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1/∞の世界で  作者: スマイロハ
人と言う字はショットガンシャッフル。の章
2/47

エンターキーって、気付いたらあの形じゃないとしっくりこなくなってるよね。

妹が生まれた少し後、村に旅人が来たんです。

ママの知り合いみたいですね。

その人好きなんですよ。生き方と言うか、人間性と言うか?

それで、その人の弟子になれば旅に出れるなーと考えてたんですけど、その人が、

「旅人になりたいのか?ええ趣味じゃの。最高じゃ!ワシが弟子に取ったるわ。気が向いたら文を遣せ。この村に来てやるでの。」

って言ってたので、春に手紙を送って来てもらいました。

両親も受け入れてくれて、無事に旅人の夢を叶えられました。

見てるか?ルル。俺は夢を叶えたぞ。

「いやルルちゃん死んでないわ!!」

つって、HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!

「何やっとんじゃ…?」

気にしないでください師匠。

時期に慣れます。

「師匠って角?ありますよね。人間じゃないんですか?」

のじゃロリで角生えてるんですよ。良いですよね。

「人かどうかで言えば違うが、ぬしと変わらんぞ?鬼の中には角が生えとる種族もおる。まあ、鬼と言うのも人が勝手に付けた名じゃし、大昔の名残じゃ。昔は会話の出来る相手と思われておらんかったらしい。自分達以外は凶暴な獣と、考えとったと言うだけじゃな。人の方が数も多いし、仕方なかろう。」

そう言えば、吸血鬼らしいですね。結局。

吸血鬼って、なんで魅力的に映るんですかね?

やっぱ、いつまでも美しい存在と言うのが、夜の闇に映えるんでしょうかね。

それとも、血と肌のコントラストが良いんですかね。

吸血鬼の身体だからか、かなり興味あるんですよ。吸ったらどんな感じだろうって。

感覚的にはそう言うことのイメージなんですけど、成長したらその時が来るんでしょうか。

…その時の相手って師匠ですかね?師匠、多分百歳超えてるんですよね…。

「大人のレディーに年齢を聞くなどするもんじゃないぞ?」

とか言ってるんですよ。でもママの対応的になぁ、師匠なぁ、ロリババアなぁ。

ロリババって実際どうです?

ババですよ?

精神的にババはちょっとアレですけど。精神的に若ければ大丈夫です。

「でも師匠は精神的にババですよね…。」

「何を言っとるんじゃ…?」

師匠は魔法使いでして、私も以前村に来た時一つ魔法を教わりました。

光源を作る魔法です。

「ライトニングフラッシュ!」

どうですか。前より明るいですよ師匠!

「昼間に使ってもよう分からんわ…。」

と言うことで、今度は夜に使います。

火起こしの魔法「ヒートファイア!」を!!

「上手くはなっとるが…。その、なんで叫んどるんじゃ?気合いを入れんと出来んもんでもないじゃろう。」

「カッコつけたいからですけど?」

「…。」

「…。」

…。

道中は馬車的なヤツに乗って行きます。

雑食中型の竜らしいです。名前は「からあげ」です。

体力があって、力もあって、いざと言う時のスピードは驚くものがある。らしいです。

「いざと言う時は師匠が戦ってくれたら良いじゃないですか。怖いんですか?」

「そりゃ本当にどうしようもない時はワシも魔法を使うが、襲って来たとは言え、避けられる殺しは避けるべきじゃろう?後怖くないぞ。」

故郷トーの村を出て、トーの森を抜け、ラーの川を越えてラーの森に入って、ラーの森を抜けようとしたらー、

「ししょー!いざって時が来ましたよー!!」

デカいの熊に追いかけられています。10mくらい?

「まだ大丈夫じゃ!森を抜ければ追って来ん筈じゃ!多分!!恐らく!!Maybe!!」

荷物下ろしてたので、血と角と竜しか残りませんでした。

どうするんですか?マスター?一文無しですよ?

「マスターて、さっきワシがMaybe言うたからか?」

通じるんですね。

「そりゃ通じるじゃろ。ライトとかファイアとか、ワシの方が詳しいじゃろ流石に。ワシ魔法使いじゃぞ?」

それで、今後の予定は?

「人生において重要なことがある。それは切り替えることじゃ。無いものは無い。有るものは有る。自らを律し、心を切り替えることが肝心なんじゃ。」

何の話をしてるんですか?

「時には、悪事を見過ごす必要もある。盗むぞ!ネムアムよ!」

頭打ちました?医者に掛かるお金無いんですけど。

「からあげ、穴掘るの手伝ってくれる?」

さようなら、あなたのことは忘れたいです。

「ボケとらんわ!それに良い事を思いついたぞ!ワシらはパッと見捨て子じゃろ?そう思って油断した相手を、ワシの魔法で一発じゃ!」

随分楽しそうですけど、まあしょうがないですね。

ロリに近付く大人は理不尽にシバかれる運命ですから。

「ん?」

杖を持って目を瞑り、多分遠見の魔法を使っているマスターが何か見つけたみたいです。

「しめた!盗賊の馬車じゃ!」

コホンッ!と一度咳をして。

「罪無き人々から物を奪うとは許せん。ぬしもそう思うじゃろう?あの盗賊から奪われた物を取り返そうではないか。」

盗賊退治イベント、もっとカッコいい理由が良かったです…。

「野蛮な盗賊どもよ!奪った物を置いて今直ぐ立ち去れ!さすれば、今回だけは見逃してやろう。」

白いローブを身に纏い、真紅の角を陽に照らし、水晶が輝く大きな杖を持った少女はそう言い放った。

少女の声に盗賊達は動揺する。

「…なんだガキか。」

一人の盗賊が落ち着きを取り戻すと、それは素早く伝播して行く。

「ひとりでちゅかぁ?パパやママはどうちたんでちゅかぁ?」

盗賊の言葉に少女は怒り、杖を向ける。

杖の先から出た炎が盗賊を悶えさせた。

「もう一度言う!大人しく引け!」

少女が杖を戻すと炎は消えた。

盗賊達は息を呑み、顔を見合わせる。

「次は灰も残らんぞ…?」

少女が再び杖を向けると、盗賊達は急いでその場を走り去った。

「戦いは避けろとか言ってましたよね?」

あのまま戦闘になってたら、どうするつもりだったんですかね?

「これで1人の少女を育てられる。その為なら、ワシはやって良かったと思っておるよ。」

美しい笑顔ですね。

私の国では盗まれた物を盗み返しても犯罪なんですよ。マスター。

「…まあ、取り敢えずラーの町に行きましょう。近いんですよね?」

「そうじゃな。そこの人々が取られた物じゃろうしな。いやー、良い行いは気分も良いのお!」

そんなこんなで、ラーの町に着きました。

トーとかラーとか、ここの地名そんなんばっかなんですよね。

地名って、どう思って付けたんでしょうね。

多分深い意味は無いんでしょうね。

余ったラー油の消費方法も無いんでしょうね。

「そこの馬車、止まれ!」

…なんか衛兵さんが話してますね。

これはアレですよね。英雄ルートですよね。

村に帰らなくて良さそうです。良かった。

「二度も同じ手口で来るとはな。舐めやがって、クソ盗賊共。」

マスターが拘束されました。

私も拘束されました。

からあげ、暫しの別れだ。……草食べてる。

「入れ。」

牢に入れられました。

「手を出せ。」

拘束は解いてくれるんですね。

何で捕まったんでしょうか。多分、盗賊関連の事ですよね?

それとも、マスターが以前やらかしたんでしょうか。

だとしたら最悪ですね。尊敬出来ないですね。糞ですね。唐揚げの方が頼りになりますね。

「ワシ何もしとらんよ…。」

じゃあ…何ですか?

子供のふりして、油断したところを襲撃!とかしたんですかね?

「ババアが熊倒してればこんな事にならなくて済んだんですけどね。ババアが。熊を。倒してれば。」

ちょっと震えてますね。

流石に起こりましたかね?

「うるさい!あんな化熊と戦っとれんわ!ワシだって怖いもんは怖いんじゃアホ!!」

まあ、私も怖いのでその件はどうでも良いですけど。

「さっさと出るぞ。」

そう言うと、ババアは牢の鍵に手を当てました。

そして直ぐにガチャっと音が鳴り、牢の鍵が開いたのです。

「凄いですねババア!私にも教えてください!」

ババア呼びを辞めたら教えてくれるそうです。

致し方無し。ですね。しょうがないです。諦めましょう。

「諦めるな!!」

「…一応師の立場じゃし、後で教えてやる。それとせめて『お婆ちゃん』にしてくれ。」

その、お婆ちゃんの杖とローブを取り返すと、それらが置いてあった部屋で盗賊に関する情報を見つけました。

それによると、町長の娘アリシャちゃんが、たまたま町に来た少女と知り合い仲良くなる。これが3日前。

その少女がアリシャちゃんを、なんと町長の目の前で誘拐!これが2日前。

そして昨日身代金の要求があり、今日私達が捕まった。そうです。

「あー、こりゃ無理じゃな。この事が頭の隅にある限り、少女の見た目をしたワシらを信じてもらえんぞ。」

町長の娘ですか…。

助けたらそれなりにお礼頂けそうですね。

「怪しくても、娘を助けてくれた恩人ですし、旅費は何とかなるのでは?」

そうと決まればレッツトーゾクパーリナイです!

ついでに解錠の魔法も教えて貰いました。鍵を差して回して開けるタイプの錠はこれで開けられそうです。練習あるのみですね!

…どうやって練習するんですか?

町中の鍵を開けて回るんですか?赤服白髭爺入門ですか?

一つの鍵で繰り返し練習しても意味ないですよね?

一応、時間さえあれば開けられるので、自然に慣れるのを待つしか無さそうですね…。

と言うか、魔法使いを牢屋に入れるって愚策なのでは?

それとも、お婆ちゃんは簡単に開けてましたけど、かなり複雑な鍵だったんですかね?よく分かりませんね。

「見つけたぞ!盗賊共の寝ぐらじゃ!」

割と近いです。

近所の山の2号目くらいの距離感です。平地ですけど。

着く頃には夜ですかね。からあげの足なので。隠密には丁度良さそうですね。

「からあげの足」て、なんか美味そうですね。部位的な話ですかね。

「作戦はこうじゃ。ワシがパッと行って町長の娘を連れて帰るから、燃やせ。」

サー!イエッサー!

「ほい『パッ』と。」

お婆ちゃんが消えました。

その直ぐ後に断末魔が…聞こえないことにしましょう。

私は私の役割を。

「ファイヤー!!アロー!!」

先制出来そうですね。

やる事は直接チャッカマンですけど。

木造なので期待出来ますねぇ?

「ほい『パッ』と。」

お婆ちゃんがアリシャちゃんを連れて来ましたね。後は逃げるだけです。

…。

アリシャちゃんの元気がないですね。

盗賊共め、こんな美少女を痛ぶって楽しんでいたとでも言うのか!?許せん!!

「眠っとるだけじゃ。騒いで面倒での。」

なんだ。良かった。

「アリシャを、娘を助けて頂きありがとうございます。」

町長さんから謝礼をたんまり頂きました。

これで旅が続けられそうです。

旅続けなくて良いかもと思い始めましたが。

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