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2 家族について
ワタシの家族は両親と姉兄妹の兄妹である。
父親は先生と呼ばれる職業に就いており、母親は専業主婦だった。ただ、両親共に共通して言えるのは、家に居る時間が少なかった。
母親がいない中で寝ることは不安で、恐怖もあり、母親の匂いのする衣類を抱いて寝ていたことを覚えている。
また、4人もいると忘れてしまうのか、誕生日プレゼントは貰った記憶がないし、「おめでとう」の言葉がけすらなかったと思う。
うちにはサンタクロースも来たことがない。
暖かい部屋で、綺麗な服を着て、ごはんが食べられて、『ワタシは不幸じゃない。淋しがってる方が悪いことだ。だから自分が悪いんだ』と考えていた。
物心ついた頃には『ワタシはきっとこの家の本当の子どもじゃないんだ。でなければもっと愛されるはずだ』と、自分の淋しさを埋めるように繕おうとしていた。
『ワタシは不幸じゃないんだ』と。