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1/∞の世界で  作者: スマイロハ
3652回くらい星を眺めたら十年。の章

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28/47

不味いもんを不味いって言うのは当たり前。美味いもんを美味いって言うのは当たり前。

(リン)を習得し、仙境から出、山を下り、私は獣人族の街に向かいます。まだ獣人族の国に居るからと言うのはありますが、確認しておかなければならない事があるからです。

「…やっぱりそうですよね。」

ここは王都。革命が起きた場所。そして今、革命成功から十年経った記念祭の準備に賑わっている街。

仙境で9年、その入出に1年、私自身は12歳になったくらいでしょうけど、10年の歳月は大きいですね…。(リン)の習得以外は捨ててましたから、魔法の練度なんかは変わってません。単純に10年鍛錬を積んだ方が強くなれました。…気にしても仕方ありません!何が変わったのか情報収集です!

と言う訳で、調べて来ました!調べた結果、良く分かりませんでした!

革命の一件で私の名前もそこそこ売れたのかと思ってましたが、ゼーテさん達が何かしてくれたのか死んだことになってるみたいで、10年前に死んだ奴なんて覚えられてないみたいです。良く考えれば獣人族は世代交代が激しいんですから、10年でも顔ぶれは結構変わるんですよね。分かった事と言えば、国名が「ビセル」のまま変わってない事と、御三家当主の三人が長になっている事。あとは魔族との交流の結果か、化学がかなり進歩した事くらいですかね。電灯とか列車とかあります。一番知りたい他国の事情は、ビセルが魔族と協定を結んだことで、情報が入りにくくなっているみたいで分からなかったです。敵対してはないみたいですけど。

さて、今私は何をすべきなんでしょうか?死んだことになってるなら冒険者登録をもう一度やって…次にどの国へ行くか決めますか。

冒険者協会に来ました。私は死んだことになってるので、適当な偽名で登録しておきましょう。

「ジョン・スミスです。」

「……はい?」

「ジョン・スミス。」

「聞こえてますよ。それ偽名ですよね?ダメです。本名を言って下さい。」

「じゃあジョンス・ミスです。」

「じゃあってなんですか。ダメに決まってるでしょ。点の位置変えただけじゃないですか。」

「…分かりました。本当はジョンスミ・スです。」

「だからダメだって言ってるでしょ!?せめてもっとマシな偽名考えて来いよ!!」

「…本当は言いたくないんですけど、分かりました。本名はバンビエッタ・バスターバインバインです。」

「バインバイン……?あっ……ジョン・スミスさんですね…。登録しておきます…。」

「どこ見て言ってるんですか失礼ですね。別に小さくはないですよ。」

「でもバインバインとは程遠い…。そっか、遺伝しなかったんですね…。可哀そうに…。デカパイの家族に囲まれてさぞや肩身の狭い思いを…ジョン・スミスさんで登録しておきました。」

ちゃんと偽名で登録出来たのになんだこの敗北感は…。

「ご職業はどうされますか?」

…仙境で修行しても、結局私が器用貧乏なのはそのままなんですよね…。

「【旅人】でお願いします。」

「では【旅人】のジョン・スミスさん。アイアンランクからのスタートです。ランクアップはクエストをクリアするか、ゴールドランク以上のお墨付きをもらえれば可能です。また、当ギルドでは定期的にランクアップテストを行っておりますので、これに合格することでもランクアップ出来ます。では、ご活躍を願っております。」

テスト…は止めておきましょうか。クエストを受けるのも。正体バレしたら気まずいですし…。路銀は…ビセルが広過ぎて国を出るまでしか持ちませんね…。ビセルを出るのは確定として次は…まぁ、オススメされたエルフの国に行きましょうか。エルフ族の国「エブル」へ。

さて、まず大前提としてビセルの国土は非常に大きいです。仙境は王都に近いとも遠いとも言えない地点にあるんですが、そこから一番近い町に私は滞在しています。この町から国境付近の町へ移動し、国境を越え、樹海を抜けた先、樹海を見下ろす台地にあるエブルまでで二ヶ月半かかりました。大森林の中が丸ごと国になっています。道中はさして面白い事もなかったので、カットで。基本私が一人で楽しんでるだけですしね。

ふむ。ここから見下ろす樹海は流石の美しさです。樹海の中ははっきり言って何も面白いことが無さ過ぎるクソでしたが、この景色を見るためと考えればまぁ悪くはないですよ悪くは。エルフも美男美女しかいない種族ですし、景色は良いです。ついでにエルフ族に関して解説しましょう。

エルフは森の木々から生まれる。寿命と言う概念がなく、大人にまで成長した後は永遠に若いまま。魔法を手足のように扱う才も持つため、多少怪我をしてもすぐ回復でき、死ぬことが滅多に無い。そして卓越した精神力を持つ。そのため、人と言うよりも「神」に近い種族である。また、他種族との交流に関してかなり前向きであり、好奇心に駆られて国を出るエルフも多く居る。

へぇー、そうなんですね。…いや別にカンニングとかしてませんけど。

で。えっと…あー確かに、他種族の方も大勢居ますね。言われてみれば他の国でエルフを見た事あるようなないような気がしてきました。それと大森林なだけあって、町中にも植物が沢山生えてます。気候も安定してるみたいですし、過ごしやすくていいですね。空気が美味しいです。

…確かに景色は綺麗ですし、しばらく滞在して観光地を巡りたくはありますけど…何でオススメされたんでしょう。お金が無くてもって言ってましたし、お金があればもっと違うんですかね?…働きますか。

ギルドはここにもあるようですね。おじゃましまーす。じゃますんやったら帰ってー。っと。受付の方と目が合いました。…なんかこっちに近付いて――。

「何族!?」

「人族です!!」

良いんですか?第一声がそれで。

「どっどっどっどっど、どこから来たの!?」

「ヒュメルからですけど…。」

「えぇー!?こんな小さいのに!?人族ってことは…120歳ぐらい!?」

「12です…。」

「12歳!?12なんてまだ卵子じゃん!!凄いね!!大人だぁ!!」

…エルフは好奇心旺盛って言う話でしたけど、研究者じゃなくて子供のそれなんですね…。

「クエスト受けに来たんですけど…。」

「あーそうだよね!!じゃあさ!!私が出して良い!?報酬弾むから!!」

別に良いですよ。内容次第ですけど。

「待った!!ここは私のクエストを!!」

あら凛々しい感じのイケメンさん。

「待って!!私の方が絶対良いから!!」

ちょっとギャルっぽいお姉ちゃん系。

「いやここは!!」

「いやいやここは!!」

「いやここは!!」

松尾芭蕉系…?

なんかどんどん増えてくんですけど。どこから嗅ぎ付けて来たんですか。

「あの…。とりあえずクエストを見させてください…。」

もみくちゃにされて何が何やら…。

「あ、ごめん。…どうぞ。これです。」

あ、どうも。…あー、でもそりゃそうですよね。残ってるのは大体樹海に降りて探索する系…。割の良い仕事はエルフの冒険者さんが簡単にクリアしてしまいますか…。となれば地道に稼ぐしかない――。

「…因みに、皆さんの依頼はどう言う…?」

「私の家で私にもてなされる依頼!!」

「私の手料理を試食して頂く依頼です!!」

「私の遊び相手になる依頼!!」

…他の方も大体そんな感じですね。じゃあ…。

「全員却下で。」

「何で!?」

だって生物として明らかに格上じゃないですか…。何されるか分かりませんし、何かされたら抵抗できる気がしませんし…。

「じゃあもう何もしなくて良い。お金タダであげちゃう。その代わりこのお店来て!!」

「要らないですよ…。怪しすぎますって…。」

「大丈夫怪しくないから!!エルフウソツカナイ!!」

「…本当ですか?」

「本当!!ホントにエルフは噓吐かないから!!調べたら分かるから!!辞書に載ってるから!!」

どれどれ…ホントに載ってる!!

「…行きます。」

「オッケー!!みんな移動!!」

全員行っちゃった。…受付の人が行っちゃって良いんですか?まぁ良いか。

じゃあ言われたお店に行ってみます。

「「「いらっしゃいませ!!」」」

………エッチなお店じゃないです。いやマジで。いやホントキャスト男性も女性も居ますしホントマジで。

「いやー、ごめんね?人族の子供なんて珍しいからさ。はいこれ手作りのクッキー。」

「頂きます…。美味しいです…。」

「君はどうして旅を?目的があるのですか?」

「いえ目的は特に…。旅をする理由は…そうですね…。一か所に留まっていると飽きるからでしょうか…。」

「こんなに小さいのによく頑張ったね!私がよしよししてあげる。」

あー…美男美女に囲まれて――。

「ズルい!!私もするね~。」

あ~…とかさえう~……。

………。

やばい。これはやばい…!!マジでヤバイ!!どうでも良い事なのに全部好意的に受け止めてくれる。しかもみんな人間なんかよりずっと永く生きてるから包容力が凄い…!!めちゃくちゃ甘やかはえうぅ…!!

は…ハマる……!!

「では私は勇敢な旅人を讃える歌を…。」

それは要らないかもしれないです。

「じゃあ私は旅で疲れた体にマッサージを…。」

「だったら私は…ぱふぱふ…。」

ん??なんか雲行きが怪しく…。

「優しくするからね…。優しく…えへ。えへへへへへへへ…。」

「…何を!?」

「何って…ナニでしょ!?」

「ナニするつもりなんですか!?」

交流に前向きって――ええ!?そう言う交流ですか!?いやどう言う交流ですか、何言ってるんですか私は!?

これはヤバいかも…!!お金貰っておいてすみません…!!

空間転移魔法(ワープ)――!!]

「――あれ!?消えた!?」

「今のは魔法ではありません!!」

「スキルか何かでしょ!!そんなことより早く!!逃げ切られる前に見付けるよ!!」

…私の貞操の危機でした…。まぁ守れたのでよしとしましょう。嘘は吐かないって書いてあったのに…やっぱり価値観がエルフと人間じゃ全然違うんでしょうね…。でも歩み寄ろうとする事は出来ます!!私は今回は遠慮しておきますが!!

……?なんかすごく近くで叫び声が…?

あ。

「小声で失礼しますが、大丈夫ですかー…?」

反応なし。完全に気絶してます。目の前に急に人が現れたらそりゃあ怖いでしょうけど…ビビり過ぎじゃないですか?…見たことない魔法だからですかね?とりあえず…無視で!!ケガもなさそうなんで!!今追われてるんで!!

では翌日…。一日かけて別の集落まで来ました。エルフの国は大森林の中に無数に点在している小さな集落の長老たち、それを束ねる大長老たちによって運営されています。入り口付近の集落からは離れたので、とりあえず逃げ切ったみたいですね。「一難去った。」と言う事でしょう。

「ホントなんすよ長老!!ホントに『パッ』と現れたんすよ!!」

むむっ!一難の予感っ!!

「この国にゴーストが入って来られる訳ないじゃろう。」

「絶対ゴースト!!だって足あったっすもん!!」

「いやゴーストは足無いじゃろ。」

「…決め付けは良くないっすよ!!足のあるゴーストだって居るかもしんないっす!!」

「それが本当の話だとして、ゴーストである保証はない。何か未知のスキルによるものかもしれぬ。」

「じゃあ討伐隊は…?」

「派遣しない。」

「じゃあ夜中お花を摘みたくなったら、私はどうすれば?」

「知らん。勝手にしろ。」

「そりゃないっすよ長老!!集落全体、いやエブル全体の国益の損失っすよこの大事件は!!ちょっと!?長老!?長老ーーーーーー!!!!!!!」

なにこれ。

…あの人は私が昨日脅かしてしまった…え、私のせい?

「あのー…こんにちは…。」

「あぁこんにちは。…旅の人っすか?珍しいっすね………どこかで会ったことあります…?」

「昨日あなたを脅かしたの…私です。すみません。」

「………あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

元気な人ですねぇ。

「…ゴーストっすか?」

「違います。生きてます。」

一回死にましたけど。

「良かったぁ……。そうだ。アレってスキルっすか?『パッ』ってなるやつっす。」

「魔法ですよ。一応。普通の魔法ではないですけど。」

「魔法!?私に教えてくれないっすか!?」

「無理ですね。他人に教えられるほど私が練れてないです。」

そもそも私使いこなせてないですし。

「なんとかならないっすか…?どうしても魔法が使いたいんす…。」

エルフなら魔法使えるんじゃ…?

「いや…私、魔法は使えるんすけど、上手く扱えないんす。見てもらったら早いんすけど。」

…じゃあ見せてもらいましょうか?見せたそうですし…。

と言う訳で近くの空き地に移動しました。

「行きます!!」

エルフさんは両手を前に出して雷系の下級魔法を撃ち――ん????なんか…威力がおかしくありませんか…?最上級レベルですよ…?

「凄いじゃないですか!下級ですよね?最上級魔法の威力でしたよ!」

………あれ?魔法を撃つ反動で倒れて…あれ?起き上がらないんですけど…。

「暫く起きないぞ。旅の人。」

長老さん。起きないとは?

「その子はこの辺りで有名な出力バカでな。下級魔法でも最上級に匹敵する威力を出す。しかし魔力の制御がカスのため、一発で魔力を全て放出してしまう。」

えぇ…そんなに制御力が無かったら、制御が重要視されてくる中級も上級も使えないじゃないですか。

「一回魔法を使えば、ある程度魔力が回復するまで眠ってしまう。魔力総量は伸びるが、制御するための経験を積めぬ。エルフに寿命が無いとは言え、まともに扱えるほど経験を積めるまで何百年かかることやら…。」

わー、気持ち良さそうに眠ってますねー。

「…旅の人。その子を連れて行ってはくれぬか?悪い子ではない。勉強も良くしているし、魔法の練習も出来ないなりに努力している。何よりその子は魔法が好きじゃ。好きな魔法が扱えぬのは忍びない。」

「…私に良い師匠でも探してくれって言うんですか?」

「心当たりならある。【流星】と言う鬼族の魔法使いか、魔法の神。そのどちらかとでも出会えれば、その子でもまともに魔法を扱えるようになるかもしれぬ。路銀はそれなりに用意しよう。」

どっちも知り合いなんですよね…。

「分かりました。探してみます。」

半日待ってやっとエルフさんの目が覚めました。もう夜です。

「――と言う事で、私と旅に出ませんか?」

「良いんすか!?お願いするっす!!」

目を輝かせて…。いや良いんですよ?お婆ちゃんはともかく、神様の方は場所分かってますし。でも気まずいじゃないですか。ラビリアさんの一件がありましたし…。

「シンリっす!よろしくお願いします!」

…ジョン・スミスっす。

あーーーーー…。一回気絶したのを無視しましたからね…。そのくらいしますよ。よろしくお願いします。

ビセルを通らないルート…竜人族の国を突っ切られれば楽なんですが…。まぁ、方法は適当に考えておきましょう。エブルでも他国の情報は手に入りにくいみたいなんで、もうちょっと先の国に行かないといけません。それにはもちろん時間がかかるので、この国はもう出てしまう事にします。

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