ep3-3
「ぐうっ……卑怯じゃないですか? 三対一とは」
ひぃ生きてる!
「仕方ありません。愛の為に僕も本気で行きましょう」
上半身の服を破り捨てる二条城。
な、なんだ? 空気が変わったぞ?
「白雪、ノアちゃん。気をつけろ」
二人を庇うようにして前に出る。
「はああああああっ!!! 」
二条城が叫ぶとアスファルトに亀裂が走り、奴の周囲の物が衝撃波によって吹き飛ばされた。
「ふぅ」
「な、ななな、なんだあれ」
あれはまるで超サイy……
「……超絶化」
ノアちゃんも緊張したような表情で二条城を見ている。
「な、なんか髪の毛が逆立ってる上に金色になってるけど」
若干涙目になりつつ俺の後ろに隠れる白雪。俺だって恐いんだぞ。
「さぁ、邪魔者には消えてもらいましょうか」
二条城の姿が消えた。
「っ!! ……凛、これはまずい」
振り向くとノアちゃんと二条城が鍔迫り合いになっていた。え? いつの間に?
「へぇ! まだ僕に付いて来られるんですね」
余裕の表情の二条城。
「くっそ。このパクり野郎が! 」
ノアちゃんが後ろへ飛び退った瞬間に入れ替わりで俺が二条城に斬りかかる。
「ふんっ! 」
二条城が身体に力を込めたと思うとまたもや衝撃波が発生した。
「いでっ! 」
くっそー。なんだよあれ卑怯すぎるだろ。
「無駄ですよ。僕は1000年に一度の超サイyじゃなくて、超チキュウ人ですからね」
「いまポロっと元ネタの名前言いかけただろ」
「ふっ。なんのことやら」
って、こんなくだらないお喋りしてる場合じゃないぞ。
「はぁっ!! 」
やべっ! やっぱ速い!
「ふぬっ! ぬおおおおっ!! 」
咄嗟に防ぎ、がら空きの胴へ回し蹴りをお見舞いする。
「素晴らしい反応ですね。ですが、今の僕には効きません」
なんだよこの身体。ガッチガチじゃねえか。鉄でも蹴ったのかと思ったわ。
「こんな事だって出来ます」
二条城は蹴りが通じず、そのままの体勢で唖然としていた俺の脚を片手で掴んだ。
「おわわわわわ!? 」
すげぇ片手で男一人を持ち上げやがった! ってか感心してる場合じゃねえピンチだ!
「凛! 」
白雪が二条城の腕へ斬りかかるが
「白雪さん。大人しくしていましょうね」
「うきゃあ!? 」
デコピンされて吹っ飛んでいった。死んでないか心配だ。
「……しっ! 」
続いてノアちゃんが斬りかかる。ナイスタイミング!
「目障りですよ」
え、ちょっと待って? まさか俺でノアちゃんを攻撃するつもりじゃ
「おい二条城さすがにそれはやぱ」
俺の説得も虚しく俺の脚を掴む手に力が加わった。
「ぐほえっ!!!? 」
「……がふっ! でも、ちょっと幸……せ」
案の定ノアちゃんに思い切りぶつけられた俺。ちくしょうこの野郎……
「ふー。これでおしまいっと。あー疲れた」
二条城は元の姿に戻るとブロック塀に突っ込んで(@ @)←こんな顔になって伸びている白雪を担ぎ上げた。
「……おい。白雪を……放せ……」
くそ。立てない。
「ははは。僕は愛妻家だからね。どんな時でも白雪さんを手放すつもりは無いよ」
こ、このストーカー野郎……
「後日、二人で御両親に挨拶に伺うよ。今日は式場を見に行くんだ」
こいつの頭はどんだけお花畑なんだ……
「ま……待てよ! 」
もう俺には興味を無くしたのか一回も振り返ろうとせず歩いて行く二条城。
「おい二条城! おい!!! 」
あ、あ? なんだ? 白雪を追わなきゃいけないのに。意識が……