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1/∞の世界で  作者: スマイロハ
3652回くらい星を眺めたら十年。の章

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31/47

コレはソレがアレでドレ。

エブルを出てから二ヶ月ほど経ってドゴルを抜けました。ドワーフ族の国「ドワル」なら絶対に他国の情報が得られます。町までは遠いですが、仙境を出てから半年もかからずに来れてますね。情報を得られるまで長かったですが許容範囲でしょう。大体まぁ…そうですね…半月ほど進めば町に出会えるでしょうか。

「ジョン、シンリ、アレを見てみろ!!」

「えええええええええええ!?」

二人が目にしたものとは!?

…こう言うイレギュラーが無ければもっと早いと思うんですけどね。

「アレ…アレ何?アレ何っすか?」

「何だろ…石像的な…?」

神様の像か何かでしょうか。行ってみます?

「………何コレ。」

何でしょうか…下手…下手だから?下手だからこんな良く分からなくなってるんですか?この…良く分からない何かを作るのが下手だから、何か良く分からないって言う…私は何を言ってるんですか?こんなの文字だけじゃ伝わりませんって…。

「この…コレ…アレ。アレ、あの…ドーナツじゃね?ほら新作の…。」

ドゴルのドーナツ屋の新作が何でここで石になってるんですか。

「コレ多分アレっすよ!樹海に良く落ちてる…。」

……………ドレ?

「コレよく見たらアレじゃないですか?包帯ぐるぐる巻きにしたヤツ。」

「あー…言われてみれば。ココとかまんまソレだ。」

「それ言ったらココなんかドーナツっすよ完全に。」

「確かにそうですね。ココ樹海に良く落ちてます。」

………………何だ?

「芸術…じゃないっすよね。」

ぽくはないですね。

「ドワーフの儀式に使うとかは?」

…無くはないですけど、ぽくもないんですよね…。

「先ずコレは石像ってことで良いですか?」

「良いっす。」

「良い。」

じゃあ何の石像かを考えてみましょう。この歪な造形が意図的に行われているものだとしたら、それはやはりモチーフにした「何か」を侮辱している可能性が高いです。神を侮辱するようなものか、はたまた権力者を批判するものか…。

「分かった。分かってしまった…!!」

「マジっすかキャルさん!教えて下さいっす!」

マジで教えて欲しいです!

「コレ…『恋』…じゃないか…!?多分…!!」

「「――!!」」

…なるほど言われてみれば…「恋」ですよコレ!

「盲点だったっす…。まさか『恋』とは…!」

恋は盲目って言いますからね…気付けないのも無理はありません…。

「凄いですねキャルさん!よく『恋』の発想が出ましたね!」

「いや…アタシ結構乙女だから…///」

恥ずかしがることないですよ!コレに気付けるなんて乙女だったからです!

「エルフの私じゃ気付けなかったっす!お手柄っすよ!」

「そうですよ!私だって乙女とは程遠いんですから!」

私達じゃ気付けなかったことに気付けた。これが仲間の良さです!

「二人とも…。ありがとう…!二人が旅に連れて行ってくれたからだ…!」

「お互い様っすよ!」

「三人寄ればなんとやらです!」

仲間の大切さを説く。それが、コレがここにある理由なのかもしれませ――。

「ギャアアアアアアアアアア!!!!」

「キャルさんが食われたっす!!」

ドラゴン!?いや巨大トカゲ!!コレに夢中で気付けなかった!!

「マズいです!!ここで暴れられるとアレが!!」

「吹き飛ばすっす!!」

よし!!シンリさんの風魔法でアレから遠ざけられました!!眠っちゃいましたけど、後は私が倒します!!

「キャルさん生きてますか!?直ぐに開放します!!」

ブレイク!!――!!魔力が…!!キャルさんの回復が出来ない…!!

「回復は大丈夫だ…!!助けてくれてありがとう…!!これぐらいならアタシのユニークスキルで回復出来る…!!」

キャルさんの身体が、て言うか身体から…抜け殻…?

「アタシのユニークスキルは、簡単に言えば脱皮だ。脱皮すると能力が底上げされ、傷は治る。ただ体力は消耗するし、インターバルも長い。何より使うと一回り身体が大きくなるから、あんまり使いたくないんだよな。…とにかく何とかアレは守れた!全員無事だし良かった!」

そうですね!アレが守れて良かったです!

「おーい!あんたら無事かー?」

ドワーフじゃないですか。何とか無事ですよ…そうだ!アレの事聞いてみましょう!

「アレか?魔物避けだ。そろそろ効力が弱くなってきてる頃だからな。メンテナンスに来たのよ。そしたら案の定襲われて…。」

「魔物避け…?デザインに意味は…?」

「無いな。ウチの子供が小さい時に遊びで掘ったモンだからな。」

「じゃあ…『恋』は…。」

「鯉?何の話だ?腹減ってんのか?」

何してたんでしょうか私たちは。アレだコレだってはしゃいじゃって…行こ。

シンリさんを抱えて私たち三人は町を目指します。

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