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私の抱える生きづらさ
1 初めて
初めて自傷行為をしたのは小学5年生のときだった。
剃刀で手の甲を無数に傷つけた。
何か嫌なことがあったのか、どうしてそんなことをしたのか今となっては思い出せない。
ただその時のワタシには、どこにもぶつけられない淋しさと怒りがあった。
手の甲の傷を母親に見つかったとき、咄嗟に「犬にやられた」と嘘をついた。母親は納得いかないという様子だったが、それ以上詮索されることはなかった。
ワタシ自身、その行為が良いことではないと分かっていた。
ただ、姉にその傷を見られた時「見えない位置にやりな」と言われたワタシは、「見えない位置ならやってもいいのか」と思ったことを覚えている。
自分が子どもを産んでから、『そうせざるを得ない状況もあったのだろうな』と、当時の両親のことを理解できることも増えた。
ただ、当時の私にとって家庭環境が精神に及ぼす影響はあまりにも大きく、常に不安と不満を抱えてきた。