みを進めているのだが、マッピング範囲が狭い上に目的地の見当もつかない。
今日一晩やって見つからなかったら、完全に笑いものだ。笑ってくれる人なんていないけど。
「……はぁ、最初の方は木が低かったから山脈も見えたのになー。これだけ深い森だとどうにも……せめて高台から一回見渡したいくらいなんだけど…………ん?」
(あれ、いまオレなんて言った? 高台から見渡す……あっ)
自分の発言に気づかされ、そして自分の発想力のなさに落胆しながら、いま思いついたことを整理する。
必要なものは『高い場所』。それも周囲の大樹よりも大きな。
そして、そこから見渡すことができれば現在地と、目的地も確認できるかもしれない。
その絶好のポイントと、スキルをオレは持ち合わせていたのだ。
「ルー、ちょっと待っててね……【ジャンプ】」
両足に力を込めながら膝を屈めることで、両足首が薄青に光る。
そのまま屈伸運動でジャンプをすると、3メートルほど飛びあがり、隣にあった木の枝に着地する。
《跳躍》スキルの技、【ジャンプ】は、このスキルの基本技能。
スキルのレベルが上がるごとに跳躍距離と安定性が増し、空中での行動もできるようになる。
デメリットは、一定高度より高い位置からの落下でシステム的にダメージを受けてしまうこと。つまり、自分のジャンプで飛び上がった後の、落下高度によってダメージを受けてしまうのだ。
このスキルが『ゴミスキル』と呼ばれる由来である。
しかし、高いところに飛び乗りたいのなら落下距離はほとんどないため、ダメージを受けることなく【ジャンプ】を使うことができる。
もう2度【ジャンプ】して、木の頂上あたりに着地する。
木より高い場所から見たいなら、その木に上ってしまえばよかったのだ。
すると、先ほどまで何も見えなかった視界が一気に開け、森の全貌を見ることができた。
一面が緑の絨毯で、夜空には月と星がきらめいている。
幻想的で綺麗な光景。しかし、そんな事に浸っている場合ではない。
「……マップによるとあっちが【ビギン】……お、あったあった。じゃあ、その逆側に…………よし、発見」
マップで方向を確認し、【ビギン】を目視した後、その反対側。エリアからフィールドに入った時、真正面に確認できた雄大な山脈を確認することができた。
あれらはあくまで背景、システムが定めた不可侵領域なのだが、その中でも一つだけ、プレイヤーが立ち入ることができる山が存在するらしい。
「つまり、背景である山々よりも着色がはっきりしている、『アレ』がそうっていうわけだ」
1つだけ赤茶色の着色がはっきりとしていて、その壁に開いた洞窟のうちの1つが微かに光っている。
あのぼんやりとした橙色の光は、おそらく〈ランタン〉系のアイテム。
つまり、プレイヤーかNPCがいる印である。
もちろん、夜も更けたこの環境で光源も持たずに周囲を見渡すことができるのは普通のプレイヤーでは不可能だ。
この行為が可能になるには《暗視》のスキルが必要になる。
オレは《暗視》は持っていないが、《視覚強化》というスキルを所持している。
これは《暗視》や《視力強化》などの『視覚』に作用する系統のスキルの効果をまとめたスキルで、特化していないので効力は落ちるものの、複数の効果を同時に使用することができる。
このスキルは『複合スキル』と呼ばれるものらしく、視覚に作用する系統のスキルを二種類、ある程度レベルを上げたうえで合成することで取得できるらしい。
オレの場合は《シークレットスキル》から派生したから、結構な分の〈スキルオーブ〉を得したことになる。
そんな《視覚強化》から、今回は《暗視》の効果で暗闇のあたりを見渡し、《視力強化》の効果で注目範囲をズームして確認したのだ。
目的地とその方向を確認した後、枝を伝ってダメージに気を付けながら地面に降り立った。
なぜもっと早くこの方法を思いつけなかったのか、とても悔しいが、まあ結果オーライ。
これからはこまめに現在地を確認しつつ、効率的に目的地を目指そう。
そしてそこで行儀よく待っていたルーと、その横に転がっている〈ニードルワーム〉の死体を確認して、剥ぎ取りを終えてから確認した方向に向かって歩き始める。
「お、〈スキルオーブ〉ゲット」
ちょっとした喜びもありつつ、森の奥へと踏み入ってゆく。
……オレが木登りしてた短時間で撃破とか、いくらなんでもルーが強すぎる気がします。
ありがとうございました!
それでは、短めではありますがいつも通りの雑談をご覧ください。
作者「今回は私情で短くなっておりますご了承ください」
ルナ「今回“も”じゃないのか?」
作「……本当に申し訳ないです」
ル「今回もいつも通り、興味のない方は一番下までスクロールをしてください!」
作「今回はこの作品のタイトルについての説明をするよ」
ル「それって普通は一番最初に、さらに言えばあらすじに書いておくようなことだよね?」
作「なんか今日のルナさん厳しくないですか?」
ル「オレはいつも通りだよー」
作「……はい、ということで、この作品のタイトル【To-Arms!!】についての説明をしたいと思います」
ル「【To-Arms!!】って英語だよね? なんて意味なの?」
作「ああ、グーグル先生によると、『戦闘準備!!』とかそういう意味らしいね」
ル「なるほどそれなら別に問題ないタイトルじゃないの?」
作「だけど、私がこの作品にタイトルを付けたときの意味としては、『武器をとれ!!』っていう意味だったんだよね」
ル「おい、ちょっと待て。主人公であるオレが武器を持っていないぞ?」
作「それにもちゃんと意味があってね。本当のこの作品の最初のタイトルは、『“武器をとれ”という名前のゲームの世界で、武器を取らなかった主人公』だったんだよ」
ル「わけわかんないタイトル名だね」
作「でしょ? だから、次に考えたストーリー内の【To-Arms】というゲーム名をそのままタイトルにしました」
ル「そういえば、10話らへんでタイトル変えたよね? あれは何の意味が?」
作「それに関しては、友人に『もう少し変化がほしい』っていうイラッ☆っとくるアドバイスをもらったので、ちょうど勢いも出したかったし、“!!”をつけることにしたのです」
ル「そんなアドバイスを出せる友人についても気になるところだけど、オレが武器を持てないのは初期設定からだったのか」
作「そうだね。最初の構想では、引き籠って商人魂を覚醒させるっていうのもあったんだけど、やっぱり戦わせたかったのがあったから、絶望的状況からのデスゲームソロプレイ生活っていう形になりました」
ル「そういえば、最初ヒューズが『死んだらそのまま』とか言ってたけど、実際どうなんだ? 普段オレだけの描写が多いからよくわからん」
作「正確には、『死んだらリアルでも死んでしまう可能性がある』だね。現状ではネタバレ感あるからあまり言えないけど、元々ゲーム【To-Arms】では、脳に想定外の負荷がかかった場合、強制的にログアウトさせてしまうシステムが導入されていたんだよ。そんな世界で、ダメージ=肉体的苦痛という設定、精神的にも疲弊してしまったら、脳に相当の負荷がかかるでしょ?」
ル「つまり、そのシステムが定めた範囲に引っかかってしまったらっていうことか」
作「まあHP全損によるGAME OVER、およびそれに適用される痛みにプレイヤーの脳が耐えられるのかっていう問題だからね」
ル「なるほど。じゃあ、リスポーンの可能性もあるんだな」
作「さあ? それはこれからのお楽しみですよー」
ル「……さて、今回は短いけどここまでかな」
作「申し訳ありません。次話をお楽しみにしていてくだされば幸いです」
ル「誤字・脱字のご指摘、ご意見ご感想は常時受け付けています! どうぞご遠慮なく送り付けてください!」
ル「よし、それじゃあ……」
作「せーの……」
作・ル「ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!」




