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蝉が泣いた

作者:

高校三年生。夏。


素麺の夏、アイスの夏、・・受験生の追い込みの夏。









「嗚呼・・・アイス食べたい・・」





私は母の勧めで夏期講習じごくに来ている。

まあ最初から真面目に授業なんて受ける気のない私はあくびを洩らしているわけだ。

ふと右を見るとメガネのいかにもガリ勉って感じの男が鉛筆を忙しそうにノートの上で走らせている。

ちらりと手の中のノートを盗み見ると、角ばった字がぎゅうぎゅう詰めになっていて、吐き気がした。

字って人の性格出るよな。うん。

左の席のやつは遅刻なのかサボタージュしたのか、空席だ。

興味の対象物が無くなったので、寝るとしよう。

外で蝉が元気に鳴いているが煩くて安眠できそうにないが。








目の前でゴリゴリ君アイスの包装に書いてあるゴリゴリ君とゴリゴリちゃんが不思議なダンスを踊って私にゴリゴリ君アイスを勧めてくる。

明らかにゴリゴリ君とゴリゴリちゃんはアニメの絵なのに、3D・・?

まあいい。据え膳食わぬは女の恥ですよね。いただきまー・・・




椅子を引く音がけたたましく私の耳に届いた。

と同時にすぐ目の前にあったゴリゴリ君が泡が弾けるように消えた。嗚呼、あと1cmだったのに。

音をした方を見ると、浅黒い肌で坊主頭の、これまたいかにも野球少年が立っていた。

もしかして一限目来なかったのは、部活の練習があったからとか・・?

思わず野球少年の全身を嘗め回すように観察する。

が、しかし、こいつは私からゴリゴリ君を奪ったやつだ!

嗚呼私のゴリゴリ君・・・。マイラブ・・、スウィートハート・・。

野球少年を睨み付けてから机に突っ伏して落ち込んでいると、隣から笑い声が聞こえてきた。

ちなみに左だ。左ってことは、野球少年だ・・・。いら。





「あのさ・・。えと、よだれ・・。」







野球少年は面白くて仕方がないけど、女の子相手に笑っちゃいけないっていうストッパーがかかっているのか、遠慮がちに笑っていた。

その笑顔に、私の中の何かが弾けた。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・コイツ、シメてやる・・・・・!!

















とかまあ第一印象がある意味お互い最悪の二人だった。

野球少年のようで実はサッカー少年だったコイツとはこの先長い付き合いになるのだが

このときの私はそんなこと知らないで、どうコイツに恥をかかせてやろうか数学の授業中作戦を練っていたわけだ。



誰からも相手にされない蝉の声が泣いている気がした。







夏期講習で始まる、友情とか恋のお話。


受験も追い込みの時期になって来たのでムズムズして書きました。

1時間クオリティなので、雑かもしれませんが・・なにやらスッキリした作者であります。

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