天ぷらのぷらはプラス思考のぷら。
私はお婆ちゃんに天界の入り口まで飛ばされました。来た事があったんでしょう。入り口までは。それならワープが使えますから。
さっきの事は一瞬の出来事でした。一瞬でみんな死にました。私ってほんと気色悪いですよね。どこまで行っても自分の事を何も理解出来ていない。欲はあるんですけどね。他人に満たしてしてもらう器は大分前に、満たせる人が居ない事に絶望して勝手に壊して捨てちゃいました。みんなの器は私が簡単に満たせてあげられるんですけど、私自身が多分、みんなに満たせてもらおうと期待してないからなんでしょう。いい加減認めます。私は誰よりも可愛い顔で、誰よりも可愛い声で、誰よりも魅力的でついつい気になっちゃって無視出来ない存在です。変に真面目なのが良くないんでしょうね。もっと不真面目だったら楽だったんですけど。親友のおかげで多少マシにはなったんですけどね~。やっぱり、変わろうとしてるだけで根本的な部分は変われないと言う事なんでしょうね。それで普通は充分でも、理想を追い求めてしまうのが人間と言うものです。
さて、転生特典スキルもユニークスキルも、ロードレイグ家の加護が代を増やす毎にルートスキルへ変化していったのも、時間があれば使い物になった超級魔法とかのスキルも、お婆ちゃんの言う通り使えはします。今回の事でやっと自覚出来ました。私は才能だけで良くて、努力なんて必要ないんだと。でも今まで才能があるからと言ってサボってた分が返って来たみたいです。結局私はただただ才能に甘えるだけの無意味な天才だったんです。才能があって努力している人が一番凄いに決まってるんですが、自分では頑張ってるつもりでも、私の努力は一番になれないタイプの努力でした。努力出来るのも才能とよく言いますが、私の精神性ではどうにも持てる才能を持て余してしまうようで。まぁつまり、私は何も特別じゃ無かったって話です。いや、特別ではあるんですけど、前世の時から思ってた事があって、私よりレビィの方が良い人生を送れるんだろうな~、と。レビィはだって良い子なんですもん。
要するに、努力するのに向いて無い私は誰よりも高い才能を持っていても誰よりも優れる事は出来無いと言う事です。
「それで良い。」
………セデス様?…初めて実際に会えましたね。
「誰よりも勝る才能を持っているからと言って、誰よりも優れる必要は無い。自分で言ってただろ?思い出せ。人生は嗜好品と同じ、ただ生きるだけだ。そこに意味も理由も必要性も使命も運命も何も無い。気の赴くまま好きなことをすれば良い。」
…確かにそう言う考えではありますけど、何ですか急に…?
「すまない。一方的な話になるが聞いてくれ。私の知識を移動しながら話す。付いて来てくれ。」
どうぞ…?
「天界には神の力が無いと入れない。天界の神々に招かれれば導天山以外のルートもあるんだが、君は地上の神である私が連れて来たから、このルートしか無かった。」
入れる人は限られるって話ですよね。
「私は君達を騙した。死地に送る事になると分かっていて、君を生かす為の捨て駒にした。仲間達が死んだのは私の責任だ。」
はぁ…?
「地上ではもうじき全ての生命が滅びる。世界の終末だ。地上の次は魔界も滅び、生き残る者は天界に居る者だけになる。」
天界に居たら死なないって事ですか。
「スキルは力を分類分けしたものだ。その者の実力を表す単語なんだ。吸血鬼族や淫魔族にある様な弱点、欠点を持つ事で強化される理屈は本来正しくない。力とは良きものであり、それが弱点や欠点と言う悪しき力として持つ事が成り立っているこの状況は正しい在り方では無いんだよ。」
つまり…?
「日光に弱いとか、聖属性に弱いとか、そう言う弱点や欠点を無くすんだ。そうすれば強くなれる。」
……どうやって…?
「天界にも仙郷があるのは知ってるだろ?私もあまり詳しくないから知ってる事だけ言うと、そこには神が居て、その神の力を超えれば脱出できるらしい。仙郷に入るには、本来はその神に招かれる必要があるそうなんだが、輪を習得した君なら無理矢理入れる筈。神の力を超えれば、私がかけた呪いの力も超えて解く事が出来る。そうやってマイナスの力を無くせ。そうすれば力を得られる。君にはその才能がある。そうすれば魔王を倒せるかもしれないんだ。」
ちょっとちょっとちょっと、長いですって。話の流れが滅茶苦茶です。もっと長くなって良いんで、順を追って説明してくれませんか?後で要約するので…。
「分かった。全部一気に話す。まず前提として、この世界は君達の世界の遥か後の世界、君達の時代のその次の時代の世界だ。今から何千年も昔、天界を統べていた神王はこの世界が生まれる以前の世界に興味を持った。その世界は滅びの道を辿った事が分かったが、神王はその世界で強き魂を見付け、自らの子として転生させた。これが、君達が生まれ死ぬよりずっと後に生まれ、前世界の行く末、世界の滅びを見届け死に転生した、最後で最初の転生者、後の魔王だ。つまり魔王は神なんだ。神の力を持ってる。で、その子は順調に育ち力を付けると、地上に降りて力を奮った。だからその子の周りには多くの人が集った。でも、人の為になっているとは言え、厳かに振舞うべきである神が無闇矢鱈に力を奮い、神と人との力の差を埋めるのは良くないと言う考えだった天界の神々は、その子とその子に集った人の子達を悪魔とし、その子を悪魔を束ねる魔王として、滅ぼそうと戦争を仕掛けた。が、魔王の力は強大であり、また魔王の力によって強化された悪魔達の力も強く、神々は苦戦を強いられる。結果、魔王に神王が殺された事でこれ以上続ければ神が絶滅すると悟った神々は、魔王と不戦の契りを結ぶ事で戦争を終結させた。それから時は流れ、悪魔族と呼ばれた者達は魔族や吸血鬼族へ変化し、神々は神族と呼ばれるようになった。その間、天界では残った神から新たな神王が立てられたが、戦争後は地上に降りる神が現れ始めた。私もそうだ。そして降りた神達は人々の信仰を得て力を増やす為に国を創ったりした。力を求めたのは、魔王を倒す為だ。だが不戦の契りがある以上は、それを課した側である魔王がそれを破らない限り、私達神は魔王軍と戦えない。だから才能のある者に加護や祝福と言う形で力を与え…要は代理戦争みたいな感じだ。私の場合はロードレイグ家、君の先祖に人族として生きられるように力を与えたりなんなりして信仰を集めていた。それで魔王に対抗する為にだ。転生者もそうだ。初代の神王が魔王と言う強き魂を前世界に見出した様に、前世界から魔王に対抗出来るかもしれない者を見付けて転生させた。私も同じ様に転生させるべき者を探したが、誰も大してパッとしない。そんな中でだ。君を見付けた。私は歓喜したよ。だから君の魂をずっと取っておいて、君の才を最も生かせるタイミングまで転生を待った。私が国を持ったりせず、殆ど信仰を集めなかったのは君が居たから。その間に【流星】や【勇者】が現れ神々は魔王を倒せると思ったらしいが私は思わなかった。圧倒的な力じゃ魔王には届かない。その力、神の力を超えなくてはダメなんだ。相手は、魔王は神なんだから。だから不用意に目立って魔王に警戒されないよう眷属も自分からは増やさなかった。ああそうだ。別に転生者じゃなくても可能性を感じて神から力を与えられた者は居る。チトセなんかがそう。後、愛の神覚えてる?君の魂を妹の、あの、【勇者】の為に探してて、見付からなかったの、アレ私がもう君の魂を持ってたからなんだよね。最高のタイミングまで転生させる訳にはいかなかったからずっと持ってたの。だって君には可能性があるから!魔王を倒す可能性が!でも今の君じゃダメなんだよ!だから天界にある仙郷に行って神の力を超えて、それで、えぇ、後は、その、頑張って何とか魔王を倒してくれ!!」
「うるせぇーーーっ!!」ちゅどーーーん
「何するんだよぉ!!私が必死に話してるのにぃ!!」
「長過ぎるわ!!しかも読みにくいんじゃボケ!!」
あーもう。要点は五つ。
[魔王は転生者。]
[魔王は神の力を持っている。]
[魔王を倒すには神の力を超える必要がある。]
[神の力を超えるには仙郷を攻略すれば良い。]
[仙境を攻略するには輪を習得している必要があった。]
そう言う事ですね?
「そう言う事です…。」
輪が無駄じゃなかったのは良いですけど…いや、結局みんな死んでる事には変わりないんですよね…。それならもう少し家族の為に過ごせば良かったです。後悔ですが。
「――む!!魔王が天界に攻めて来た!!天界にある魂を手に入れる為だ!!魂をまっさらにして魔王がこれから作る新しい世界で転生させる為に!!まっさらにすれば完全に新しい魂になるからだ!!そうなれば当然前の記憶などは無くなるし、今のこの世界は全て無かった事と同義になるんだ!!私はこれから襲撃して来た魔王と戦い、時間を稼ぐ!!ネムアムはその内になんとか仙郷を攻略してくれ!!魔王も神だがこっちも神だ!!1年や2年じゃやられん!!具体的には4年くらい持つからその間に力を付けてくれ!!地上は既に壊滅済みだ!!死にたくないと思うんなら魔王を倒せ!!頼んだぞ!!私の可能性よ!!うおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
だから長いですって。説明口調だし…。まぁ良いや。なんかやっと吹っ切れられた気がします。決めました。これからの私は私が一番面白いと思ってたやりたかった事をやることにします!
では…。仙郷ですね。前にドリューさんが言っていた…。どれどれ…霧と言うか何と言うか…ビセルの仙境と似たような感じです。確かに入れないですね…。まっすぐ進んでいるのに気付けば外に居る…。輪があれば招かれずとも入れるらしいですがどうすれば…。…殴ってみます?
輪――!!
…霧が開けました。今の内に通れば入れそうです。
…よし。入れました。…特に変な雰囲気は感じませんね…。私の知っている仙境とは植物とか違いますけど、別に普通の秘境って感じです。えっと目的は…神がどうとか言ってましたか…。とりあえず探索してみましょう。
「………………………ネマちゃん!?」
「リエルさん!?」
何で居るんですかこの人は……?…めっちゃ酔ってる……。こわ~……。
「聞きたい事は一旦置いておいて、神がどこに居るか知ってませんか?探してるんです。」
「神だったら神域に沢山居るよ?知らないの?」
今来たので。…沢山居るんですか?
「神域は向こう…中心に行けばあるけど…。でも無理じゃないかなぁ~。」
「簡単には会ってくれないみたいな意味ですか?」
「いや、辿り着けるか分からないって意味。」
険しい道のりなんですか…。
「ここには化物と、練士と、神と、私たち来訪者が居て、来訪者以外は基本的にみんな襲って来るから。…練士って言うのは神を目指して修行してる人たちで、化物はそのなりそこない。化物は大したことなくて、練士も輪って言うワザを使う以外は大したことない。神って言っても、『最初の神』以外は私たちが良く知ってる『神族』じゃなくて、要するに襲って来るだけでそんなに強くはないんだけど…その輪って言うのが厄介で…。」
「…詳しいですね。」
「何年も居るからね。練士が作ってる神に捧げるお酒が美味しくて美味しくてぇ…えへへ。」
何してるんですかこの人は…。
「因みに何で襲って来るんですか?」
「修行のためだね。神の方は完全にお遊びだけど。」
「…その神って結局何なんですか…?」
「輪を極めた練士だよ。流転の外に居るとか。…だから元は私たちと同じ普通の人間。殺せば死ぬ。一日後に復活するけどね。」
ふむ。この仙郷から出るには、入った時の様にはいかないようです。来訪者が練士となり輪を学び、神になって脱出を目指すけど、極めると神になるのでその頃には出る気が失せている。なれないと化物になる。私のパターンは例外として、神が招いているから入れるんでしょう。この仙郷が輪そのものだとすれば、確実にビセルの仙境よりも出入りは難しい筈です。だってあっちは輪ナシでも入れましたけどこっちは入れないので。来訪者と言うよりは客人ですね。流転から出るには流転の外側の存在になるしかないと。
「脱出方法は二種類。輪を極めて神になり脱出するか、ここを作った『最初の神』を倒してこの場所自体を消失させて脱出するかなんだけど、神になるルートで脱出した人は居なくて全員神としてここに残ってる。」
でしょうね。
「えっとまず…『最初の神』と私が呼んでる『神族』がこの場所を作ってて、それで人を呼び込んで練士にした。その練士が神になって以降は神が新たに人を呼び込むようになって、『最初の神』は表に出なくなった。で、神域と呼ばれる場所がここの中心から広がってて、中心に近付くほど神は古くなってる。だから真ん中に行ければ『最初の神』が居るんじゃないかって話なんだけど、古い神ほど強い輪を使うし、流石に神域に踏み込んだら気まぐれな神も追い出そうとして襲って来るし、せっかく殺したのに神は一日経ったら復活して進捗リセットだし、誰も仲間が居ないし、お酒は美味しいし、神域には沢山お酒があるからちょっとぐらいくれても良いと思うし、ってやってたらネマちゃんが来た感じ?」
「『来た感じ?』じゃないですよ。どうやって来たんですか…。」
「酒宴の神様が『美味い酒あるから来い。』って。酒宴の神様は天界の神だったから簡単に天界に来れて。それで『仙郷にも美味い酒あるらしいけど入れるか分からん。』って言われたから試しに来てみたら何か入れて。…今思えば私って招かれてここに来てたのか!酔ってたから気付かなかった…!」
…………リエルさんが居て良かったですよ。すぐに知識が手に入りました。
「私は輪が使えるんです。なので入れました。リエルさん、一緒に脱出しませんか?」
「勿論だよぉ~、ネマちゃん!流石にそろそろ、ここのお酒も飲み切ったしね!」
そうですか。…じゃあ、真ん中の「最初の神」目指して神狩りと行きますか。
「オラオラオラオラ!!」
「どけどけどけどけ!!」
かれこれ三年、トライアンドエラーで挑み続けてなんとか突破口が見えそうです!やっぱ一日経ったらみんな復活しちゃうのが本当に難しい。最初の方は一日で真ん中まで行く作戦だったんですが、リエルさんがユニークスキルを思ったより成長させてまして、酔う代わりにバフをかけられるようになってたんですよ。お酒があれば更に出来る事も増えてて、毎日こっそり神域に行ってお酒を盗んでをずっと繰り返してたんですよね。そうやって少しずつ準備を進めて、一日攻略ルートから復活しても数日かけてごり押しするルートに変え、遂に今日新記録を大幅に更新した正にローグライクと言った感じの攻略で我々は勝利を掴み取るのです!!
「取れなかったね。」
「取れませんでした。」
おっかしいですねぇ…。かれこれ10回はトライしてるんですが、一向に終わりが見えません。確実に進んではいるんですけど…いっつもあとちょっとってとこで罠にかかって入り口まで戻されるんですよね…。
「あの罠の攻略法を考えないと一生クリア出来ないんじゃ…。」
罠は至ってシンプルな転移罠なんですが、如何せん見えないんですよ。何処にあるのか分からなくて…。輪を上手く使えば見えるんでしょうか?私もリエルさんも使えはするんですけど…。…一つ思ったんですが、この仙郷に入る時も似たような感じで気付いたら入り口に戻されてたんですよね。でも輪で道が開けないかはもう試してるんですよ。何かこう…逆転の発想と言うか…閃きがないと攻略出来なさそうです…。
「…なんかいい方法ないですか?」
「ないよ…。」
仮に「真ん中は『最初の神』が守ってるから仙郷に入るよりずっと高難易度である。」と言うなら、やっぱりもっと強い輪でごり押し…それこそ神クラスの――。
「――いやその方向は止めましょう!!」
「何急に。」
「分かったんですよ。単純な話です。真ん中に居る『最初の神』が守ってると言うのなら、その守りを突破すればそれはもう『神を超えた』と言って良いんじゃないですか?」
「…まぁそうかも?でも超えられないから困ってるんじゃん。」
「まぁまぁ聞いて下さいよぉ!」
「ウザ。」
「要は、突破さえすれば神を超える事に拘らなくて良いってことです。輪じゃなくても良いんですよ。なんとなく、仙郷から出るには輪が必須だと思ってましたが、それじゃ練士と同じく神になるだけです。私たちはもっと自由にやりましょう。流転に縛られる必要はありません。」
と言う事で件の場所までやって来ました。結局4年かかりましたが、リエルさんの血を吸わせてもらって、練士や化物からも血を全て奪って来ました。神も一日経てば復活するので吸い放題でしたし。
「魔力さえあればアレが使えるんです。ただ出力の問題で時間がかかるので、護衛お願いします!リエルさん!」
「了解!頑張って!」
私の魔力出力では大規模に展開する事は出来ませんが、魔力さえあれば小規模でも展開し続ける事で無理矢理範囲を広げる事が出来ます。展開するのは勿論消滅魔法。この守ってる輪の壁ごと全部消し去ってやりますよ!
「消滅魔法――!!」
消滅魔法!消滅魔法!消滅魔法!消滅魔法!デリデリデリデリ!デデデデリデリデリ・バー!!
「うぉっしゃぁー!!」
やりましたよリエルさん!!突破出来ました!!「最初の神」とか言うのも全部消し去ってしまいましたよ!!
「――危ない!!」
そ、そんな!!リエルさんが私を庇って!!
「すみませんリエルさん…!!私が油断したから…!!」
「良いんだよ…ネマちゃん…。私一人じゃこの方法は使えなかった…。私は神を超えれなかったけど…ネマちゃんは超えたんだよ…グハッ…!!」
「リエルさん!!」
くっ、クソッ!!この怪我じゃもう、リエルさんは…!!
「心配しないで…。あの世で…未だ見ぬお酒を…見付ける…から…。」
「うぅ…。ここ天界なんであの世です…!!」
「結婚…したんだって…?ネマちゃんの晴れ舞台…見たかったな…。どんなお酒が出されたんだろう…。」
「うぅ…。国が死んでますしそれどころじゃないので式挙げてないです…!!」
「もう…限界だ…。ありがとう…。私のお墓には高級ウイスキーを毎日10本お供えしてくれるだけで良いから…ね…。銘柄も全部変えて…。他のお酒もお供えして…ね…。」
「うぅ…。無理です…!!」
「あぁ…もう仙郷が崩れていってる…。」
「今だ!!くらえ輪!!」
ちょっと空気呼んで死んでて下さい。
「ぐわああああああ!!ここまで…か…。」
「うぅ…。リエルさん…あなたの死は、決して無駄にはしません…!!」
ギュ
「私は十分に活躍した。そして……これからもだ。私の残した意志がネマちゃんに“力”を与える。約束しよう。私は必ず!!お酒を絶滅させる!!」
「………リエル…さん……。絶滅させる勢いで飲むって…正気で言ってます…?」
辛く苦しい別れでした。
では仙郷を攻略したので、これで神を超えたってことで良いんですよね。セデス様は呪いを解くとか言ってましたが…どうやって解けば……おやぁ?明らかに体が軽いです。これもう解けてる感じですか?心なしか色んな部分がちょっと大きくなっているような…鏡を出す魔法は…と…。…やっぱり見た目がちょっと変わってます!て言うかヴァンパイアモードに変身出来ないし!変な茶番してて気付きませんでした。
羽は出せるし…牙も出せるし…でも日に当たれる…。これは成功してますね。よし!じゃあ魔王を倒しに行きますか!…どこに居るんですか!まさか今から魔王城を目指せとか言いませんよね!…マジで言ってます?…分かりましたよ。行けば良いんでしょ行けば。遠いなぁー。天界の神々ももう全員死んでますし、共に戦ってくれる仲間居ないんでしょうねぇ…。一人で魔王城まで旅するのめっちゃ退屈なんですけど…。途中の町に人は居ないし?途中襲って来る魔物も居ないし?ただただ飛んで進むだけ?おもんねーーーー。
「来たか。我が二人目の母よ。」
あえ!タマゴ()じゃないですか!何で生きてるんですか!ドラゴンは死んでないんですか?
「竜を含め、全ての生き物は死んだ。魔王以外はな。」
「…私の約束の為に逃げて来たんですか!?」
「うむ。共に戦う為、他の竜達に託されたのだ。さぁ、背に乗れ。運んで行こう。」
ふわぁ…ありがとうございますぅ…。拾ってみるもんですねぇ…ドラゴン…。
「あの~…。自分も乗せてくれます…?」
「…………………………誰ぇ…?」
吸血鬼族…。なのに太陽に当たれてる!
「ども~…。吸血鬼族の国『ヴァナル』の王女、ルリアル・ブレイス・ヴァナルで~す…。」
「セクハラですか。」
「違ぇよ!そう言う名前なんだよ母国が!…信じてもらえるか分からんけど。私は転生者で、魔王の思想に賛同してないんだよ。でも周りの吸血鬼が国を出て軍事活動始めて、やっと逃げ出せると思ってバックレたら四天王に出会うし。…あ、天界はほら、魔王が滅ぼしてるなら誰も居ないから、私が居てもバレないなーと思って来たんだよね。神の力が無いと入れないらしいじゃん?」
「…何で神の力が無いと入れないのに来たんですか。」
「私神の力持ってるよ?」
「…は?」
「元々人間だったんだから血を飲むのには抵抗あるだろうからって神様がくれた血を飲まなくても直接肌で触れ合えば相手の生命力を奪い取れる転生特典スキル持ってるし、小物だったら魔力を使って何でも生み出せるユニークスキルも持ってる。吸血鬼族のレーシャルスキルに、血を与えた相手を支配出来るヴァナル王族のルートスキルも。…これ神の力じゃないの?異世界転生ってこーゆーギフトで好き勝手する感じでしょ?」
あー、大昔にザルメアさんが「あのお方」とか何とか言ってた気がします。そのお方でしたか。羨ましいスキル持ってますねぇ…。
「私の初期手札全部魅了系ですよ。」
「…淫魔族?」
「吸血鬼族と人族の混血です。」
「良かったぁ。吸血鬼族と淫魔族と鬼族は悪魔族から派生した種族なのに死ぬほど仲悪いんだよねぇ。苦労したなー!吸血鬼ってさぁ?プライドが高くて協調性がないから強い奴にしか従わないの!いや~!めっちゃ鍛えたね~!」
「浸ってるとこ悪いんですけど、それ神の力じゃないですよ。」
「そうなん?…じゃあ神様食べたからかな。」
「神様食べたんですか!?」
「うん。神様ってこんな味かぁ…。って。」
それが出来るんならそりゃ神様超えれるでしょうけど!…マジかよチーターじゃん…。
「で?乗せてくれるんよな?…いやさぁ?魔王がここまでヤバい奴だと思ってなくてさぁ?流石にここまでするんなら見過ごせねぇよなぁ?」
「それは別に良いですよ。」
「断られたか…。」
「すみません。大丈夫ですって意味です。」
「断られたね…。」
「日本語って難しいなこれ翻訳してるだけで異世界語なんですけどね。乗せてあげるって意味です。」
「OH!君も転生者系!?マジかよ初めて会ったぜ!私と一緒にコンビ組まない!?乗せてくれてありがとう!君にも乗りたいナ!」
「私前世でもう相方居るんですよ。親友が。私のせいで死んじゃいましたけど。」
「私も居るよ。奇遇だね。私の死因も相方の痴情の縺れ云々だよ。」
ラビリアさんに私を殺してからの事色々聞いたんですよね………ん?
「相方って交通事件で死にました?」
「故意だと交通事件って言うの?そうだけど。」
………奇遇ですね。
「活舌自信あります?」
「あるある!私めっちゃかちゅぜちゅいいよ!」
………ほう。
「しりとりしません?最初は『しりとり』の“と”から!」
「“しり”を取れよ。」
………へぇ。
「ヤバいです!モンスターの群れが攻めて来ました!」
「何だ…アレは!?」
「またゴブリンなのか!?」
「ゴブリンか?」
「イヤ…ゴブリンじゃない……!……イヤ…ゴブリンか?またゴブリンなのか!?イヤ…。」
「何だアレは!?」
「またゴブリンなのか!?」
「ゴブリンじゃないですね。」
「なんだ。ゴブリンではないのか。」
「今ゴブリンスレイヤーさん居ました?」
この分かりにくい上でしっかり面白くないネタは…!!
「ボケはナマモノです。新鮮な内にツッコんであげないとすぐに腐ってしまうんです。」
「ツッコミに時間をかけすぎても腐る。素早く丁寧に確実にツッコんでやるんだ。そうして最高のネタが出来上がる。」
この言葉はやっぱり!!
「親友!!」「相方!!」
「「お前もおるんかい!!」」
じゃあ転生してた親友…相方と再会したところで行きますよ!!いざ、魔王戦へ!!




