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23話「童貞は体を清めて、いざエッチな店へ!!―前編―」

 俺は報酬を受け取ってウキウキの気分で家に帰ると、三人がお尻を気にしながら俺に「おかえり」の言葉を言ってきてくれた。だが三人の様子を見るに、お尻の方はまだ筋肉が張っているようだった。


 俺はそんな三人を横目に報酬を机の上に置くと、パトリシアが一歩前に出て俺の方を見てきた。


「あのユウキ? 実に言いにくいのですが……。このお尻が治るまで当面の間はクエストとかは遠慮したいのですが……」


 パトリシアの言葉に後ろの方ではヴィクトリアとユリアがうんうんと力強く頷いている。

 まぁ俺としても季節的にそろそろクエストは難しいと思っていたので、それについては賛成だ。


「ああ、別に構わんぞ。それと受け取った報酬はここに置いておくからな」


 俺はそう言ってリビングを後にしようとすると、


「む、ユウキは昼食を食べないのか? もうすぐ出来上がるらしいぞ?」

「ええ、もうすぐで昼食出来ますけど……何処かに出掛けるんですか?」


 ユリアとヴィクトリアが横から不思議そうな表情をしながら声を掛けてきた。

 別に今からの用事は特にないのだが、明日の夜に備えて今から寝て鋭気を養っておこうと思っていたのだ。


「いや、出掛ける予定はないんだが……。実は昨日あんまり寝れてなくてな。それで今から寝直そうと思っていたんだ」

「なるほど。確かに薄いシート一枚を地面に敷いての雑魚寝は厳しかったからな。オレも昼食を食べたら寝直すとするか」


 俺はごく自然体を装って言葉を選んで言うと、ユリアは納得したのか俺から視線を外してそんな事を言っていた。


 そしてヴィクトリアが料理を皿に盛り付けながらニヤニヤした表情で俺を見てくると、


「とかなんとか言って実は、私達のお尻でムラムラして部屋で一人でする気じゃないんですか?」


 とても昼食時とは思えないほどに下ネタを言ってきやがった。


「む、ムラムラですって!! それに部屋で一人でするですって!?」 


 しかも何故かパトリシアはそれに過剰に反応してきて、椅子に座りながら顔を赤くさせると急に俺の方に指を向けながら言ってくる。

 着実にヴィクトリアのせいでパトリシアはお嬢様の気品を失っているように思える。


「……まったく、ユウキは本当に変態ですわね! あ、でも終わったらちゃんと手は洗って下さいましね?」

「お前の心配するとこはそこかよ。別に何もやましい事はしないぞ。本当に寝るだけだ」


 まぁ今日はしないだけで、明日はやましいことをしてくるんだけどな……ふへ、へへっ。

 ……さーてと、妙に勘の鋭いコイツらが気がつかない内に俺は自室に戻るとするかな。


「んじゃ、俺は寝るから後は任せる! おやすみ~」

「「「おやすみ~」」」


 俺はそのままリビングを出て自室へと戻ると、服を脱ぎ捨ててベッドに潜り込み明日の妄想をしながら眠りに就くことにした。





 

 そして窓から眩しい太陽光が突き抜けてくると、俺は自然と起き上がって欠伸をしながら時計を確認する。時刻は既にお昼の十二時頃のようだ。


「んー……寝て起きたらまた昼ってマジかよ。どうやら俺はあの後ガッツリと一日全部を使って寝ていたようだな。……そう思うと何か変に罪悪感が湧いてくるなぁ」


 この気持ちは休日を満喫しようと前日ウキウキで寝て、起きたらもう夕方だった頃の気持ちに近いだろう。アレは経験した者なら分かるが本当に悲しくなる。一日を全て無駄にしたわけだからな。

 

「だがまぁ幸いにも今回は夕方からの予定だから別に焦ることはないな。……しかし流石に女性と触れ合うのなら最低限のエチケットとして、風呂に入って身だしなみは整えとかないとなッ!」


 早速ベッドから降りるとクローゼットから一番高い服を取り出して、俺は風呂場へと向かった。


 今日この日を以て俺は大人の階段を登るのだ。

 ありがとうお母さんお父さん、俺異世界で大人になります。


 そして俺の大親友の美玖よ。

 共に童貞を守ろと誓い合った仲だがすまない。俺は先に逝くよ。


 だけど女子に異様にモテるお前の事だから、俺の知らないとこでとっくに童貞を卒業していることだろうな。…………本当に羨まけしからん! 畜生がッッ!!


「……っといかんいかん。親友の事で腹を立てていては小さい男になってしまうな。焦るな俺よ、今日は神聖なる卒業の日だ。一生に一度の日なのだ。しっかりと体を清めていかねばな」


 俺は風呂場に着くと服を脱ぎながら呟いた。そして風呂に入ると俺は体の隅々を入念に洗い上げた。最後の仕上げにヴィクトリアから絶対に使ってはいけないと言われている高級なシャンプーを使って準備はバッチリだ。


「よぉーーし全ては整ったッ!! 後は時が満ちるのを待つのみだ!」


 風呂に数分浸かって上がると、俺は少し高めな服を着てリビングへと向かう事にした。

 そう言えば昨日から何も食べていないのことに気が付いたのだ。


 このままでは腹が減って集中力が散漫になって何も出来なくなってしまいそうだ。


「うーむ、何か食べ物はないかな。ヴィクトリアの奴、作り置きとかしてくれていないのか?」


 俺はリビングに着くと直ぐに何か食べれる物がないかと、あちこちを探し始めた。

 すると冷蔵庫の中に何かメモ書きの紙切れと、料理が盛り付けられた皿が入っているのを発見した。


「おっと、これは一体なんだ?」


 メモ書きを掴んで内容を確認すると、そこにはヴィクトリアの文字で「パトリシアとユリアと私は暫く用事で出掛けますので、起きたらこれを食べといて下さい。帰りは夕方頃になります」と書かれていたのだ。


「ふむふむ……。何だろうな、これだけ見るとヴィクトリアは俺の親みたいに見えてくるな」


 だがこの内容を見るに三人は何処かに出掛けているらしい。通りでさっきから家が静かな訳だな。普段ならユリアの変な奇声が聞こえたりするのだが。


「まぁそんな事は良いか。今は腹を満たさねばな!」


 俺は冷蔵庫から料理が盛られた皿を取り出すと、そのまま電磁波ボックスに入れて温める。

 

 これは日本で言う所の電子レンジみたいなものだ。

 原理としてはボックスに付いているボタンを押すと、中にある電磁石が刺激されて電磁波を起こして対象物を温めるのだ。


 そして温め直した料理をボックスから取り出して一口頂くと、


「うむッ! うまぁぁい!!」


 流石は家事万能の女神ヴィクトリアだ。一日ぶりの食事は胃に染みる染みる。

 俺は直ぐに料理を平らげてしまうと、その後は夕方まで筋トレしたり良い感じのセリフを考えながら時を過ごした。


「……と、時は満ちたぞ。今から俺は大人の階段を登りに行くッ!」


 時刻は午後三時となりエリクとデニスが待っている約束の時間になると、俺は意を決して家を出て待ち合わせの噴水広場へと向かった。






「ようユウキ。やっと来たな!」

「遅いぞ! 俺達の戦いはまず列に勝つことだ!」

「ああ、すまない。ちょっと高鳴る衝動を抑えていてな」


 約束の噴水広場へと来ると、そこにはいつもの見知った顔ぶれが二人立っていた。

 周りにはカップル達がベンチ座りながらイチャイチャしていると言うのに……。


「じゃぁ早速向かうとするか!」

「「おうッ!!」」


 エリクの言葉に俺とデニスは大きな声で叫ぶと、周りのカップル達が変な者を見るような視線を向けてきたが知るかそんなもん。俺達はエッチな店に行くのだ。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「うーむ、やはり列は出来ているようだな。だけどこれぐらいの人数なら直ぐに入れそうだな」

「と言っても開店は夜の九時からだけどな」


 俺達はエッチな店へと足を運ぶとエリク達の言葉通りに、目の前にはむさ苦しい男達が数十人程並んでいるが確認できた。

 しかもその中にはギルドでいつも呑んでいる酒狂いの冒険者達を多数居ることが分かる。

 

 やはり考えることは皆同じという事だろう。


「ま、今はゆっくりと店が開店するまで待つしかないな。……あ、そうだ。暇つぶしに好きな女性のタイプと性癖を言い合おうぜ!」

「おっ。それ良いな。俺もユウキの好みとか知りたいぜ!」


 急にエリクがそんな事を言い出すと、デニスもそれに乗っかってきた。

 コイツらは俺の好きなタイプと性癖を知ってどうするつもりなのだろうか。

 

 ……だがこのまま寒い外での待機は堪える。

 仕方ないがここは二人の話に付き合って寒さを誤魔化すしか手はないだろうな。


「良いだろう。だが後悔するなよ! 俺の好きなタイプと性癖は常軌を逸しているからな!」

「「なんだと……!?」」


 その場でエリク達と性癖暴露大会が開催されると、俺達の話を聞いていたのか列に並んでいた他の男達も参加してきて、暴露大会は大規模なものへと変わっていった。

 

 そして変にノリが良いミストルの男達は次々と特殊性癖を暴露していくが、俺には一歩及ばないと言った所であった。

 

 ……それから時は過ぎて開店時間の夜九時になると、店の入口から一人の女性……いや、尻尾や羽が生えた女性が姿を現した。


「皆さん長らくお待たせ致しました! これより”異種族ラブラブ館”開店です!!」

「「「「うぉぉぉおお!!!」」」」


 その女性の開店という言葉と共に俺達は歓喜の叫びを上げると、列の先頭から順に中へと入っていく。

 やっと俺はこの寒い外から解放されて大人の世界に一歩近づけると思うと、体中が興奮して暑くなっていくのが分かる。


「さぁ次は俺達の番だ! 行くぞ同士達よッ!」

「「おうッ!!」」

 

 エリクが先陣を切って店の中へと入っていくと、俺達はその後ろを英雄を見守るが如く付いていき入店を果たす。

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