No.2 運、或いは使命
本日は主人公の誕生日なので(二回目)ゲリラ投稿!
◆ キャラクタークリエイト ◆【??の間】
「おー!ただただ真っ白!何もない!」
ログインして最初に居た場所は地の果てまで白く何もない空間だった。辺りを少し見て回っていると、どこからともなく人が現れる。赤い髪で背は低い。フリルの付いたミニスカートと黒と白を基調とした服……世に言う『ミニスカメイド』だ。
『こんにちは!サポートAIのアルと言います!此度は“&World”をプレイしして頂き誠にありがとうございます!キャラメイクの前に世界観の説明をしたいんだけど、いいですか?勿論、自分で探したいなら断っていただいて構いません!』
(世界観……変な先入観を持ちたくないしある程度自分で探したいし……、知らないほうが楽しめそうだな。最低限の情報だけ教えてくれたりってできるのか――――)
『わかっt……りました!最低限の情報だけでいいですか?』
「……へー?心が読めるんだー?それと敬語は馴れてないでしょ?無理に使わなくても大丈夫だよ?」
『えー!?いいの!?本当に大丈夫?主様にチクったりは……?「しないから大丈夫だよ」やったー!!ありがとう!!……それで、心が読めるかの話だったっけ?ふふーん♪そうなんだよ!凄いでしょ!心の全部は分かんないけど、ちょっとの権限は与えられてるからね!』
この子は重要そうな情報をこんなに話してしまって大丈夫なのだろうか?
もしかして:アホ
『よし!じゃあ基礎情報だね!この世界に降り立つ時は降り立つ場所を三つの国の王都から決めてもらうんだ!一つ目はガルディット皇国って言って、武力に精通してたり、完全な実力主義の国家だよ!皇帝も実力で決まるから皇帝を闇討ちするとかは考えないほうがいいよ!
二つ目はドルデマ秘国!世界で一番魔法、魔道具等の技術に精通している国だね!魔法を覚えて極めたいって人はこっちがおすすめだよ!
最後はグランテッド王国だよ。この国は生産術に特化してて〜、世界各地の武器や技術が集まっているね!錬金術や料理も盛んなので生産の全てが集まっていると言っても過言ではない!
この世界中でプレイヤーは“星渡の民”と呼ばれているよ!NPCの前でプレイヤーと言っても、”星渡の民”と変換されるからそっちは注意しなくても大丈夫!それと、元からこの世界にいる住人は、”星の守人”って呼ばれてるんだけど、NPCの前で個人の事を“NPC”って呼んじゃうと、好感度がちょっとずつ下がっていくから注意してね!これはどの世界でも共つ……おっと、今のは忘れて!まあ、個人を呼ぶ際は基本的には名前で読んであげるといいよ!
……以上が世界に降り立つ際の基本情報だね〜!その他気になることがあるなら質問していいよ〜!』
いくつか気になる発言が飛び出たけど……記憶の片隅に留めておこう。
「……じゃあ、その三カ国だけでも良いからさ、関係が悪い国はあったりする?」
『先程伝えた三カ国だと〜、皇国と秘国がいつ戦争してもおかしくない状況かな?王国はどっちにも武器や魔道具の媒介になるものを提供しているから、大体良好な関係だよ!』
「ふむふむ……ありがとう。そこだけでも知れてよかった。まあ、これ以上は自分で調べたいし、早速キャラメイクに入ってもいいかい?」
『は~い!キャラクターの外見はどうする?』
「あんまりいじらないつもりだけど……」
……とは言っても普段のゲームもリアモジュでやっていたりするし身バレはしやすそうだけど、髪の毛の長さとか色、目の色等をいじるだけで身バレしなかったり、実際今までで一度も身バレしたことは無いしな。それでも気づく人が見たら気づくので最低限に弄ったりはしている。
『……リアルモジュールでやってると、痛覚の最大開放量が上がるみたい!痛覚を多く開放すると良いことが沢山あるけど、この量まで開放しちゃうと実際とほとんど変わらなくなっちゃうから気をつけて!……って所だね!それで、キャラクターはどうする?』
「……髪色は銀髪のままで、腰まで行かないぐらいに伸ばそうかな。前髪の右側に黒のメッシュを入れてもらえる?……眼の色は碧がいいかな?少し背を伸ばして……っと、これ以上体型を弄ると操作感が下がりそうだし、こんなもんかな」
『リアルモジュールだけど大丈夫?リアルモジュールだと、個人情報として外部に漏らされたときに対応が難しくなっちゃうけど……』
「そこは大丈夫。こういうゲームをやってる以上身割れは仕方ないし!」
『何かあったら報告してくれれば対応するよ!……ということでお待ちかねの職業選択タイム〜!!』
初期から就職できる職業と、その職業の詳細が表示されている仮想パネルが現れる。戦師、魔術師、僧侶等といった、良くあるものから、鍛冶師等といった生産職、道化師や裁判官、代行者等といった見慣れないものまで、数多の職業が表示される。
『この中から三つの職業を選択してください!』
どうしよう……。面白そうなものが多過ぎる……。三個も選べるのか……対人戦では強く出られそうなものと、フィールド探索に使えそうなもの、最後の一つは……面白そうなやつか。お?この軍師っていうの、探知機能がついてるし、使い方によっては対人戦でも活かせそうか?何より面白そう!これはほぼ決まりとして……後二つはどうしようか……)
「ねえねえ、職業ってゲーム中は累計で三つまでしか就けないの?」
『ううん!特殊なイベントとかの報酬で職業を貰えたり、MVP級の活躍をすれば職業の枠をもらえることも有るよ!称号の効果でも増える事も有るみたいだね!後は二次職業化とかの時にも枠が貰えたりするよ!それでも、とっても貴重だからしっかり悩んで選択してほしいな!』
(なら……多少適当に選んでも……。侍とか執行者、暗殺系の職業も良い。まあ、やっぱり初期にするなら侍かな?もう一つは……)
「ねぇねぇ、この音楽家ってどんな職業?」
『えっと〜……?戦闘中に音楽を奏でると味方にバフ、敵にデバフと攻撃をするっていう……説明だけ聞いたら強そうなんだけど……使用者の実際の演奏スキルに効力が左右されちゃうから大抵弱い効果になっちゃうんだよね〜……。楽器も高いのに高品質なものを要求されるんだよ……。
戦闘中に演奏するなら焦るし、普通に使うなら僧侶のバフの方が強いんだよ〜……!そんなわけで使い手が全然居ないんだけど……。もちろん歌でも同じ効力が出るけど、やっぱり戦闘中だから効果が出にくいんだ……って、もしかして、就いてくれるの!?いやー、就いてくれる人が極端に少ないと職業ごと全部消えちゃって……まだ誰もついてない職業は音楽家含めて残り2個なんだよ……。職業限定のシナリオとかも完全に消えちゃうんだよねー……。もし就いてくれるなら音楽家のことを任せたいんだど……!』
説明を聞いてるとそこまでひどくは感じなかった。もちろん扱いは難しそうだし、突出した強さは感じないけど、使いこなせたら万能に戦えそう!昔のバカクソゲーにそんなのがあってやってたし、多分使いこなせる!……それに、そこまで言われるとこの職業で暴れまわりたくなる……!
「……取り敢えず就いてみようかなって。あと2つは軍師と侍かな」
『やった〜!!本当にありがとう!!じゃあじゃあメインディッシュの種族選びだよ!』
すると、僕の目の前に現在選べる種族が書かれている仮想パネルが現れる。そのパネルに目を通していると気になる一文を見つける。
「……この“ランダム”っていうのは?」
『スライムなどのプレイヤーがなれない種族も含めて全ての進化前の種族からランダムに選ばれるね!気に入らない種族だったら一回までリセットできるから、一回ならやってみて損はないかもしれないよ!』
それならやってみようか。やってみるだけならタダらしいし……
「じゃあ、ランダムで」
『は~い!……よっこいしょ!このガチャマシンでガチャをして出てきたやつが結果だよ?』
アルが取り出したのは、どこから現れたのかもわからない程巨大なガチャマシン。4mくらいか?めちゃめちゃ重そうなのに軽々と持ってきた。
「……まあ、気にすることじゃないか。それじゃ、もう回してもいいかい?」
『もっちろん!』
了承を得たので種族ガチャを回していく。良いのが出ますように……!
ガラガラ……ガラガラ……
回して出てきたのは真っ黒のカプセル。纏う雰囲気は禍々しく、それでいて心を引き付けるような不思議な感じがする。
『ん〜……?このカプセルの色、なんの色かな……?知らない色だなぁ……?』
「……カプセルの色は毎回違うの?」
「ううん?珍しい種族だと色が変わったりするんだけどね……?元々選べる種族とかかな?それなら相当運が悪いよ?」
まあ、その時ならその時で、運が悪かったなぁ……ってなるだけだし……。
「……さてさて、何だろうな〜?」
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◆種族詳細◆
名称:人?
説明:豺。縺上?∝シア縺上?∬ф縺??ゆココ縺ァ縺ゅj縺ェ縺後i莠コ縺ィ縺ッ縺九¢髮「繧後◆蟄伜惠縲よ棡縺溘@縺ヲ縲√◎繧後?譛ャ蠖薙↓蟄伜惠縺励※縺?◆縺ョ縺具シ溷?縺ヲ縺ッ遐ゆク翫?讌シ髢」縺ォ驕弱℃縺ェ縺??ょュ伜惠縺励※縺?↑縺後i蟷サ縺ァ縺ゅj縲∽ス戊??〒繧ゅ↑縺丈ス戊??↓繧ゅ↑繧後k閠??
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「ねぇねぇ……これって、なんて書いてあるかわかる?」
『……あ、あははは~……え〜っと……ちょっと教えられないやつかな〜?まさか、これも出るなんて知らなかったからさ……。』
「面白そうだし最低限使えるなら何でも良いから」
『勿論!面白い種族だよ?なにせこれは……おっと、ごめん!忘れて!あ、リセットはする?』
「しない」
『だよね〜!知ってた!』
リセットするか聞かれた僕はしないことを即答するが知っていたとばかりにアルは頷く。
『ささ、どこの国に降り立ちたい?本来、プレイヤーがなれない種族だから、特殊な場所にも降り立てるけど……?』
「特殊な場所……?」
『……うん。その人がなった種族の集落何だけど、その種族と相性がいい敵が沢山いるから本来なら人形じゃない種族のチュートリアル向けなんだけど……詳しくは言えないけど絶対におすすめはしないよ!本当に!』
まあ、気になるからそこに行ってみたいけど……、何がどう特殊なのかな?
『……え!?やめたほうがいいよ!?どうしても行きたいなら、少し補填はしとくけど、本当にやめたほうがいいよ!?』
「まあ、全力でやれば多分どうとでもなるし、大丈夫かな?」
『本当に……!?どうなっても知らないよ!?……むー、わかりましたから!ちゃんと送るから!』
アルちゃんは僕の決意が硬そうなのを見て反対することを諦めたようだ。
『……あ!そういえば名前を聞いてなかった!お姉ちゃんの名前は何?』
「……トロイ。これからもまた会うかもだしよろしく!」
『……トロイか!良い名前だね!それじゃ、この世界を十分に楽しんできてね〜!』
そう言って僕は何処とも知らない森へと投げ出されたのだった。
次回からようやく本番!!
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